Two cases of survial in prematurely born Japanese Black calves.

Abstract

胎齢241日と胎齢240日で出生した黒毛和種子牛に対して、ブドウ糖液とリンゲル液を投与し、良好な結果を得た。症例1は往診時には出生より約5時間経過していたため、体温は36.0℃以下に下降し、脱水が著しく意識不明の状態であった。そこで、40%ブドウ糖液100ml、リンゲル液1000mlを約1時間で点滴静注した。その間微温湯と毛布で保温することにより、体温は37.8℃に上昇、意識が出現し、母乳の嚥下が可能となった。症例2は出生直後の往診のため、体温は38.4℃と正常であったが意識不明の状態であった。そこで前述と同様の輸液を行い、更に胃カテーテルを用いて母乳を強制投与した。同日、嚥下可能となり、翌日には起立可能となった。両症例ともその後順調に成育した。以上の2症例より、正常妊娠期間の85%に満たずに出生した子牛でも、ブドウ糖液と初乳の投与により、正常妊娠期間を満たして生まれた子牛と同様の順調な成育が望めるものと思われる。