Immunohematological studies on the neonatal calves of Japanese Black Cattle. I. Hematological properties in neonatal calves with or without diarrhea and their dams in pre and post-parturition.

Abstract

黒毛和種の新生仔牛における下痢に関する予防・治療対策の一環として、新生仔牛およびその母牛の免疫血液学的性状について検索した。分娩直後および分娩後1週間目の母牛における血清中の総蛋白質量(TP),γ-グロブリン(γ-gl)および免疫グロブリンG(IgG)濃度は低下し、また分娩後1週目の白血球数(WBC)およびリンパ球数(LyC)は低値を示した。健常な仔牛では、赤血球数(RBC),血色素量(Hb)および赤血球容積(Ht)はいずれも分娩後に低下し、2～3週令で最低値を示し、また4週令で急な上昇傾向を示したが、その後8週令まで漸次上昇した。WBCとLyCは3週令まで上昇し、4～5週令で低下し、その後漸増を示した。TPとIgGは哺乳後最高値を示し、4～6週まで漸減し、その後漸増した。下痢に陥った仔牛では、RBC、HbおよびHt値の生後2週令目における低下が著しく、その後の回復も緩やかであった。また出生時のLyCは、健常仔牛に比べて低値を示し、さらに生後1週令のTPおよびIgG値も同様に低値を示し、その後も緩徐な上昇を認めた。次に、下痢仔牛の病徴の程度と各検査成績との比較では、WBC、LyC、TPおよびIgGは重症度に応じて低下する傾向を示した。