The Use Situation of Absorptive Lenses in Osaka Medical College

Abstract

目的:羞明は網膜色素変性に限らず、種々の眼疾患に伴う症状である。最近は、遮光レンズの色も豊富になり、さまざまな眼疾患に対応できるようになってきている。今回、大阪医科大学病院で試みている遮光眼鏡について調査したので報告する。対象と方法:対象は本学にて遮光眼鏡を処方した247名で、年齢は1歳～93歳、優位眼の視力は光覚～2.0であった。疾患名、視力、色、眼鏡タイプ等を調査し、その使用状況などの聞き取りを行った。結果:遮光眼鏡を処方した疾患は、網膜色素変性56名、白内障手術前後84名、糖尿病網膜症24名、他の網膜疾患31名、輻湊不全等の眼位異常18名、緑内障10名、先天無虹彩6名であった。処方レンズの色は網膜色素変性では東海光学のCCP、CCP-400シリーズのイエロー系(YL.LY)とブラウン系(FL.NA)が中心であった。白内障手術前後ではCCP400シリーズの薄い色(TS.NA)の処方が6割を占めた。眼位異常を有する症例では、両眼視が維持しやすくなり、眼精疲労の軽減が見られ、VDT作業や大型二種免許更新等に役立った。光覚のみの症例でも強い羞明感があり、濃い色を希望する例もあった。結論:遮光眼鏡は網膜色素変性の羞明感を軽減し、暗順応を助けるために開発されたが、その適応範囲は広がり、白内障手術前後や網膜疾患・輻湊不全などでも有用であった。羞明を自覚しない症例でも、屈折矯正だけでは解決できない見えにくさがある場合、遮光眼鏡を試用してみることは価値があると思われた。