Binocular Visual Field

Abstract

我々は日常生活において、両眼で視覚情報処 理 を行 っている。視野 において も、患者の Quality of Vision (QOV)を 考えた場合、両眼 開放下での評価を行うことは重要な課題である。 視野 にお ける両 眼開放 下に よるbinocular summationの 影響については、基礎的な心理物 理学的実験 として、さまざまな検査条件、網膜 部位での検討が試みられてきた1-6)。現在、臨 床的に両眼開放下の視野を評価する手法として、 .単眼視野を数学的に重ね合わせて評価する方法 や7)、実際に両眼開放下で視野測定を行う方法 。 若山らは、両眼開放下でより精度の高い静的 視野測定を行うために、自動視野計Octopus 201 にハーフミラーが取 り付けてあるスペースシノ プ トフォアを組み込んだ両眼開放視野測定装置 を開発 した。そして、本装置を用い左右単眼視 野と、実際に両眼開放下で測定された視野の違 いについて様々な側面か ら評価 して きた9-14)。 その結果、両眼開放下ではbinocular summation による感度上昇が確認されたが、その程度は、 検査条件や測定部位によって変化することが示 された。視標サイズ0か ら5ま での6種 類を用 いて融像下でのbinocular summationを 検討した ところ、視標サイズが小 さいほ どbinocular summation ratio(単 眼時の閾エネルギー/両 眼開放時の閾エネルギー)が 上昇することが示 された。さらに、両眼開放下での各種視標サイ ズでの閾エネルギーを単眼時と比較 した結果、 両眼開放下における受容野の大きさは、単眼視 野よりも小 さい可能性が示唆された12)。このよ うに小さな視標のほうがbinocula rsummation ratioが大きいことは、我々の 日常生活を振 り返 ると、より小さな物体 を見る場合には、片眼よ り両眼で見た方が機能的に有利に作用 している ことを意味する。 さらに我々は、本装置を用いて、縦縞の入っ た解像度視標を呈示 し、視標が見えたら応答す るいわゆる検出閾値 と視標の縞が確認されたら 応答する解像度閾値を単眼ならびに両眼開放下