Management and Monitoring of Invasive Alien Plant Species, Coreopsis lanceolata L., in an Elementary School

Tatsuya Saito, Genyu Nakagawa
{"title":"Management and Monitoring of Invasive Alien Plant Species, Coreopsis lanceolata L., in an Elementary School","authors":"Tatsuya Saito, Genyu Nakagawa","doi":"10.5647/jsoee.29.2_24","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"外来種とは、人間により本来の分布域の外に意図的あ るいは偶然に持ち出された生物種を指す(村中・石濱 2010)。古くより人間は、食、薬、衣、緑化、鑑賞等、様々 な用途のために多種多様な外来種を地域外から導入し、 自分たちの生活に活かしてきた(村中・石濱 2010)。ほ とんどの外来種は導入先の地域で野生化しないが、一部 の種は地域内に広く定着し、地域の生態系や農林水産 業、人間生活に対し深刻な影響を及ぼしている(Pyšek and Richardson 2010)。後者のような外来種を侵略的外 来種と呼ぶ(文献により定義が異なることに注意; 村 中・石濱 2010)。侵略的外来種の問題は、現代の環境保 全、特に生態系保全を考える上で無視できない存在と なっている(Pyšek and Richardson 2010)。 侵略的外来種への対策は世界各国で実施されている (Pyšek and Richardson 2010)。日本においては2004年 に制定された「特定外来生物による生態系等に係る被害 の防止に関する法律(外来生物法)」(1)や2015年に公表 された「外来種被害防止行動計画」(2)がそれに該当する。 後者では、国内の外来種対策を総合的・効果的に推進す るための8つの基本的な考え方や国が実施すべき行動指 針・目標等が示されている。8つの考え方の筆頭には「外 来種対策における普及啓発・教育の推進と人材の育成」 が掲げられ、教育機関における外来種問題やその対策に ついての啓発・教育の必要性が記されている。加えて、 現行の中学校学習指導要領(3)と高等学校学習指導要領(4) には外来種問題についての学習内容が既に含まれている。 また、小学校教育の場においても外来種問題について啓 発する必要性が指摘されている(岩西・澤畠 2015、加藤 2016)。学校教育の場において外来種問題やその対策に ついての教育を行う機会は今後増加すると予想される。 近年では学校教育の場において外来種問題が扱われ始 め(畑田・平野 2006、加藤 2016)、児童らが「総合的 な学習の時間」や課外活動の中で外来種管理を実際に体 験する例も報告され始めてきた(平野ほか 2008)(5)。 外来種管理への参加は、外来種問題や環境保全に対する 意識の向上を促し、将来の環境教育に携わる人材の育成 に繋がりうる(学校教育現場での事例ではないが、小島 2006)。また、環境教育の目標の1つである「環境に働 きかける実践力の育成」(国立教育政策研究所 2014)の 達成にも寄与しうる。 外来種管理の実際の効果を検証する上で、生態学的手 法に基づいた定量的なモニタリング調査は有効な手段と なり、対象が植物や植物群落の場合には植生学的な調査 手法がしばしば用いられる(大窪 2005)。モニタリング 調査による管理効果の定量化・数値化は、児童らによる 管理効果の理解を促すと予想される。さらに、モニタリ ング調査を児童ら自らが体験することは、管理効果の実 感を促し、外来種対策に対する理解の深化に貢献するか もしれない。一方で、外来種管理の効果を児童ら自身が 定量的に調べた事例はこれまでほとんど報告されていな い(但し、平野ほか 2008)。 新潟県十日町市内の小学校では、地域の自然環境を題 材とした地域学習が盛んに行われており、その一環で外 来種問題が学習課題として扱われる場合もある。また、 学校と市内の博物館等との連携も盛んであり、自然科学 を専門とし地域の自然に詳しい学芸員らが授業を支援す ることもある(例えば、畑田・平野2006、平野ほか 2008)。 報告 小学校における外来種の管理とモニタリング調査 -外来植物オオキンケイギクを対象とした事例-","PeriodicalId":308853,"journal":{"name":"Japanese Journal of Environmental Education","volume":null,"pages":null},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Japanese Journal of Environmental Education","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5647/jsoee.29.2_24","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Abstract

外来種とは、人間により本来の分布域の外に意図的あ るいは偶然に持ち出された生物種を指す(村中・石濱 2010)。古くより人間は、食、薬、衣、緑化、鑑賞等、様々 な用途のために多種多様な外来種を地域外から導入し、 自分たちの生活に活かしてきた(村中・石濱 2010)。ほ とんどの外来種は導入先の地域で野生化しないが、一部 の種は地域内に広く定着し、地域の生態系や農林水産 業、人間生活に対し深刻な影響を及ぼしている(Pyšek and Richardson 2010)。後者のような外来種を侵略的外 来種と呼ぶ(文献により定義が異なることに注意; 村 中・石濱 2010)。侵略的外来種の問題は、現代の環境保 全、特に生態系保全を考える上で無視できない存在と なっている(Pyšek and Richardson 2010)。 侵略的外来種への対策は世界各国で実施されている (Pyšek and Richardson 2010)。日本においては2004年 に制定された「特定外来生物による生態系等に係る被害 の防止に関する法律(外来生物法)」(1)や2015年に公表 された「外来種被害防止行動計画」(2)がそれに該当する。 後者では、国内の外来種対策を総合的・効果的に推進す るための8つの基本的な考え方や国が実施すべき行動指 針・目標等が示されている。8つの考え方の筆頭には「外 来種対策における普及啓発・教育の推進と人材の育成」 が掲げられ、教育機関における外来種問題やその対策に ついての啓発・教育の必要性が記されている。加えて、 現行の中学校学習指導要領(3)と高等学校学習指導要領(4) には外来種問題についての学習内容が既に含まれている。 また、小学校教育の場においても外来種問題について啓 発する必要性が指摘されている(岩西・澤畠 2015、加藤 2016)。学校教育の場において外来種問題やその対策に ついての教育を行う機会は今後増加すると予想される。 近年では学校教育の場において外来種問題が扱われ始 め(畑田・平野 2006、加藤 2016)、児童らが「総合的 な学習の時間」や課外活動の中で外来種管理を実際に体 験する例も報告され始めてきた(平野ほか 2008)(5)。 外来種管理への参加は、外来種問題や環境保全に対する 意識の向上を促し、将来の環境教育に携わる人材の育成 に繋がりうる(学校教育現場での事例ではないが、小島 2006)。また、環境教育の目標の1つである「環境に働 きかける実践力の育成」(国立教育政策研究所 2014)の 達成にも寄与しうる。 外来種管理の実際の効果を検証する上で、生態学的手 法に基づいた定量的なモニタリング調査は有効な手段と なり、対象が植物や植物群落の場合には植生学的な調査 手法がしばしば用いられる(大窪 2005)。モニタリング 調査による管理効果の定量化・数値化は、児童らによる 管理効果の理解を促すと予想される。さらに、モニタリ ング調査を児童ら自らが体験することは、管理効果の実 感を促し、外来種対策に対する理解の深化に貢献するか もしれない。一方で、外来種管理の効果を児童ら自身が 定量的に調べた事例はこれまでほとんど報告されていな い(但し、平野ほか 2008)。 新潟県十日町市内の小学校では、地域の自然環境を題 材とした地域学習が盛んに行われており、その一環で外 来種問題が学習課題として扱われる場合もある。また、 学校と市内の博物館等との連携も盛んであり、自然科学 を専門とし地域の自然に詳しい学芸員らが授業を支援す ることもある(例えば、畑田・平野2006、平野ほか 2008)。 報告 小学校における外来種の管理とモニタリング調査 -外来植物オオキンケイギクを対象とした事例-
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某小学外来入侵植物——针叶栎的管理与监测
所谓外来物种,是指被人类有意无意地带到原本分布区域之外的生物种类。(村中·石滨2010)自古以来,人类为了食、药、衣、绿化、鉴赏等各种各样的用途,从地域外引进了多种多样的外来物种,并运用到自己的生活中(村中·石滨2010)。hotdon的外来物种在引进地的地区不会野化,但是一部分物种在地区内广泛定居,对地区的生态系统和农林水产业以及人类生活产生了严重的影响。2010)。像后者这样的外来物种称为侵略性外来物种(注意不同的文献定义不同;村中·石滨2010)。侵略性外来物种的问题,在现代的环境保护,特别是生态系统保护的考虑上成为不可忽视的存在(Pyšek and Richardson 2010)。世界各国都实施对侵略性外来物种的对策(Pyšek and Richardson 2010)。日本在2004年制定的《关于防止特定外来生物对生态系统等造成损害的法律(外来生物法)》(1)和2015年公布的《防止外来物种损害行动计划》(2)都属于此类。后者提出了综合、有效推进国内外来物种对策的8个基本思路,以及国家应实施的行动指针和目标等。8个思考方式的最前面是“关于外来种对策的普及启发·教育的推进和人才的培养”,记载了关于在教育机关的外来种问题及其对策的启发·教育的必要性。另外,在小学教育领域也有必要对外来物种问题进行启发(岩西·泽畠2015、加藤2016)。预计今后在学校教育场所进行关于外来物种问题及其对策的教育的机会将会增加。近年来,外来物种问题开始在学校教育中被处理(畑田平野2006,加藤2016),学生们在“综合学习时间”和课外活动中实际进行外来物种管理。实验的例子也开始被报告(平野等2008)(5)。外来种管理的参与,促进了对外来种问题和环境保护的意识的提高,和将来从事环境教育的人才的培养有可能相连(不是学校教育现场的事例,小岛2006)。另外,环境教育的目标之一“培养环境动力的实践能力”(国立教育政策研究所2014)的达成也有可能做出贡献。在验证外来物种管理的实际效果上,基于生态学方法的定量监测调查是有效的手段,当对象是植物或植物群落时,植被学的调查方法经常被使用(大洼2005)。通过监测调查的管理效果的定量化和数值化,预计会促进儿童们对管理效果的理解。而且,儿童们亲自体验监测调查,可以促进对管理效果的实际感受,对深化外来种对策的理解也有贡献。另一方面,儿童们自己定量调查外来种管理的效果的事例到现在为止几乎没有被报告(但是,平野等2008)。在新潟县十日町市内的小学,盛行着以地区的自然环境为主题的地区学习,作为其中一环,有时也会把外来物种问题作为学习课题来处理。另外,学校和市内的博物馆等的合作也很盛行,也有以自然科学为专门对地区的自然熟悉的学芸员们支援授课的事(例如,畑田·平野2006,平野等2008)。报告小学外来种的管理和监测调查-以外来植物大金桂菊为对象的案例-
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