{"title":"Changes in Immunity and Effects of Immunopotentiator in Cows at Periparturient Pariod.","authors":"Shigero Sato","doi":"10.4190/JJVC1990.21.61","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"乳牛の分娩前後における免疫能の低下と周産期感染症との関連およびその予防対策を明らかにする目的で、分娩前後の乳牛や周産期感染症牛における免疫能の変化、免疫能に及ぼす血中成分の影響、また、分娩前後の免疫能の低下に対する免疫賦活物質の影響について検討した。乳牛の分娩前後において末梢血液中のリンパ球幼若化能は、分娩前から分娩日にかけて低下し、分娩日あるいは分娩後1週目に最低値を示して分娩後4週目まで低値で推移した。好中球ニトロブルー・テトラゾリウム(NBT)還元能は、分娩日から分娩後4週目までの間、分娩前に比べわずかに低値で推移し、また、末梢白血球のインターロイキン(IL)-2のメッセンジャーRNA(mRNA)発現は、分娩前1週から分娩日までの間、分娩前4週や分娩後1週目以降に比べ抑制される傾向を認めた。乳房炎牛や産褥性子宮炎牛において末梢血液中のリンパ球幼若化能は、健康牛に比べ有意な低値を示し、これら幼若化能の低下は、血清アンモニアおよびα1酸性糖タンパク濃度の上昇や血清ビタミンE(VE)濃度の低下と関連のあることが示唆された。いっぽう、セレニウム(Se)とVEの混合製剤(E-SE製剤;Seとして25mgおよびVEとして680IU)を分娩予定の5週前に1回筋肉内投与した乳牛において、リンパ球幼若化能は分娩日に、また、好中球NBT還元能は分娩日から分娩後3週目までの間、対照牛に比べ有意な高値を示した。免疫賦活物質として活性卵白粉末やBacillus subtilis菌体粉末を分娩前から投与した乳牛でも、分娩前後のリンパ球幼若化能および好中球NBT還元能は、対照牛に比べ高値で推移する傾向を認めた。これらのことから、乳牛の分娩前後における免疫能の低下は、乳房炎や産褥性子宮炎の発生と関連があり、また、妊娠末期の乳牛に対するSeやVEおよび種々の免疫賦活物質の投与は、分娩前後における免疫能の低下を軽減し、乳房炎や産褥性子宮炎などの周産期感染症を予防する効果のあることが示唆された。","PeriodicalId":293284,"journal":{"name":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","volume":"12 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"5","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"The Tohoku Journal Veterinary Clinics","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.4190/JJVC1990.21.61","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}