[Review] Extraction of Intact Heteroxylan by Ionic Liquid and Its Structural Characterization

Abstract

植物細胞壁は,セルロース,ヘミセルロース,リグニン の主要成分から構成され,地球上で最大の炭素貯蓄源であ り,植物バイオマスと呼ばれている.人類は,植物バイオ マスを直接的な燃料や建築材料,紙パルプなどの資源とし て利用してきた.しかし,化石資源の枯渇が懸念される 中,これまで以上に,植物バイオマスをより多様な用途に 活用していくための技術革新が求められている.自然界の 循環系に目を向けてみると,光合成によって生産された植 物細胞壁の大部分が,担子菌をはじめとする森林の微生物 によって資化されており,この際に大きな役割を果たすの が,菌体外に分泌される酵素である.このことを考える と,我々が植物細胞壁をバイオマス資源として上手く利用 していくためには,酵素による細胞壁分解をより本質的に 理解することが重要だと言える.筆者らの研究室では,植 物細胞壁中の多糖類の利用を目的に,木材腐朽力が高い菌 として単離された白色腐朽菌ウスバタケ (Irpex lacteus) が Extraction of Intact Heteroxylan by Ionic Liquid and Its Structural Characterization イオン液体を用いた天然型キシランの抽出とその 構造的特徴