望亜 加藤, 翔慶 土田, 伊勢 真奈美, 聖冬 黒松, 真人 森田, 哲夫 坂本, N. Katou, S. Tsuchida, H. Tomotsuna, M. Ise, S. Kuromatsu, M. Morita, T.Sakamoto
{"title":"Study on classification and counting of aerosols using SEM observation","authors":"望亜 加藤, 翔慶 土田, 伊勢 真奈美, 聖冬 黒松, 真人 森田, 哲夫 坂本, N. Katou, S. Tsuchida, H. Tomotsuna, M. Ise, S. Kuromatsu, M. Morita, T.Sakamoto","doi":"10.1384/jsa.29.204","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"大気環境中には目に見えないサイズの微小粒子が多数浮遊している.このような大気中に浮遊する微小な 固体や液体の粒子は,エアロゾルと呼ばれている.エアロゾルの発生源には,花粉や黄砂などの自然起源の ものや,ブレーキダストや鉄道磨耗粉塵などの人為起源の発生源がある.さらに,自然起源の粒子が,人為 的な要因により,形状や成分が変わることもある[1.2].また,近年では東アジアの経済発展に伴い,工業地 帯から大量のエアロゾルが排出されており,大気汚染の要因となっている[3.4].現在のところ,このような 様々な発生起源をもつエアロゾルの化学分析には,バルク分析が主流となっている.バルク分析は,定量的 なデータを高い確度で得ることが可能である.しかしながら,バルク分析は捕集された粒子群の平均化学組 成しか把握することができず,特定のタイプの粒子について発生源の特定や化学組成,浮遊履歴などの解析 は原理的に難しい[5].一方,エアロゾルによる気候変動や健康影響の観点では特定の粒子の大気中の個数変 動データが必要であると考えられる. 当研究室では,エアロゾルの個別粒子解析が可能な集束イオンビーム飛行時間型二次イオン質量分析法 (Focused Ion Beam Time-of-flight Secondary Ion Mass Spectrometry: FIB-TOF-SIMS)を独自に開発し,個別粒 子の表面構造から内部構造までの成分分布の解析を行ってきた[6].こうした個別粒子の詳細な情報は粒子 の発生・変性メカニズムや健康影響を知るうえで新しい情報を与えてきた.一方で,ある環境場におけるエ アロゾル集団の情報を得るためには,1サンプルにつき,数 100 以上の個別粒子データに基づく統計的に有 意な組成データが必要である.しかしながら,TOF-SIMS では,成分マッピングの視野内に数 10 個程度の 粒子がある状態でイメージングおよびデータ処理をしたとしても,数 10 回のマッピングを行わなければな らないため,現実的とは言えない. 我々のこれまでの経験から,粒子の成分(起源)と粒子の形状にはある程度の相関があることがわかって きた.そこで,本研究では粒子の形状と成分(起源)の相関に着目し,走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope: SEM)画像を取得後,画像解析ソフト(ImageJ)およびクラスター解析ソフト(R言語)を用い て,一定期間における特定粒子の個数変動および形状の評価を行った.この方法を用いれば,迅速に多数粒 子のなかからタイプ別個数をカウントできるため,一種のバルク的情報が得られるほか,発生源別の粒子数 やその変動を比較的容易に得ることができると考えられる.本発表では SEM 画像を用いた微粒子の形状分 類によるタイプ別粒子カウント方法のコンセプトを提案する. [1] 環境省,‘‘資料 1-1 粒子状物質の特性に関する知見の整理”pp. 1-20. [2] 環境省,“資料 2-1 粒子状物質の特性について” pp. 1-8. [3] 国立環境研究所編集委員会,環境儀,No. 12. 独立行政法人 国立環境研究所, 2004. [4] L. Chen, M. Zhang, and Y. Wang, Theor. Appl. Climatol., 125, pp. 713-728, 2016. [5] N. Takegawa, A. Takami, Earozoru Kenkyu, 32, pp. 118-124 (2017). [6] T. Sakamoto et al., Appl. Surf. Sci., 255, pp. 1617-1620 (2008).","PeriodicalId":90628,"journal":{"name":"Journal of surface analysis (Online)","volume":"134 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2023-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of surface analysis (Online)","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1384/jsa.29.204","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Abstract
大気環境中には目に見えないサイズの微小粒子が多数浮遊している.このような大気中に浮遊する微小な 固体や液体の粒子は,エアロゾルと呼ばれている.エアロゾルの発生源には,花粉や黄砂などの自然起源の ものや,ブレーキダストや鉄道磨耗粉塵などの人為起源の発生源がある.さらに,自然起源の粒子が,人為 的な要因により,形状や成分が変わることもある[1.2].また,近年では東アジアの経済発展に伴い,工業地 帯から大量のエアロゾルが排出されており,大気汚染の要因となっている[3.4].現在のところ,このような 様々な発生起源をもつエアロゾルの化学分析には,バルク分析が主流となっている.バルク分析は,定量的 なデータを高い確度で得ることが可能である.しかしながら,バルク分析は捕集された粒子群の平均化学組 成しか把握することができず,特定のタイプの粒子について発生源の特定や化学組成,浮遊履歴などの解析 は原理的に難しい[5].一方,エアロゾルによる気候変動や健康影響の観点では特定の粒子の大気中の個数変 動データが必要であると考えられる. 当研究室では,エアロゾルの個別粒子解析が可能な集束イオンビーム飛行時間型二次イオン質量分析法 (Focused Ion Beam Time-of-flight Secondary Ion Mass Spectrometry: FIB-TOF-SIMS)を独自に開発し,個別粒 子の表面構造から内部構造までの成分分布の解析を行ってきた[6].こうした個別粒子の詳細な情報は粒子 の発生・変性メカニズムや健康影響を知るうえで新しい情報を与えてきた.一方で,ある環境場におけるエ アロゾル集団の情報を得るためには,1サンプルにつき,数 100 以上の個別粒子データに基づく統計的に有 意な組成データが必要である.しかしながら,TOF-SIMS では,成分マッピングの視野内に数 10 個程度の 粒子がある状態でイメージングおよびデータ処理をしたとしても,数 10 回のマッピングを行わなければな らないため,現実的とは言えない. 我々のこれまでの経験から,粒子の成分(起源)と粒子の形状にはある程度の相関があることがわかって きた.そこで,本研究では粒子の形状と成分(起源)の相関に着目し,走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope: SEM)画像を取得後,画像解析ソフト(ImageJ)およびクラスター解析ソフト(R言語)を用い て,一定期間における特定粒子の個数変動および形状の評価を行った.この方法を用いれば,迅速に多数粒 子のなかからタイプ別個数をカウントできるため,一種のバルク的情報が得られるほか,発生源別の粒子数 やその変動を比較的容易に得ることができると考えられる.本発表では SEM 画像を用いた微粒子の形状分 類によるタイプ別粒子カウント方法のコンセプトを提案する. [1] 環境省,‘‘資料 1-1 粒子状物質の特性に関する知見の整理”pp. 1-20. [2] 環境省,“資料 2-1 粒子状物質の特性について” pp. 1-8. [3] 国立環境研究所編集委員会,環境儀,No. 12. 独立行政法人 国立環境研究所, 2004. [4] L. Chen, M. Zhang, and Y. Wang, Theor. Appl. Climatol., 125, pp. 713-728, 2016. [5] N. Takegawa, A. Takami, Earozoru Kenkyu, 32, pp. 118-124 (2017). [6] T. Sakamoto et al., Appl. Surf. Sci., 255, pp. 1617-1620 (2008).
大气环境中漂浮着许多肉眼看不到的微小粒子。这种悬浮在大气中的微小固体和液体粒子被称为气溶胶。气溶胶的来源是花粉、沙尘暴等自然起源的粒子。物体,刹车灰尘和铁路磨损灰尘等人为起源的产生源。另外,自然起源的粒子由于人为的因素,形状和成分也会发生变化。[1.2].另外,近年来随着东亚经济的发展,工业地带中大量的气溶胶被排出,成为大气污染的主要原因[3.4]。目前,对于具有各种起源的气溶胶的化学分析,散装分析是主流。散装分析是定量分析。但是,散装分析只能掌握收集到的粒子群的平均化学组成,对特定类型的粒子进行源确定、化学组成、浮在履历等分析。在原理上很难[5]。另一方面,从气溶胶对气候变化和健康影响的观点来看,需要特定粒子在大气中的个数变动数据。该实验室采用可分析气溶胶个别粒子的聚焦离子束飞行时间型二次离子质谱分析法(Focused Ion Beam Time-of-flight Secondary Ion Massspectrometry:自主开发FIB-TOF-SIMS),分析了个别粒子从表面结构到内部结构的成分分布[6].这些个别粒子的详细信息的发生、变性机制和对健康的影响提供了新的信息。另一方面,为了获得某个环境场的气溶胶群的信息,每个样本需要基于数百个以上的个别粒子数据的统计上有意识的组成数据。但是TOF-SIMS那么,即使在成分映射的视场内有数十个左右粒子的状态下进行成像及数据处理,也需要进行数十次的映射,因此并不现实。根据我们目前的经验,粒子的成分(起源)和粒子的形状有一定程度的相关。因此,本研究着眼于粒子的形状和成分(起源)的相关,通过扫描电子显微镜(Scanningelectron microscope:SEM)获取图像后,利用图像分析软件(ImageJ)及簇状分析软件(R语言),在一定期间内对特定粒子的个数变动及形状进行评估。采用该方法,可迅速实现多粒由于可以从子中按类型计算个数,因此除了可以得到一种大块信息外,还可以比较容易地得到不同来源的粒子数及其变动。本发表提出了利用SEM图像的微粒子的形状分类的分类型粒子计数方法的概念。[1]环境省,“资料1-1关于微尘特性的知识的整理”pp. 1-20.[2]环境部,“资料2-1微尘的特性”pp. 1-8.[3]国立环境研究所编辑委员会,环境仪,No. 12.国立环境研究所,独立行政法人,2004.[4]陈,陈,陈,陈,Wang, Theor. Appl. Climatol., 125, pp. 713-728,2016. [5] n.k ategawa, A. Takami, Earozoru Kenkyu, 32, pp. 118-124 (2017). [6] T. Sakamoto et al.,Surf. Sci., 255, pp. 1617-1620(2008)。