Long-term changes of temperature extremes and day-to-day variability in Japan

Abstract

日本における極端な高低温の長期・短期変動を，75 年間（1931～2005）の17 地点の日最高・最低気温と45 年間（1961～2005）の12 地点の850hPa 気温データを使って調べた。解析では平年値からの偏差について，月間最高値・最低値・平均値と日々変動幅（月内標準偏差）を扱った。また，標準偏差の2 倍以上の偏差が現れる頻度も調べた。その結果，日最高気温については月間最高値・最低値・平均値がほぼ並行して上昇していること，上昇率は近年ほど大きいこと，日々変動幅にはほとんど長期変化がないことが見出された。ほぼ同じことは850hPa 気温にも当てはまる。一方，日最低気温は月間最低値の上昇率が大きく，日々変動幅は減少している。また，極端な高低温には短期的な変動があり，それは平均値と日々変動幅の双方の変動と対応している。ラグ相関解析と主成分分析の結果によると，日々変動幅の偏差は数ヶ月～1 年程度の継続性があり，南北温度傾度の変動と対応関係がある。