T. Nakaegawa, Takayuki Tokuhiro, Akira Itoh, M. Hosaka
{"title":"Evaluation of Seasonal Cycles of Hydrological Processes in Japan Meteorological Agency Land Data Analysis","authors":"T. Nakaegawa, Takayuki Tokuhiro, Akira Itoh, M. Hosaka","doi":"10.2467/MRIPAPERS.58.73","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"本研究では、気象庁陸面解析システムと河川モデルからなるシステム(LDAG)により得られる、3つの水文量、土壌水分量、河川流量、陸水総貯留量の季節変化の気候値を観測値と比較して、その再現性を評価した。LDAGの土壌水分量は観測値に対して殆どの地点で高い相関を示した。しかし、中緯度東ユーラシア大陸では、負の相関も見られた。降水量の再現性は高いので、他の強制力、観測地点と異なる植生種類の使用などが原因と考えられる。河川流量は、多くの流域で20%以上の振幅の違いがあり、特に、北極海に注ぐ河川の多くでは、振幅が半分程度しかなかった。対象とした70河川中、過半数の河川で相関係数が0.5以上となった。多くの流域で位相差は±1ヶ月程度で、良く合っていた。観測に対して位相が遅い流域は6つだけで、位相が早い系統誤差がみられた。LDAGの再現性は小さくいないものの、類似のモデルと同程度の定性的な再現性を有していることが確認された。陸水総貯留量については、大流域河川のうち、アマゾン河、ミシシッピー河、レナ河では振幅の誤差は±10%以下であり良く再現している。一方、季節変化の相関係数は、熱帯やアジアモンスーン地域に位置する河川を中心に相関係数が高い流域が見られるが、総じて低い。これは、上述の人為的影響の他に、湖沼による滞留効果等が影響していると考えられる。位相差は、河川流量と同じく、観測に対して位相が遅い流域は4つに過ぎなく、それ以外の多くの流域で位相が早くなっている。特にコンゴ河と北極海に注ぐ河川で位相が3ヶ月も早くなっている。以上から、LDAGの水文量の季節変化は、観測気候値の基本的な特徴をかなり再現している。ただし、上に述べたように、問題点もあるので、それらを認識した上で、LDAGの水文量を、全球モデルの陸面初期値として利用したり、水文過程の研究に活用したりすることは許容されるであろう。","PeriodicalId":39821,"journal":{"name":"Papers in Meteorology and Geophysics","volume":"58 1","pages":"73-83"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2007-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"9","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Papers in Meteorology and Geophysics","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2467/MRIPAPERS.58.73","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"Q4","JCRName":"Earth and Planetary Sciences","Score":null,"Total":0}