A case of a malignant peripheral nerve sheath tumor on the cheek following trauma

Abstract

要 旨 悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST:malignant peripheral nerve sheath tumor)は 末梢神経由来の肉腫で,高 率に局所再発,転移を生じる。頭頸部での発生は稀で,今回,頬部 MPNST を経験したので報告する。症例 は 75 歳,男性。自転車走行中に転倒し顔面を受傷,頬部の腫脹に改善なく当科紹介となった。受傷後 1 ヶ月 の MRI にて左側咬筋内に 40×35×25mm の充実性病変を認め,生検で malignant spindle cell tumor の所見 であった。腫瘍切除術を行った結果,MPNST の診断となった。術後 4 ヶ月で局所再発を認めたため,再発腫 瘍切除術を施行,腫瘍は顔面神経へ浸潤していた。術後に 66Gy の外部照射を施行,現在,術後 18 ヶ月で局 所再発や遠隔転移を認めていない。MPNST は広範囲の切除が第一選択とされるが,頭頸部領域では機能温存 と審美的な配慮が必要となる。