{"title":"Occlusal force: measuring methods and influential factors","authors":"Taiji Nakamura, Masaki Morishita, M. Usui, K. Nakashima","doi":"10.2329/PERIO.60.155","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"1960年代前半まで外傷性咬合は歯周炎の主要な初 発因子と考えられていた1)。しかし,ブラッシング停止 による実験的歯肉炎2)の報告により歯周炎の初発因子 はプラークである可能性が報告されると,外傷性咬合 は初発因子とは考えられなくなった。その後,Glickmanと Smulow3,4)により外傷性咬合は歯周組織破壊 において補助的な役割を果たすという「共同破壊理論」 が提唱された。歯周組織を刺激層と共同破壊層に分け, 刺激層(辺縁歯肉と歯間部歯肉)ではプラークによっ て炎症が生じて歯周ポケットが形成されるが,外傷性 咬合の影響を受けないとした。共同破壊層(歯間水平 線維より根尖側の歯周組織部分)まで炎症が波及する と,外傷性咬合が存在する場合には炎症が歯根膜へ進 展し垂直性骨欠損を伴う骨縁下ポケットが形成される としている。 咬合力による応力はセメントエナメル境付近に発生 しやすい。Nomaら5)は,咬合力により歯頚部付近の セメント質の破壊や剥離が生じ,結合組織性付着の破 壊や歯周ポケットの形成が生じるという仮説を立て た。矯正治療のために便宜抜歯した歯に対して,繰返 し過重負荷試験機により 5.0 kgf(約 480N)の荷重を 1 回/秒で 100万回加えた。歯根表面を実体顕微鏡で観察 した結果,歯冠側から根尖側方向へ走向する亀裂と歯 根表面での歯質の剥離を認めた。また,歯根表面の亀 裂の面積は 50万回繰返した以降に増加する傾向を示 した。 歯周炎患者の咬合力は,健常者と比べて有意に低 い6)。また,動揺歯にかかる咬合力は,動揺度が大きく なるほど小さくなる7)。川崎ら8)は中等度から重度の歯 周炎患者に非外科的治療を行い,初診時の歯の動揺度 別に評価した結果,動揺度が小さい群は大きい群と比 較して歯周ポケット深さの減少量および付着の獲得量 が有意に大きかったと報告している。このように外傷 性咬合は歯の動揺を引き起こすだけでなく,結果とし て歯周治療の予後にも影響を与えるため,咬合力の測 定およびその大きさに影響を与える因子を理解するこ とは非常に重要であると考えられる。本レビューでは, 咬合力の測定方法とその大きさに影響を与える因子に ついて解説する。","PeriodicalId":19230,"journal":{"name":"Nihon Shishubyo Gakkai Kaishi (Journal of the Japanese Society of Periodontology)","volume":"2015 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2018-12-28","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Shishubyo Gakkai Kaishi (Journal of the Japanese Society of Periodontology)","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2329/PERIO.60.155","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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