Shinichiro Takai, Shosuke Fujiwara, Tatsuro Hayashi, T. Kumano
{"title":"A Study on electromagnetic wave shielding of the mortar mixed with carbon powder","authors":"Shinichiro Takai, Shosuke Fujiwara, Tatsuro Hayashi, T. Kumano","doi":"10.2472/JSMS.64.1034","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"We focus on the carbon powder as a conductive material which provides new feature and added value to concrete. In this study, the electromagnetic wave shielding property of mortar with carbon powder was examined by transmission test and reflection test.Also, complex specific permittivity that indicates the electrical property of material was calculated from experimental result of transmission test. Accordingly, in the transmission test, transmission amount turned out to be decreasing along with increase of carbon powder additive rate, and electromagnetic wave shielding property was improved. It was found that presumed complex specific permittivity tends to be largeboth on real part and imaginary part, along with increase of carbon powder additive rate. Key word:Carbon powder,Mortar,Electromagnetic wave shielding,Complex specific permittivity,Transmission test, Reflection test 1 緒 言 現代社会では携帯電話や無線 LAN が爆発的に普及し たことで,我々の日常生活における様々な場面でマイク ロ波帯(2~6GHz)の電磁波が利用されている.一方で, 電磁波環境は悪化の一途をたどり,外部から侵入する電 磁波によって医療機器のトラブルが発生し,病院等の施 設では,特定空間内での電磁波利用の制限や電磁波遮へ いが求められる場合もある.もし,モルタルあるいはコ ンクリートに任意に電磁波遮へい性を付与することが できれば,本来の耐荷力を担う能力に加えて,電磁波を 制御する機能を付加することが可能になる. 筆者らは,導電性材料として炭素粉末に着目し,研究 の第一段階として炭素粉末の添加がモルタルのフレッ シュ性状に与える影響,強度や弾性係数に与える影響を 明らかにするとともに,モルタルの新機能に着目し,導 電性や電磁波に対する特性について実験的に検討して きた 1),2).ここで,炭素粉末とは,生コークスを原料と した石油精製時の残さ物である.この生コークスを焼成 すると“か焼コークス”となり,焼成温度が 1700°C 程 度の比較的高温で焼成されたものがピッチ系炭素繊維 の原料となる.これに対して 1200~1400°C で焼成,粉 砕されたものが炭素粉末となり,炭素粉末は炭素繊維原 料に比べて非晶質である. 既往の研究では,炭素繊維等の導電性を有する炭素材 料をセメントペーストやモルタルに混入し,電磁波遮へ い性や吸収性(反射減衰効果)の向上を検討している . ただし,これらの試験に用いられている配合や試験体の 含水状態に関する情報は少ない.また,従来の同軸管法 等の試験方法で測定する場合,試験体の厚さも数ミリ 程度であり,本来の構造部材としての仕様とは異なる. そこで本研究は利用頻度の高いマイクロ波帯を対象 とした電磁波遮へいを可能にする構造体コンクリート あるいは埋設型枠用モルタル等の開発を目的に,炭素粉 末を添加したモルタルを用いて実際に使用する条件に 近い試験体寸法での電磁波遮へい性など各種試験を行 い,それらの開発に必要な基礎データを収集した. 電磁波遮へい性の試験は,比較的大型の試験体におい ても測定可能な透過法 を用いて行った.また,透過法で 得られた結果を用いて,材料の電気的特性を示す複素比 誘電率の推定を行った.さらに,反射法による試験を行 い,電磁波の吸収性についても併せて評価した. 2 実験概要 2・1 使用材料 Table 1 に使用材料および使用材料の物理的性質を示 す.セメントは普通ポルトランドセメントを,細骨材に は湖底砂(琵琶湖産)を,炭素粉末は 0.3mm 以下に粉砕 したものを使用した.また,モルタル中の空気量は,電 磁波遮へい性に影響を及ぼす可能性が考えられたため, 空気量の影響を排除することを目的にすべての配合で 消泡剤を使用し,空気量が 1%以下となるように調整し た. 2・2 モルタルの配合 Table 2 にモルタルの示方配合を示す.モルタルの配合 は,水セメント比(以下,W/C)を 50%,細骨材とセメ ントの質量比 S/C=2 のモルタルをベースとして, W/C=50,60,70%の 3 水準,炭素粉末は細骨材の一部 を置換する形で内割り混入とし,炭素粉末添加率(以下, CP)をモルタルの体積比で 0~20%の範囲で変化させた. 2・3 実験項目および測定項目 試験は自由空間における遠方界の透過法および反射 法を用いた.透過法の場合,日本建築学会電磁環境小委 員会「電磁シールド材料性能測定法」 によると,試験 体取付け用開口部の周長は測定周波数の波長と同等以 上と規定している.本試験では,開口部の 1 辺を 250mm とし,300×300mm の平板試験体を用いた.したがって, 開口部周長は 1000mm となり, 1GHz 以上の波長 (λ=300mm)を用いる場合であればこの規定を満足す る.また,反射法の場合,日本建築学会電磁環境小委員 会「室内用電波吸収体性能測定法」 によると試験体の 大きさは波長の 2 倍以上と規定している.反射法に用い","PeriodicalId":17366,"journal":{"name":"journal of the Japan Society for Testing Materials","volume":null,"pages":null},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2015-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"journal of the Japan Society for Testing Materials","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2472/JSMS.64.1034","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
引用次数: 0
Abstract
We focus on the carbon powder as a conductive material which provides new feature and added value to concrete. In this study, the electromagnetic wave shielding property of mortar with carbon powder was examined by transmission test and reflection test.Also, complex specific permittivity that indicates the electrical property of material was calculated from experimental result of transmission test. Accordingly, in the transmission test, transmission amount turned out to be decreasing along with increase of carbon powder additive rate, and electromagnetic wave shielding property was improved. It was found that presumed complex specific permittivity tends to be largeboth on real part and imaginary part, along with increase of carbon powder additive rate. Key word:Carbon powder,Mortar,Electromagnetic wave shielding,Complex specific permittivity,Transmission test, Reflection test 1 緒 言 現代社会では携帯電話や無線 LAN が爆発的に普及し たことで,我々の日常生活における様々な場面でマイク ロ波帯(2~6GHz)の電磁波が利用されている.一方で, 電磁波環境は悪化の一途をたどり,外部から侵入する電 磁波によって医療機器のトラブルが発生し,病院等の施 設では,特定空間内での電磁波利用の制限や電磁波遮へ いが求められる場合もある.もし,モルタルあるいはコ ンクリートに任意に電磁波遮へい性を付与することが できれば,本来の耐荷力を担う能力に加えて,電磁波を 制御する機能を付加することが可能になる. 筆者らは,導電性材料として炭素粉末に着目し,研究 の第一段階として炭素粉末の添加がモルタルのフレッ シュ性状に与える影響,強度や弾性係数に与える影響を 明らかにするとともに,モルタルの新機能に着目し,導 電性や電磁波に対する特性について実験的に検討して きた 1),2).ここで,炭素粉末とは,生コークスを原料と した石油精製時の残さ物である.この生コークスを焼成 すると“か焼コークス”となり,焼成温度が 1700°C 程 度の比較的高温で焼成されたものがピッチ系炭素繊維 の原料となる.これに対して 1200~1400°C で焼成,粉 砕されたものが炭素粉末となり,炭素粉末は炭素繊維原 料に比べて非晶質である. 既往の研究では,炭素繊維等の導電性を有する炭素材 料をセメントペーストやモルタルに混入し,電磁波遮へ い性や吸収性(反射減衰効果)の向上を検討している . ただし,これらの試験に用いられている配合や試験体の 含水状態に関する情報は少ない.また,従来の同軸管法 等の試験方法で測定する場合,試験体の厚さも数ミリ 程度であり,本来の構造部材としての仕様とは異なる. そこで本研究は利用頻度の高いマイクロ波帯を対象 とした電磁波遮へいを可能にする構造体コンクリート あるいは埋設型枠用モルタル等の開発を目的に,炭素粉 末を添加したモルタルを用いて実際に使用する条件に 近い試験体寸法での電磁波遮へい性など各種試験を行 い,それらの開発に必要な基礎データを収集した. 電磁波遮へい性の試験は,比較的大型の試験体におい ても測定可能な透過法 を用いて行った.また,透過法で 得られた結果を用いて,材料の電気的特性を示す複素比 誘電率の推定を行った.さらに,反射法による試験を行 い,電磁波の吸収性についても併せて評価した. 2 実験概要 2・1 使用材料 Table 1 に使用材料および使用材料の物理的性質を示 す.セメントは普通ポルトランドセメントを,細骨材に は湖底砂(琵琶湖産)を,炭素粉末は 0.3mm 以下に粉砕 したものを使用した.また,モルタル中の空気量は,電 磁波遮へい性に影響を及ぼす可能性が考えられたため, 空気量の影響を排除することを目的にすべての配合で 消泡剤を使用し,空気量が 1%以下となるように調整し た. 2・2 モルタルの配合 Table 2 にモルタルの示方配合を示す.モルタルの配合 は,水セメント比(以下,W/C)を 50%,細骨材とセメ ントの質量比 S/C=2 のモルタルをベースとして, W/C=50,60,70%の 3 水準,炭素粉末は細骨材の一部 を置換する形で内割り混入とし,炭素粉末添加率(以下, CP)をモルタルの体積比で 0~20%の範囲で変化させた. 2・3 実験項目および測定項目 試験は自由空間における遠方界の透過法および反射 法を用いた.透過法の場合,日本建築学会電磁環境小委 員会「電磁シールド材料性能測定法」 によると,試験 体取付け用開口部の周長は測定周波数の波長と同等以 上と規定している.本試験では,開口部の 1 辺を 250mm とし,300×300mm の平板試験体を用いた.したがって, 開口部周長は 1000mm となり, 1GHz 以上の波長 (λ=300mm)を用いる場合であればこの規定を満足す る.また,反射法の場合,日本建築学会電磁環境小委員 会「室内用電波吸収体性能測定法」 によると試験体の 大きさは波長の 2 倍以上と規定している.反射法に用い