{"title":"Molecular Docking of Barbital Enantiomers to the Nicotinic Acetylcholine Receptor:Implications for the Mechanism of Anesthesia","authors":"T. Seto, Masayuki Ozaki, S. Nosaka","doi":"10.1273/CBIJ.12.14","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"全身麻酔薬の開発には分子標的、作用機序の解明が必要である。GABAA受容体は意識消失の重要な分子標的候補のひとつである。しかし、いまだ明確な分子標的の特定や作用部位の特性は未解決のままである。そこで、麻酔薬が作用し、詳細な3次元構造が分かっているGABAA受容体類似のモデル標的に着目し、対掌体麻酔薬の結合部位における適合性を調べれば、麻酔作用部位における麻酔薬の分子認識の特性が推定できると考えた。ニコチン性アセチルコリン受容体をモデルに使用して、amobarbital, 対掌体バルビタルisobarbital, pentobarbitalの結合様式(position, orientation, conformation)をドッキングシミュレーションの手法を用いて解明した。その結果、いずれのバルビツルもアゴニスト結合部位に結合し、対掌体RとSの結合はバルビツル酸環が重なる位置関係に結合した。バルビツル系麻酔薬の結合はバルビツル酸環が主な結合力になっていることがわかった。すなわち、対掌体麻酔薬といえども、受容体との主要な結合力がその不斉点を含まない部分構造に由来する場合、不斉炭素が存在してもその分子識別への寄与は相対的に小さくなることが判明した。本研究の範囲では、薬物と受容体の相互作用のほとんどがバルビツル酸環部分に依るものであり、側鎖アルキル鎖の不斉中心に起因する立体的な構造の差異は薬物結合力に大きな差異を生み出さなかった。麻酔作用部位でも同様に側鎖アルキル基の不斉点は結合力に大きな違いを生じない可能性がある。すなわち、バルビツル系麻酔薬の作用部位は対掌体の識別が弱い特性をもつと示唆された。","PeriodicalId":40659,"journal":{"name":"Chem-Bio Informatics Journal","volume":"58 1","pages":"14-24"},"PeriodicalIF":0.4000,"publicationDate":"2012-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Chem-Bio Informatics Journal","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1273/CBIJ.12.14","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"Q4","JCRName":"BIOCHEMISTRY & MOLECULAR BIOLOGY","Score":null,"Total":0}