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Calculation Formula of H∞ Optimized Design for a Single-Mass Dynamic Vibration Absorber Attached to a Damped Primary System
制振装置としての動吸振器(DVA:Dynamic Vibration Absorber)は 1883年にWattsによって考案され,1909年 と 1911年に Frahmによって最初に特許を取られたとされ ている.その最適化の規範については,H∞最適化,H2 最適化,および安定度最大化の三つに分類できる.これ らの中で H∞最適化は主系の共振点の高さを最小に抑える ことを目的とし,最も早く提案され,現在でも最も広く採 用されている規範である.Ormondroydと Den Hartogに よって 1928年に提案された H∞最適化の近似的手法は定 点理論と呼ばれる.その方法により,無減衰系に取付ける 単一質量動吸振器に対する最適同調比の式が 1932年に Hahnkammによって導かれ,その後,1946年に Brock によって動吸振器の最適減衰比の式が導出された.その解 の詳細な導出法は 1956年に出版された Den Hartogの著 書に紹介されている.彼らが導いた近似解は,力励振を 受ける主系のコンプライアンス伝達関数(絶対変位応答) の最小化に対する解であったが,その後,モビリティ伝達 関数(絶対速度応答)とアクセレランス伝達関数(絶対加速 度応答)に対する近似解も求められ,それらは 1993年に 出版された専門書にまとめられている. 動吸振器の H∞最適化に対する厳密解の導出方法は, 1997年と 2002年に西原らによって提案された .この とき,コンプライアンス伝達関数に対する最適解も呈示さ れ,これによって定点理論による近似解の精度が極めて高 いことが確認された.その後,この西原の方法でモビリティ 伝達関数とアクセレランス伝達関数に対する厳密解も導出 された.上記の解は,すべて主系に減衰が存在しない特 別な場合の解である . この重要な進展が始まる前に,主系に含まれる減衰の影 響を考慮した H∞最適解が提案されたが,それらはすべて 数値解 か摂動近似解であり,現在に至るまで代数 解は得られていない.一方で,H2規範と安定度規範 に対しては,主系に減衰が存在する場合においても厳密な 代数解が得られている . 最近では動吸振器の性能向上とロバスト性向上の目的か ら,多重動吸振器の最適化 へと研究の興味が移って きているが,それらの中で,減衰系に対する直列二重動吸 減衰系に取付ける単一質量動吸振器の H∞ 最適化設計のための計算式