鼓励学生思考停止对逃离福岛第一核电站事故的人提供住房支持的课堂实践课:事故发生六年后是否回家的家庭讨论

Takumi Maejima
{"title":"鼓励学生思考停止对逃离福岛第一核电站事故的人提供住房支持的课堂实践课:事故发生六年后是否回家的家庭讨论","authors":"Takumi Maejima","doi":"10.5647/jsoee.29.2_31","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"日本環境教育学会は、福島から避難した児童・生徒に 対するいじめの防止を訴える声明を出すとともに、いじ めの防止を目的とした「太郎君の悩み」という教材を作 成して実践している。2016年11月に横浜市に自主避難 した児童へのいじめが大きく報道されて以降、改めてい じめの防止の観点から学校現場での取り組みも求められ ており、「道徳」を中心に行われていると聞く。 それらは大変重要な取り組みではあるが、筆者は「道 徳」によるアプローチだけでは不十分であると考える。 なぜならば、辻内(2016)が、原発事故がもたらした自 主避難者の精神的被害について、「構造的暴力による社 会的虐待」と指摘しているように、被災者・被害者に対 するわれわれ大人社会の向き合い方こそ問われているか らである。そこを問うこと無くして、子どもたちのいじ めの問題だけに収斂させてはならないと考える。 筆者は前嶋(2017)において、原発事故に直面した家 族が自主避難するか否かを話し合うロールプレイの教材 を開発し、生徒たちが家族の葛藤や苦悩を疑似体験しな がら、当事者の立場を踏まえ、社会がどう自主避難の問 題に向き合うべきかについて考えた3時間構成の授業実 践を報告した(中学3年「公民」で実施)。家族構成は、 「父親」「母親」「長女」「長男」「祖父」「祖母」「母親の 実家の親」とし、グループ内で生徒たちが役割分担を行 い、筆者が作成した「役割シート」に基づきながら、各々 の主張を展開し家族会議を行った。また、家族の設定(父 親の職業の設定)も、「サラリーマン」「自営業」「農家」 の3類型を準備し、家族の置かれた状況(父親の職業な ど)によって避難のしやすさに影響があることを理解で きるように工夫した。ロールプレイ後の生徒たちの感想 には、「この問題が実際に福島で起きていると考えると、 他人事とは思えませんでした。自分の家族がこの問題に 直面したとき、どうなるだろうと考えました。」などと 書かれており、「原発事故被害の理解」や「当事者意識 の涵養」を一定程度達成することができたことが伺え た。しかしながら、自主避難者を取り巻く行政の具体的 な政策、すなわち国・福島県による2017年3月での住 宅支援の打ち切りの是非や、望ましい支援のあり方につ いて、生徒たちに具体的に考えさせるところまでは至ら なかった。 本実践はその続編版である。すなわち、住宅支援の打 ち切りによって自主避難者は「避難生活を継続する」か 「地元に戻る」かという新たな葛藤状況に直面すること となった。本実践では筆者が作成したロールプレイに よって、生徒たちが「避難生活を継続する」か「地元に 戻る」かを話し合う家族会議を行い、自主避難“後”に 生じた新たな葛藤状況を体験的に理解することを目的と している。さらには、住宅支援打ち切り政策の是非や望 ましい支援のあり方を考えさせるにあたって、こちらも 筆者が作成したロールプレイによって、国・福島県や自 主避難者の基本的な主張をぶつけ合わせながら理解させ るとともに、互いの主張が対立する中でどうすべきかに ついて、生徒たちに自分たちの頭で考えさせることを目 的としている。","PeriodicalId":308853,"journal":{"name":"Japanese Journal of Environmental Education","volume":null,"pages":null},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Practical In-Class Lesson to Encourage Students to Think about the Cessation of Housing Support for Those Fleeing the Fukushima Daiichi Nuclear Accident: Family Discussions of Whether to Return Home Six Years after the Accident\",\"authors\":\"Takumi Maejima\",\"doi\":\"10.5647/jsoee.29.2_31\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"日本環境教育学会は、福島から避難した児童・生徒に 対するいじめの防止を訴える声明を出すとともに、いじ めの防止を目的とした「太郎君の悩み」という教材を作 成して実践している。2016年11月に横浜市に自主避難 した児童へのいじめが大きく報道されて以降、改めてい じめの防止の観点から学校現場での取り組みも求められ ており、「道徳」を中心に行われていると聞く。 それらは大変重要な取り組みではあるが、筆者は「道 徳」によるアプローチだけでは不十分であると考える。 なぜならば、辻内(2016)が、原発事故がもたらした自 主避難者の精神的被害について、「構造的暴力による社 会的虐待」と指摘しているように、被災者・被害者に対 するわれわれ大人社会の向き合い方こそ問われているか らである。そこを問うこと無くして、子どもたちのいじ めの問題だけに収斂させてはならないと考える。 筆者は前嶋(2017)において、原発事故に直面した家 族が自主避難するか否かを話し合うロールプレイの教材 を開発し、生徒たちが家族の葛藤や苦悩を疑似体験しな がら、当事者の立場を踏まえ、社会がどう自主避難の問 題に向き合うべきかについて考えた3時間構成の授業実 践を報告した(中学3年「公民」で実施)。家族構成は、 「父親」「母親」「長女」「長男」「祖父」「祖母」「母親の 実家の親」とし、グループ内で生徒たちが役割分担を行 い、筆者が作成した「役割シート」に基づきながら、各々 の主張を展開し家族会議を行った。また、家族の設定(父 親の職業の設定)も、「サラリーマン」「自営業」「農家」 の3類型を準備し、家族の置かれた状況(父親の職業な ど)によって避難のしやすさに影響があることを理解で きるように工夫した。ロールプレイ後の生徒たちの感想 には、「この問題が実際に福島で起きていると考えると、 他人事とは思えませんでした。自分の家族がこの問題に 直面したとき、どうなるだろうと考えました。」などと 書かれており、「原発事故被害の理解」や「当事者意識 の涵養」を一定程度達成することができたことが伺え た。しかしながら、自主避難者を取り巻く行政の具体的 な政策、すなわち国・福島県による2017年3月での住 宅支援の打ち切りの是非や、望ましい支援のあり方につ いて、生徒たちに具体的に考えさせるところまでは至ら なかった。 本実践はその続編版である。すなわち、住宅支援の打 ち切りによって自主避難者は「避難生活を継続する」か 「地元に戻る」かという新たな葛藤状況に直面すること となった。本実践では筆者が作成したロールプレイに よって、生徒たちが「避難生活を継続する」か「地元に 戻る」かを話し合う家族会議を行い、自主避難“後”に 生じた新たな葛藤状況を体験的に理解することを目的と している。さらには、住宅支援打ち切り政策の是非や望 ましい支援のあり方を考えさせるにあたって、こちらも 筆者が作成したロールプレイによって、国・福島県や自 主避難者の基本的な主張をぶつけ合わせながら理解させ るとともに、互いの主張が対立する中でどうすべきかに ついて、生徒たちに自分たちの頭で考えさせることを目 的としている。\",\"PeriodicalId\":308853,\"journal\":{\"name\":\"Japanese Journal of Environmental Education\",\"volume\":null,\"pages\":null},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1900-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Japanese Journal of Environmental Education\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.5647/jsoee.29.2_31\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Japanese Journal of Environmental Education","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5647/jsoee.29.2_31","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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摘要

日本环境教育学会对从福岛避难的学生发表了呼吁防止欺凌的声明,并以防止欺凌为目的编写了名为《太郎的烦恼》的教材。2016年11月横滨市对自主避难的儿童进行欺凌的报道被广泛报道以后,从防止欺凌的观点出发,要求在学校现场采取措施,据说是以“道德”为中心进行的。这些都是非常重要的举措,但笔者认为仅靠“道德”是不够的。因为正如辻内(2016)所指出的,核电站事故给自主避难者带来的精神伤害是“结构性暴力造成的社会性虐待”,对于受害者和受害者我们成人社会的面对方式才是问题所在。我认为不能只把这个问题归结为孩子们的欺凌问题。笔者在前岛(2017)开发了直面核电站事故的家庭是否自主避难的角色扮演教材,让学生们模拟体验家庭的矛盾和苦恼。同时,基于当事者的立场,对社会应该如何面对自主避难的问题进行了思考,报告了3小时构成的授课实践(在初中3年级“公民”实施)。家庭构成是“父亲”“母亲”“长女”“长子”“祖父”“祖母”“母亲娘家的父母”,在小组内由学生们进行角色分配,根据笔者制作的“角色表”分别分配。的主张进行了家庭会议。另外,家庭的设定(父亲的职业的设定)也要准备好“工薪阶层”“个体户”“农家”三种类型,要理解家庭所处的状况(父亲的职业等)对避难的容易程度有影响。想办法穿了。角色扮演结束后,学生们的感想是:“一想到这个问题真的发生在福岛,我就不觉得是别人的事。我想,当我的家人遇到这个问题的时候,会怎么样呢?”等,可以看出在一定程度上达成了“对核电站事故受害的理解”和“培养当事人意识”。但是,围绕自主避难者的行政具体政策,即国家和福岛县在2017年3月是否停止住宅支援,以及理想的支援方式。但是,并没有让学生们进行具体的思考。本实践是其续篇版。也就是说,由于住宅支援的中断,自主避难者面临着“继续避难生活”还是“返回当地”的新的矛盾状况。在本实践中,通过笔者制作的角色扮演,学生们举行家庭会议,讨论“继续避难生活”还是“回到家乡”,以体验理解自主避难“后”产生的新的矛盾状况为目的。正在做。并且,为了让大家思考中止住宅支援政策的是非和期望的支援方式,笔者也制作了角色扮演,一边碰撞国家·福岛县和自主避难者的基本主张一边让大家理解。与此同时,还以让学生们用自己的头脑思考在相互主张对立的情况下应该怎么做为目的。
本文章由计算机程序翻译,如有差异,请以英文原文为准。
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Practical In-Class Lesson to Encourage Students to Think about the Cessation of Housing Support for Those Fleeing the Fukushima Daiichi Nuclear Accident: Family Discussions of Whether to Return Home Six Years after the Accident
日本環境教育学会は、福島から避難した児童・生徒に 対するいじめの防止を訴える声明を出すとともに、いじ めの防止を目的とした「太郎君の悩み」という教材を作 成して実践している。2016年11月に横浜市に自主避難 した児童へのいじめが大きく報道されて以降、改めてい じめの防止の観点から学校現場での取り組みも求められ ており、「道徳」を中心に行われていると聞く。 それらは大変重要な取り組みではあるが、筆者は「道 徳」によるアプローチだけでは不十分であると考える。 なぜならば、辻内(2016)が、原発事故がもたらした自 主避難者の精神的被害について、「構造的暴力による社 会的虐待」と指摘しているように、被災者・被害者に対 するわれわれ大人社会の向き合い方こそ問われているか らである。そこを問うこと無くして、子どもたちのいじ めの問題だけに収斂させてはならないと考える。 筆者は前嶋(2017)において、原発事故に直面した家 族が自主避難するか否かを話し合うロールプレイの教材 を開発し、生徒たちが家族の葛藤や苦悩を疑似体験しな がら、当事者の立場を踏まえ、社会がどう自主避難の問 題に向き合うべきかについて考えた3時間構成の授業実 践を報告した(中学3年「公民」で実施)。家族構成は、 「父親」「母親」「長女」「長男」「祖父」「祖母」「母親の 実家の親」とし、グループ内で生徒たちが役割分担を行 い、筆者が作成した「役割シート」に基づきながら、各々 の主張を展開し家族会議を行った。また、家族の設定(父 親の職業の設定)も、「サラリーマン」「自営業」「農家」 の3類型を準備し、家族の置かれた状況(父親の職業な ど)によって避難のしやすさに影響があることを理解で きるように工夫した。ロールプレイ後の生徒たちの感想 には、「この問題が実際に福島で起きていると考えると、 他人事とは思えませんでした。自分の家族がこの問題に 直面したとき、どうなるだろうと考えました。」などと 書かれており、「原発事故被害の理解」や「当事者意識 の涵養」を一定程度達成することができたことが伺え た。しかしながら、自主避難者を取り巻く行政の具体的 な政策、すなわち国・福島県による2017年3月での住 宅支援の打ち切りの是非や、望ましい支援のあり方につ いて、生徒たちに具体的に考えさせるところまでは至ら なかった。 本実践はその続編版である。すなわち、住宅支援の打 ち切りによって自主避難者は「避難生活を継続する」か 「地元に戻る」かという新たな葛藤状況に直面すること となった。本実践では筆者が作成したロールプレイに よって、生徒たちが「避難生活を継続する」か「地元に 戻る」かを話し合う家族会議を行い、自主避難“後”に 生じた新たな葛藤状況を体験的に理解することを目的と している。さらには、住宅支援打ち切り政策の是非や望 ましい支援のあり方を考えさせるにあたって、こちらも 筆者が作成したロールプレイによって、国・福島県や自 主避難者の基本的な主張をぶつけ合わせながら理解させ るとともに、互いの主張が対立する中でどうすべきかに ついて、生徒たちに自分たちの頭で考えさせることを目 的としている。
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Studying and Learning Environment and Viewing the Nature of Science 日本環境教育学会・日本雑草学会合同シンポジウムを振り返って 社会対話「環境カフェ」の実践 Assessment of Behavior Change in Turning Off Lights Using Board Game and Visual Prompts for Preschool Children at Home 科学・実践・社会運動としてのアグロエコロジー
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