{"title":"文本挖掘的特点及其在农村规划研究中的应用","authors":"S. Yamaguchi","doi":"10.2750/arp.39.294","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"(1)本稿の目的 本稿で解説するテキストマイニングとは,計量的方法 を駆使して,形式化されていない膨大なテキストデータ から新たな知識を抽出するための方法であり,2000 年 代以降,学術面や実務面で数多く用いられている。 学術領域では,心理学,医療・看護学,教育学,経営 学など質的研究に取り組まれてきた分野を中心に導入が すすんでいる。農村計画研究で用いられる研究手法 は多岐にわたるが,インタビュー調査にもとづく質的デ ータを扱う研究も多い。そのため,本稿で取り上げるテ キストマイニングも農村計画研究の有望な分析ツールと なりうるのではないかと考える。そこで本稿では,テキ ストマイニングの手法としての特徴や実際に農村計画研 究に導入する上での方向性や留意点を提示することを目 的とする。具体的には,まずテキストマイニングの特徴 を整理し,分析プロセスについて解説する。そして,農 村計画および関連分野におけるテキストマイニングを用 いた研究例を概観し,当該分野におけるテキストマイニ ング導入の意義を考察する。 (2)テキストマイニングの特徴 学術分野でテキストマイニングの導入が進んだ背景 は,質的研究に付随する特性と関係が深い。質的研究で は,分析者自身の解釈を判断基準としてテキストデータ の内容を分析するため,分析者の主観や判断が無意識の うちに結果に反映される恐れがあり,分析の信頼性を担 保しづらい点が指摘されている 。また,テキスト 1つ 1つに目を通し内容を咀嚼していくため,大量のテキス トデータを扱うことは難しい。反面,テキストマイニン グでは,質的研究では扱えなかった大量のデータを定量 的に扱うため質的研究に内在していたこれらの問題を克 服することができる 。 一方,テキストマイニングの限界点も指摘されており, 藤井ら は,言葉には文脈によって複数の意味があるに もかかわらず,テキストマイニングでは一律に解釈され てしまうこと,言葉に人の感情や考えがストレートに反 映されているとは限らず文脈の中で解釈する必要がある が,機械的に分析をするテキストマイニングでは,これ ら文脈に配慮しながら分析を進めることはできないこと を指摘している。また,今井ら は,このようなテキス トマイニングの限界も踏まえ,質的分析とテキストマイ ニングが補完し合う混合分析法の有用性を示している。 次章では,こうした利点や課題を踏まえつつ,テキスト マイニングの標準的な分析プロセスを解説する。","PeriodicalId":272722,"journal":{"name":"JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION","volume":"1 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2020-12-30","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"A Characteristic of Text Mining and Application to the Rural Planning Study\",\"authors\":\"S. Yamaguchi\",\"doi\":\"10.2750/arp.39.294\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"(1)本稿の目的 本稿で解説するテキストマイニングとは,計量的方法 を駆使して,形式化されていない膨大なテキストデータ から新たな知識を抽出するための方法であり,2000 年 代以降,学術面や実務面で数多く用いられている。 学術領域では,心理学,医療・看護学,教育学,経営 学など質的研究に取り組まれてきた分野を中心に導入が すすんでいる。農村計画研究で用いられる研究手法 は多岐にわたるが,インタビュー調査にもとづく質的デ ータを扱う研究も多い。そのため,本稿で取り上げるテ キストマイニングも農村計画研究の有望な分析ツールと なりうるのではないかと考える。そこで本稿では,テキ ストマイニングの手法としての特徴や実際に農村計画研 究に導入する上での方向性や留意点を提示することを目 的とする。具体的には,まずテキストマイニングの特徴 を整理し,分析プロセスについて解説する。そして,農 村計画および関連分野におけるテキストマイニングを用 いた研究例を概観し,当該分野におけるテキストマイニ ング導入の意義を考察する。 (2)テキストマイニングの特徴 学術分野でテキストマイニングの導入が進んだ背景 は,質的研究に付随する特性と関係が深い。質的研究で は,分析者自身の解釈を判断基準としてテキストデータ の内容を分析するため,分析者の主観や判断が無意識の うちに結果に反映される恐れがあり,分析の信頼性を担 保しづらい点が指摘されている 。また,テキスト 1つ 1つに目を通し内容を咀嚼していくため,大量のテキス トデータを扱うことは難しい。反面,テキストマイニン グでは,質的研究では扱えなかった大量のデータを定量 的に扱うため質的研究に内在していたこれらの問題を克 服することができる 。 一方,テキストマイニングの限界点も指摘されており, 藤井ら は,言葉には文脈によって複数の意味があるに もかかわらず,テキストマイニングでは一律に解釈され てしまうこと,言葉に人の感情や考えがストレートに反 映されているとは限らず文脈の中で解釈する必要がある が,機械的に分析をするテキストマイニングでは,これ ら文脈に配慮しながら分析を進めることはできないこと を指摘している。また,今井ら は,このようなテキス トマイニングの限界も踏まえ,質的分析とテキストマイ ニングが補完し合う混合分析法の有用性を示している。 次章では,こうした利点や課題を踏まえつつ,テキスト マイニングの標準的な分析プロセスを解説する。\",\"PeriodicalId\":272722,\"journal\":{\"name\":\"JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION\",\"volume\":\"1 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2020-12-30\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2750/arp.39.294\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2750/arp.39.294","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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A Characteristic of Text Mining and Application to the Rural Planning Study
(1)本稿の目的 本稿で解説するテキストマイニングとは,計量的方法 を駆使して,形式化されていない膨大なテキストデータ から新たな知識を抽出するための方法であり,2000 年 代以降,学術面や実務面で数多く用いられている。 学術領域では,心理学,医療・看護学,教育学,経営 学など質的研究に取り組まれてきた分野を中心に導入が すすんでいる。農村計画研究で用いられる研究手法 は多岐にわたるが,インタビュー調査にもとづく質的デ ータを扱う研究も多い。そのため,本稿で取り上げるテ キストマイニングも農村計画研究の有望な分析ツールと なりうるのではないかと考える。そこで本稿では,テキ ストマイニングの手法としての特徴や実際に農村計画研 究に導入する上での方向性や留意点を提示することを目 的とする。具体的には,まずテキストマイニングの特徴 を整理し,分析プロセスについて解説する。そして,農 村計画および関連分野におけるテキストマイニングを用 いた研究例を概観し,当該分野におけるテキストマイニ ング導入の意義を考察する。 (2)テキストマイニングの特徴 学術分野でテキストマイニングの導入が進んだ背景 は,質的研究に付随する特性と関係が深い。質的研究で は,分析者自身の解釈を判断基準としてテキストデータ の内容を分析するため,分析者の主観や判断が無意識の うちに結果に反映される恐れがあり,分析の信頼性を担 保しづらい点が指摘されている 。また,テキスト 1つ 1つに目を通し内容を咀嚼していくため,大量のテキス トデータを扱うことは難しい。反面,テキストマイニン グでは,質的研究では扱えなかった大量のデータを定量 的に扱うため質的研究に内在していたこれらの問題を克 服することができる 。 一方,テキストマイニングの限界点も指摘されており, 藤井ら は,言葉には文脈によって複数の意味があるに もかかわらず,テキストマイニングでは一律に解釈され てしまうこと,言葉に人の感情や考えがストレートに反 映されているとは限らず文脈の中で解釈する必要がある が,機械的に分析をするテキストマイニングでは,これ ら文脈に配慮しながら分析を進めることはできないこと を指摘している。また,今井ら は,このようなテキス トマイニングの限界も踏まえ,質的分析とテキストマイ ニングが補完し合う混合分析法の有用性を示している。 次章では,こうした利点や課題を踏まえつつ,テキスト マイニングの標準的な分析プロセスを解説する。