{"title":"二自由度无阻尼振荡器静对静运动中同时抑制两种振动模式的凸轮函数","authors":"S. Kotake","doi":"10.5346/trbane.2021.29","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"1. 緒 言 ばねは様々な自動機械やロボットに用いられている.中 でもその多くは,ばねを介して物体をある静止位置から別 の静止位置へと送る搬送作業(rest-to-rest motion)である. 例えば,自動車の溶接作業において,ロボットアームは, 溶接棒を現在の溶接位置から,別の溶接位置へと高速に移 動させ,移動させた直後に溶接が始められるよう,残留振 動なく溶接棒を制止させる必要がある.そのため,機械の 制振搬送を実現する駆動部の軌道が様々に工夫されてき た.自動機械におけるこれらの駆動部の軌道は,古くから, カム曲線で表現されてきた.また多くのカムがサーボモー ターに置き換えられている現在も,ロボット等の軌道の設 計においては,カム関数が用いられている. 一般に搬送作業において,動かされる機械機構は弾性と して表現され,駆動部は弾性体の根元である従節子を強制 変位させるカム関数として表現される.一般にカム曲線の 多くは,様々な初等関数を組み合わせて表現されてきた が,その多くは従節子の位置の時間変化を意味してお り,動かされる機械機構の動きを保証してはいなかった. 一方,搬送作業後に生じる残留振動が問題となる場合,弾 性体自身の運動を議論する必要があり,これを一体ばね -質 量系に近似した制振搬送カム関数が様々に議論されてきた. 一方,自動機械やロボットは,搬送部も多くの機械部品 からなっていることから,複数のモードが存在する多体振 動体としてモデル化されることが多い.その場合,一体振 動系を取り扱ったカム関数では一つのモードしか制振させ ることはできず,他のモードによる残留振動が悪影響を与 える.そのため,複数のモードを同時に制振することが可 能なカム曲線が求められてきたが,そのような関数の存在 はあまり議論されてこなかった. 筆者らは,区分時間内に無減衰一体振動系を任意に操作す る制御入力を導出し,振動操作関数(Vibration Manipulation Function: VMF)と名付けた.この関数は,無数にある基 底関数の線形和で表されることから,一体振動系を目的通 りに操作する有限時間整定関数の一般解を表現する可能性 がある.区分時間内で一体振動系の制振操作を可能にする カム関数は,有限時間整定関数であることから,初状態と 終状態を制止状態とする振動操作関数を用いることで,一 体振動系の制振搬送カム関数が定義される. 本研究では,無減衰一体振動系の制振搬送カム関数にお いて,立ち上がり時間を適切に選択することで,無減衰二 体振動系を制振搬送することが可能なカム関数を導出する. 以下では,まず無減衰一体振動系の制振搬送カム関数を求 め,これが立ち上がり時間によらず無減衰一体振動系を制 振搬送可能なことを示す.次にこのカムを用いて,停止状 態から無減衰二体振動系を制振搬送させた場合の振動子の 残留振動を,Runge-Kutta法により運動方程式を数値積分 することで求め,残留振動を起こさない立ち上がり時間を 無減衰 2 体振動系の二つの振動モードを同時に制振する 搬送カム関数の導出","PeriodicalId":406647,"journal":{"name":"Transactions of Japan Society of Spring Engineers","volume":"30 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2021-03-31","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Cam Functions That Simultaneously Suppress Two Vibration Modes in 2DOF Undamped Oscillator for Rest-to-Rest Motion\",\"authors\":\"S. Kotake\",\"doi\":\"10.5346/trbane.2021.29\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"1. 緒 言 ばねは様々な自動機械やロボットに用いられている.中 でもその多くは,ばねを介して物体をある静止位置から別 の静止位置へと送る搬送作業(rest-to-rest motion)である. 例えば,自動車の溶接作業において,ロボットアームは, 溶接棒を現在の溶接位置から,別の溶接位置へと高速に移 動させ,移動させた直後に溶接が始められるよう,残留振 動なく溶接棒を制止させる必要がある.そのため,機械の 制振搬送を実現する駆動部の軌道が様々に工夫されてき た.自動機械におけるこれらの駆動部の軌道は,古くから, カム曲線で表現されてきた.また多くのカムがサーボモー ターに置き換えられている現在も,ロボット等の軌道の設 計においては,カム関数が用いられている. 一般に搬送作業において,動かされる機械機構は弾性と して表現され,駆動部は弾性体の根元である従節子を強制 変位させるカム関数として表現される.一般にカム曲線の 多くは,様々な初等関数を組み合わせて表現されてきた が,その多くは従節子の位置の時間変化を意味してお り,動かされる機械機構の動きを保証してはいなかった. 一方,搬送作業後に生じる残留振動が問題となる場合,弾 性体自身の運動を議論する必要があり,これを一体ばね -質 量系に近似した制振搬送カム関数が様々に議論されてきた. 一方,自動機械やロボットは,搬送部も多くの機械部品 からなっていることから,複数のモードが存在する多体振 動体としてモデル化されることが多い.その場合,一体振 動系を取り扱ったカム関数では一つのモードしか制振させ ることはできず,他のモードによる残留振動が悪影響を与 える.そのため,複数のモードを同時に制振することが可 能なカム曲線が求められてきたが,そのような関数の存在 はあまり議論されてこなかった. 筆者らは,区分時間内に無減衰一体振動系を任意に操作す る制御入力を導出し,振動操作関数(Vibration Manipulation Function: VMF)と名付けた.この関数は,無数にある基 底関数の線形和で表されることから,一体振動系を目的通 りに操作する有限時間整定関数の一般解を表現する可能性 がある.区分時間内で一体振動系の制振操作を可能にする カム関数は,有限時間整定関数であることから,初状態と 終状態を制止状態とする振動操作関数を用いることで,一 体振動系の制振搬送カム関数が定義される. 本研究では,無減衰一体振動系の制振搬送カム関数にお いて,立ち上がり時間を適切に選択することで,無減衰二 体振動系を制振搬送することが可能なカム関数を導出する. 以下では,まず無減衰一体振動系の制振搬送カム関数を求 め,これが立ち上がり時間によらず無減衰一体振動系を制 振搬送可能なことを示す.次にこのカムを用いて,停止状 態から無減衰二体振動系を制振搬送させた場合の振動子の 残留振動を,Runge-Kutta法により運動方程式を数値積分 することで求め,残留振動を起こさない立ち上がり時間を 無減衰 2 体振動系の二つの振動モードを同時に制振する 搬送カム関数の導出\",\"PeriodicalId\":406647,\"journal\":{\"name\":\"Transactions of Japan Society of Spring Engineers\",\"volume\":\"30 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2021-03-31\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Transactions of Japan Society of Spring Engineers\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.5346/trbane.2021.29\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Transactions of Japan Society of Spring Engineers","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5346/trbane.2021.29","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Cam Functions That Simultaneously Suppress Two Vibration Modes in 2DOF Undamped Oscillator for Rest-to-Rest Motion
1. 緒 言 ばねは様々な自動機械やロボットに用いられている.中 でもその多くは,ばねを介して物体をある静止位置から別 の静止位置へと送る搬送作業(rest-to-rest motion)である. 例えば,自動車の溶接作業において,ロボットアームは, 溶接棒を現在の溶接位置から,別の溶接位置へと高速に移 動させ,移動させた直後に溶接が始められるよう,残留振 動なく溶接棒を制止させる必要がある.そのため,機械の 制振搬送を実現する駆動部の軌道が様々に工夫されてき た.自動機械におけるこれらの駆動部の軌道は,古くから, カム曲線で表現されてきた.また多くのカムがサーボモー ターに置き換えられている現在も,ロボット等の軌道の設 計においては,カム関数が用いられている. 一般に搬送作業において,動かされる機械機構は弾性と して表現され,駆動部は弾性体の根元である従節子を強制 変位させるカム関数として表現される.一般にカム曲線の 多くは,様々な初等関数を組み合わせて表現されてきた が,その多くは従節子の位置の時間変化を意味してお り,動かされる機械機構の動きを保証してはいなかった. 一方,搬送作業後に生じる残留振動が問題となる場合,弾 性体自身の運動を議論する必要があり,これを一体ばね -質 量系に近似した制振搬送カム関数が様々に議論されてきた. 一方,自動機械やロボットは,搬送部も多くの機械部品 からなっていることから,複数のモードが存在する多体振 動体としてモデル化されることが多い.その場合,一体振 動系を取り扱ったカム関数では一つのモードしか制振させ ることはできず,他のモードによる残留振動が悪影響を与 える.そのため,複数のモードを同時に制振することが可 能なカム曲線が求められてきたが,そのような関数の存在 はあまり議論されてこなかった. 筆者らは,区分時間内に無減衰一体振動系を任意に操作す る制御入力を導出し,振動操作関数(Vibration Manipulation Function: VMF)と名付けた.この関数は,無数にある基 底関数の線形和で表されることから,一体振動系を目的通 りに操作する有限時間整定関数の一般解を表現する可能性 がある.区分時間内で一体振動系の制振操作を可能にする カム関数は,有限時間整定関数であることから,初状態と 終状態を制止状態とする振動操作関数を用いることで,一 体振動系の制振搬送カム関数が定義される. 本研究では,無減衰一体振動系の制振搬送カム関数にお いて,立ち上がり時間を適切に選択することで,無減衰二 体振動系を制振搬送することが可能なカム関数を導出する. 以下では,まず無減衰一体振動系の制振搬送カム関数を求 め,これが立ち上がり時間によらず無減衰一体振動系を制 振搬送可能なことを示す.次にこのカムを用いて,停止状 態から無減衰二体振動系を制振搬送させた場合の振動子の 残留振動を,Runge-Kutta法により運動方程式を数値積分 することで求め,残留振動を起こさない立ち上がり時間を 無減衰 2 体振動系の二つの振動モードを同時に制振する 搬送カム関数の導出