从阿达塔拉火山不动的综合观测推断热液活动

Q4 Earth and Planetary Sciences Papers in Meteorology and Geophysics Pub Date : 2008-01-01 DOI:10.2467/MRIPAPERS.59.39
Tetsuya Yamamoto, A. Takagi, K. Fukui, T. Owada
{"title":"从阿达塔拉火山不动的综合观测推断热液活动","authors":"Tetsuya Yamamoto, A. Takagi, K. Fukui, T. Owada","doi":"10.2467/MRIPAPERS.59.39","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"安達太良山沼ノ平火口では1996年頃から熱泥噴出など火山活動活発化の傾向が見られたが、地震活動には明瞭な変化がなかった。火山活動を捉えるために、沼ノ平火口付近で地磁気、GPS、重力、自然電位の観測を行った。地磁気観測では累積で最大110nTにおよぶ顕著な全磁力変化が観測された。観測された地磁気変化から、1997年から2000年頃までは火口底南東部の温度上昇による消磁が、2000年以降は火口底北東部の温度低下による帯磁が進行したことが推定された。GPSによる地殻変動観測からは、2000年頃まで火口付近の膨張と、その後の収縮が観測された。重力観測では観測点の標高変化の影響を評価できるように、重力観測点におけるGPS観測を並行して行った。2001年から2005年にかけて沼ノ平で重力の増加が観測され、その変化は観測点の標高変化で期待される変化よりも大きかった。火山活動に伴う地下水の変動を反映したものと推定される。自然電位連続観測では、銅・硫酸銅平衡電極によってキャリブレーションを行うことで長期的安定性を維持し、また観測点の地中温度を観測することで電極電位の温度補正をする手法を用いた。この手法によって、小規模な熱水活動によるとみられる変化を捉えた。実施したこれらの観測から、沼ノ平火口の火山活動は2000年頃まで比較的活発な状態であったが、その後低下したとみられる。観測された火山活動は熱水の動きに密接に結びついているとみられるため、深部から熱水の供給を受けたとき地下水の流れや温度分布がどのように変化するかを熱水シミュレーションで調べた。沼ノ平火口付近の地下の固有透過度をモデル化し、様々なケースについて計算を行った結果、地磁気観測から推定されるような温度変化を説明するには、南北2箇所の熱水供給源が必要であることが明らかになった。また、熱水シミュレーションの結果から、地磁気変化や重力変化を定量的に求めたところ、それらは観測と調和的だった。安達太良山のように地震観測で火山活動が捉えにくい火山では、地磁気、重力、自然電位、火口付近のGPS観測などの総合的な観測を熱水シミュレーションと組み合わせて用いることが、火山活動を包括的に把握する有力な手法である。","PeriodicalId":39821,"journal":{"name":"Papers in Meteorology and Geophysics","volume":"59 1","pages":"39-64"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2008-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":"{\"title\":\"Hydrothermal Activity Inferred from Comprehensive Observation of Unrest in Adatara Volcano\",\"authors\":\"Tetsuya Yamamoto, A. Takagi, K. Fukui, T. Owada\",\"doi\":\"10.2467/MRIPAPERS.59.39\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"安達太良山沼ノ平火口では1996年頃から熱泥噴出など火山活動活発化の傾向が見られたが、地震活動には明瞭な変化がなかった。火山活動を捉えるために、沼ノ平火口付近で地磁気、GPS、重力、自然電位の観測を行った。地磁気観測では累積で最大110nTにおよぶ顕著な全磁力変化が観測された。観測された地磁気変化から、1997年から2000年頃までは火口底南東部の温度上昇による消磁が、2000年以降は火口底北東部の温度低下による帯磁が進行したことが推定された。GPSによる地殻変動観測からは、2000年頃まで火口付近の膨張と、その後の収縮が観測された。重力観測では観測点の標高変化の影響を評価できるように、重力観測点におけるGPS観測を並行して行った。2001年から2005年にかけて沼ノ平で重力の増加が観測され、その変化は観測点の標高変化で期待される変化よりも大きかった。火山活動に伴う地下水の変動を反映したものと推定される。自然電位連続観測では、銅・硫酸銅平衡電極によってキャリブレーションを行うことで長期的安定性を維持し、また観測点の地中温度を観測することで電極電位の温度補正をする手法を用いた。この手法によって、小規模な熱水活動によるとみられる変化を捉えた。実施したこれらの観測から、沼ノ平火口の火山活動は2000年頃まで比較的活発な状態であったが、その後低下したとみられる。観測された火山活動は熱水の動きに密接に結びついているとみられるため、深部から熱水の供給を受けたとき地下水の流れや温度分布がどのように変化するかを熱水シミュレーションで調べた。沼ノ平火口付近の地下の固有透過度をモデル化し、様々なケースについて計算を行った結果、地磁気観測から推定されるような温度変化を説明するには、南北2箇所の熱水供給源が必要であることが明らかになった。また、熱水シミュレーションの結果から、地磁気変化や重力変化を定量的に求めたところ、それらは観測と調和的だった。安達太良山のように地震観測で火山活動が捉えにくい火山では、地磁気、重力、自然電位、火口付近のGPS観測などの総合的な観測を熱水シミュレーションと組み合わせて用いることが、火山活動を包括的に把握する有力な手法である。\",\"PeriodicalId\":39821,\"journal\":{\"name\":\"Papers in Meteorology and Geophysics\",\"volume\":\"59 1\",\"pages\":\"39-64\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2008-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"1\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Papers in Meteorology and Geophysics\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2467/MRIPAPERS.59.39\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"Q4\",\"JCRName\":\"Earth and Planetary Sciences\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Papers in Meteorology and Geophysics","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2467/MRIPAPERS.59.39","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"Q4","JCRName":"Earth and Planetary Sciences","Score":null,"Total":0}
引用次数: 1

摘要

安达太良山沼的平火山口从1996年开始出现热泥喷出等火山活动活跃化的倾向,但地震活动没有明显的变化。为了捕捉火山活动,在沼之平火山口附近进行了地磁、GPS、重力、自然电位的观测。在地磁观测中,累计观测到最大110nt的显著全磁力变化。从观测到的地磁变化推测,1997年到2000年左右,由于火山口底部东南部温度上升而消磁,2000年以后由于火山口底部东北部温度下降而带磁。根据GPS的地壳变动观测,到2000年左右为止,观测到了火山口附近的膨胀和之后的收缩。为了在重力观测中评估观测点的海拔变化的影响,在重力观测点同时进行了GPS观测。从2001年到2005年在沼之平观测到重力的增加,那个变化因观测点的标高变化比期待的变化大。据推测,这反映了火山活动导致的地下水变动。在自然电位连续观测中,使用了通过铜、硫酸铜平衡电极进行校准来维持长期稳定性,另外通过观测观测点的地下温度来修正电极电位的温度的方法。通过这种方法,我们捕捉到了由小规模热液活动引起的变化。从实施的这些观测来看,沼之平火口的火山活动在2000年左右之前一直处于比较活跃的状态,但之后下降了。由于观测到的火山活动与热液的运动密切相关,因此通过热液模拟实验研究了从深部接受热液供给时地下水的流动和温度分布会发生怎样的变化。对沼之平火口附近地下的固有透明度进行模型化,对各种情况进行计算的结果表明,为了说明从地磁观测推测的温度变化,需要南北两个地方的热水供给源。另外,根据热液模拟的结果,定量地寻求地磁变化和重力变化的结果,这些变化与观测是协调的。像安达太良山这样通过地震观测难以捕捉火山活动的火山,将地磁、重力、自然电位、火山口附近的GPS观测等综合观测与热液模拟结合使用,是全面掌握火山活动的有力方法这是高明的手法。
本文章由计算机程序翻译,如有差异,请以英文原文为准。
查看原文
分享 分享
微信好友 朋友圈 QQ好友 复制链接
本刊更多论文
Hydrothermal Activity Inferred from Comprehensive Observation of Unrest in Adatara Volcano
安達太良山沼ノ平火口では1996年頃から熱泥噴出など火山活動活発化の傾向が見られたが、地震活動には明瞭な変化がなかった。火山活動を捉えるために、沼ノ平火口付近で地磁気、GPS、重力、自然電位の観測を行った。地磁気観測では累積で最大110nTにおよぶ顕著な全磁力変化が観測された。観測された地磁気変化から、1997年から2000年頃までは火口底南東部の温度上昇による消磁が、2000年以降は火口底北東部の温度低下による帯磁が進行したことが推定された。GPSによる地殻変動観測からは、2000年頃まで火口付近の膨張と、その後の収縮が観測された。重力観測では観測点の標高変化の影響を評価できるように、重力観測点におけるGPS観測を並行して行った。2001年から2005年にかけて沼ノ平で重力の増加が観測され、その変化は観測点の標高変化で期待される変化よりも大きかった。火山活動に伴う地下水の変動を反映したものと推定される。自然電位連続観測では、銅・硫酸銅平衡電極によってキャリブレーションを行うことで長期的安定性を維持し、また観測点の地中温度を観測することで電極電位の温度補正をする手法を用いた。この手法によって、小規模な熱水活動によるとみられる変化を捉えた。実施したこれらの観測から、沼ノ平火口の火山活動は2000年頃まで比較的活発な状態であったが、その後低下したとみられる。観測された火山活動は熱水の動きに密接に結びついているとみられるため、深部から熱水の供給を受けたとき地下水の流れや温度分布がどのように変化するかを熱水シミュレーションで調べた。沼ノ平火口付近の地下の固有透過度をモデル化し、様々なケースについて計算を行った結果、地磁気観測から推定されるような温度変化を説明するには、南北2箇所の熱水供給源が必要であることが明らかになった。また、熱水シミュレーションの結果から、地磁気変化や重力変化を定量的に求めたところ、それらは観測と調和的だった。安達太良山のように地震観測で火山活動が捉えにくい火山では、地磁気、重力、自然電位、火口付近のGPS観測などの総合的な観測を熱水シミュレーションと組み合わせて用いることが、火山活動を包括的に把握する有力な手法である。
求助全文
通过发布文献求助,成功后即可免费获取论文全文。 去求助
来源期刊
Papers in Meteorology and Geophysics
Papers in Meteorology and Geophysics Earth and Planetary Sciences-Geophysics
自引率
0.00%
发文量
1
期刊最新文献
Estimation of JMA-Magnitude for Slow Tsunami Earthquakes Application of an Objective Detection Method of Long-Term Slow Slip Events using GNSS Data: Detection of Short-Term Slow Slip Events and Estimation of Moment Magnitude of Long-Term Slow Slip Events Deepening and Evolution of a Low over the Sea of Japan in Late August in 2016: Interaction of Midlatitude Flows and Typhoon Lionrock (1610) An improved equation for estimating diurnal atmospheric radiation near the surface in Japan Tropical cyclone forecasts for the Western North Pacific with high-resolution atmosphere and coupled atmosphere-ocean models
×
引用
GB/T 7714-2015
复制
MLA
复制
APA
复制
导出至
BibTeX EndNote RefMan NoteFirst NoteExpress
×
×
提示
您的信息不完整,为了账户安全,请先补充。
现在去补充
×
提示
您因"违规操作"
具体请查看互助需知
我知道了
×
提示
现在去查看 取消
×
提示
确定
0
微信
客服QQ
Book学术公众号 扫码关注我们
反馈
×
意见反馈
请填写您的意见或建议
请填写您的手机或邮箱
已复制链接
已复制链接
快去分享给好友吧!
我知道了
×
扫码分享
扫码分享
Book学术官方微信
Book学术文献互助
Book学术文献互助群
群 号:481959085
Book学术
文献互助 智能选刊 最新文献 互助须知 联系我们:info@booksci.cn
Book学术提供免费学术资源搜索服务,方便国内外学者检索中英文文献。致力于提供最便捷和优质的服务体验。
Copyright © 2023 Book学术 All rights reserved.
ghs 京公网安备 11010802042870号 京ICP备2023020795号-1