{"title":"Triethylphosphine Oxide与溶剂分子1:1溶剂和的理论研究-与基于31p NMR化学位移的经验溶剂参数AN之间的相关性-","authors":"阿部 百合子, 千尋 日下部, 中尾 いずみ, 裕美 田中, 信一 山邊","doi":"10.2751/JCAC.8.59","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"化学反応に及ぼす溶媒効果は,溶媒の物理的性質である誘電率や溶解パラメータで説明されているが,非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の溶媒効果を同時に説明できない場合が多く生じる。そのため,経験的溶媒パラメータが多数提唱されている。そのなかでGutmann et al. のdonor number (DN)とacceptor number (AN) は溶媒の電子授受性の尺度と考えられている。したがって,溶媒のHOMOおよびLUMOのエネルギー値との間に相関があると見なされ,8種類の溶媒 (DMSO, DMF, AN, Ac, EtOH, MeOH, FA, H2O ) の値がすでに計算されてANとの相関が調べられている。今回,さらにそれらの溶媒を加えて31種類の溶媒についてab initio法によりEHOMOおよびELUMOの値を求めて検討した。その結果,プロトン性溶媒で, ELUMO値が大きくなり,電子受容能が低下しAN 値の間で逆の相関が成立しているのが認められ,予想と反対の結果となった。そこで,31P NMR化学シフトに基づく経験的溶媒パラメータAN値の基準標準物質であるtriethylphosphine oxide(Et3PO)と溶媒(S)の1:1溶媒和構造を半経験的方法とab initio 法で計算を行い,Et3PO のPおよびOの電子電荷分布,P-O距離,Et3POとSの間の水素結合距離を求めた。AN値は溶液(溶媒(S))中で得られた値であり,気相中の計算結果との比較は興味が持たれる。溶媒は非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒に大別されるが,さらに極性の大小により分けられる。AN値が10以下の溶媒は極性の小さい非プロトン性溶媒,10から20までの間に極性の大きい非プロトン性溶媒,20以上に極性を持つプロトン性溶媒が位置している。したがって,各グループからよく使用される溶媒を20種類選択した。その結果,極性の小さい非プロトン性溶媒と水以外のプロトン性溶媒は,ほぼ1:1溶媒和錯体で相関関係(R=0.79-0.88)がよく,溶液中においても気相計算から得られた構造に基づくことが示唆された。一方,10から20までの間の非プロトン性極性溶媒と54.8の水がAN値との相関関係から大きくずれた。10から20までの非プロトン性極性溶媒(DMF,DMA, DMSO 等)は双極子モーメントが大きく,溶媒の液体構造が発達した構造 (aggregation) を形成している。また,水は水素結合形成による液体構造(cluster)を形成している。したがって,これらの溶媒中では,aggregationまたはcluster 化した複数の溶媒分子が溶媒和に関与しており,このことがずれの原因であると見なされる。","PeriodicalId":41457,"journal":{"name":"Journal of Computer Aided Chemistry","volume":"8 1","pages":"59-68"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2007-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":"{\"title\":\"Triethylphosphine Oxideと溶媒分子の1:1溶媒和に関する理論的研究 - 31P NMR化学シフトに基づく経験的溶媒パラメータANとの間の相関関係 -\",\"authors\":\"阿部 百合子, 千尋 日下部, 中尾 いずみ, 裕美 田中, 信一 山邊\",\"doi\":\"10.2751/JCAC.8.59\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"化学反応に及ぼす溶媒効果は,溶媒の物理的性質である誘電率や溶解パラメータで説明されているが,非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の溶媒効果を同時に説明できない場合が多く生じる。そのため,経験的溶媒パラメータが多数提唱されている。そのなかでGutmann et al. のdonor number (DN)とacceptor number (AN) は溶媒の電子授受性の尺度と考えられている。したがって,溶媒のHOMOおよびLUMOのエネルギー値との間に相関があると見なされ,8種類の溶媒 (DMSO, DMF, AN, Ac, EtOH, MeOH, FA, H2O ) の値がすでに計算されてANとの相関が調べられている。今回,さらにそれらの溶媒を加えて31種類の溶媒についてab initio法によりEHOMOおよびELUMOの値を求めて検討した。その結果,プロトン性溶媒で, ELUMO値が大きくなり,電子受容能が低下しAN 値の間で逆の相関が成立しているのが認められ,予想と反対の結果となった。そこで,31P NMR化学シフトに基づく経験的溶媒パラメータAN値の基準標準物質であるtriethylphosphine oxide(Et3PO)と溶媒(S)の1:1溶媒和構造を半経験的方法とab initio 法で計算を行い,Et3PO のPおよびOの電子電荷分布,P-O距離,Et3POとSの間の水素結合距離を求めた。AN値は溶液(溶媒(S))中で得られた値であり,気相中の計算結果との比較は興味が持たれる。溶媒は非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒に大別されるが,さらに極性の大小により分けられる。AN値が10以下の溶媒は極性の小さい非プロトン性溶媒,10から20までの間に極性の大きい非プロトン性溶媒,20以上に極性を持つプロトン性溶媒が位置している。したがって,各グループからよく使用される溶媒を20種類選択した。その結果,極性の小さい非プロトン性溶媒と水以外のプロトン性溶媒は,ほぼ1:1溶媒和錯体で相関関係(R=0.79-0.88)がよく,溶液中においても気相計算から得られた構造に基づくことが示唆された。一方,10から20までの間の非プロトン性極性溶媒と54.8の水がAN値との相関関係から大きくずれた。10から20までの非プロトン性極性溶媒(DMF,DMA, DMSO 等)は双極子モーメントが大きく,溶媒の液体構造が発達した構造 (aggregation) を形成している。また,水は水素結合形成による液体構造(cluster)を形成している。したがって,これらの溶媒中では,aggregationまたはcluster 化した複数の溶媒分子が溶媒和に関与しており,このことがずれの原因であると見なされる。\",\"PeriodicalId\":41457,\"journal\":{\"name\":\"Journal of Computer Aided Chemistry\",\"volume\":\"8 1\",\"pages\":\"59-68\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2007-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"1\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Journal of Computer Aided Chemistry\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2751/JCAC.8.59\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of Computer Aided Chemistry","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2751/JCAC.8.59","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
引用次数: 1
摘要
对化学反应产生的溶剂效果通过溶剂的物理性质即介电常数和溶解参数进行了说明,但经常出现不能同时说明非质子性溶剂和质子性溶剂的溶剂效果的情况。因此,很多人提出了经验性溶剂参数。其中Gutmann et al.的donor number (DN)和acceptor number (AN)被认为是溶剂的电子授受性的尺度。因此,认为与溶剂的HOMO和LUMO能量值相关,已经计算出8种溶剂(DMSO、DMF、AN、Ac、EtOH、MeOH、FA、H2O)的值,并研究其与AN的相关性。此次又增加了这些溶剂,对31种溶剂通过ab initio法求出EHOMO和ELUMO的值进行了研究。结果发现,质子性溶剂的ELUMO值变大,电子接受能力下降,AN值之间的反向相关成立,结果与预想相反。于是,基于31p NMR化学位移的经验溶剂参数AN值的基准标准物质triethylphosphine oxide (Et3PO)和溶剂(S)的1:1溶剂和结构的半经验方法和ab利用initio法进行计算,求出了Et3PO的P和O的电子电荷分布、P-O距离、Et3PO和S之间的氢键结合距离。AN值是在溶液(溶剂(S))中得到的值,与气相中的计算结果比较很有趣。溶剂可分为非质子性溶剂和质子性溶剂两大类,还可根据极性大小进行区分。AN值在10以下的溶剂是极性小的非质子性溶剂,极性大的非质子性溶剂在10到20之间,极性在20以上的是具有极性的质子性溶剂。因此,各组选择了20种常用的溶剂。结果表明,极性小的非质子性溶剂和水以外的质子性溶剂几乎是1:1的溶剂和配合物,具有良好的相关关系(R=0.79-0.88),即使在溶液中也是基于气相计算得到的结构。另一方面,从10到20之间的非质子极性溶剂和54.8的水与AN值的相关性出现了较大偏差。从10到20的非质子极性溶剂(DMF、DMA、DMSO等)的偶极矩大,形成了溶剂液体结构发达的结构(aggregation)。另外,水通过氢键形成液体结构(cluster)。因此,在这些溶剂中,aggregation或cluster化的多个溶剂分子参与了溶剂和,这被认为是发生偏差的原因。