血浆活化醋酸化林格氏液在高温癌症治疗中的协同作用

Hiromasa Tanaka, M. Hori
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摘要

田中宏昌·堀胜名古屋大学低温等离子体科学研究中心近年来,利用低温等离子体进行癌症治疗的研究得到了广泛的发展。照射溶液(被称为等离子活性溶液)的抗肿瘤效果备受关注。2012年,prasma活性培养液(Plasma-Activated Medium,被称为PAM的等离子照射细胞培养液对星形胶质细胞的正常细胞没有影响,但是对脑肿瘤培养细胞选择性地显示细胞毒性的报告以来,各种各样的溶液和等离子活性溶液对多种癌细胞具有抗肿瘤效果。2016年,等离子活性乳酸林格液和等离子活性乙酸林格液也有抗肿瘤效果的报道,这些溶液内的成分、作用机制、动物实验等面向等离子活性溶液的临床应用的研究正在广泛开展。这里除了hyperthermia以外还加入了等离子活性乙酸林格液(Plasma-activatedRinger’s acetated solution,PAA)联合使用,协同性地提高抗肿瘤效果的研究内容介绍。使用A549人非小细胞肺癌细胞系,hyperthermia(42°C)和PAA的协同性研究结果显示,与单独使用hypersurmia或单独使用PAA相比,hypersurmia和PAA联合使用对A549细胞具有相乘性的细胞毒性。另外,由于hypersurmia和PAA的联合使用,确认了A549细胞的细胞内Ca增加,因此属于Transient Receptor potential(TRP)通道的一种调查了TRPM2(TRP metastatin 2)的功能。TRPM2的抑制剂(2-aminoethoxydiphenyl borate,2apb)和siTRPM2的遗传因子的敲除,抑制了hypersurmia和PAA引起的细胞内Ca的增加和抗肿瘤效果,因此hypersurmia和PAA并列研究证明,TRPM2与用的抗肿瘤效果有关。此外,在A549细胞中,hyperthermia和PAA的联合使用可使细胞内活研究显示,性氧种增加,DNA碎片化,促进poly(ADPribose)polymerase-1(PARP-1)的活性,诱导细胞凋亡。综上所述,PAA处理和hypersurmia并用使细胞内活性氧种类增大,其结果促进了DNA碎片化和PARP-1的活性,从而TRPM2被激活,使细胞内提出了通过Ca2+的进一步增加诱导细胞死亡的机械原理。也就是说,hypersurmia能协同增强癌细胞对PAA的感受性。在作为正常细胞使用的成纤维细胞中,hypersurmia和PAA并用没有发现细胞毒性。最近,在U937淋巴瘤细胞系中报道了hypersurmia和低温等离子体联合使用能增强抗肿瘤效果,因此hypersurmia和低温等离子体活性溶液联合疗法很有前景这是一种值得期待的治疗方法。
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Synergistic Effects on Hyperthermic Cancer Therapy Using Plasma-activated Acetated Ringer’s Solution
ラズマ活性酢酸リンゲル液との併用 田中 宏昌・堀 勝 名古屋大学低温プラズマ科学研究センター 近年,低温プラズマによるがん治療研究が盛 んに行われるようになり,その中でもプラズマを 照射した溶液(プラズマ活性溶液と呼ばれる) による抗腫瘍効果が注目を集めている.2012年 に プ ラ ズ マ 活 性 培 養 液(Plasma-Activated Medium, PAM)と称されるプラズマ照射した細胞 培養液がアストロサイトの正常細胞に対しては影 響しないが,脳腫瘍培養細胞に対して選択的に細 胞毒性を示すが報告されて以来,様々な溶液や 様々ながん細胞に対してプラズマ活性溶液の抗腫 瘍効果が報告されてきた.2016年にはプラズマ 活性乳酸リンゲル液やプラズマ活性酢酸リンゲル 液による抗腫瘍効果が報告され,それらの溶液 内の成分,作用機序,動物実験など,プラズマ活 性溶液の臨床応用に向けた研究が広く進められて いる. ここではハイパーサーミアに加えてプラズマ活 性酢酸リンゲル液(Plasma-activated Ringer’s acetated solution, PAA)を併用し,相乗的に抗腫 瘍効果を高めることを証明した研究内容について 紹介する.A549ヒト非小細胞肺癌細胞株を用い て,ハイパーサーミア(42 °C)及び PAAの相乗 効果が調べられた.ハイパーサーミア単独やPAA 単独に比べ,ハイパーサーミアとPAAの併用は相 乗的に A549細胞に対して細胞毒性を示すことが 示された.更に,ハイパーサーミアと PAAの併用 によりA549細胞の細胞内Caの増加が確認され たため,Transient Receptor potential(TRP)チャ ネルの 1種である TRPM2(TRP metastatin 2)の 機能が調べられた.TRPM2の阻害剤(2-aminoethoxydiphenyl borate, 2APB)や siTRPM2による遺 伝子のノックダウンにより,ハイパーサーミアと PAAによる細胞内 Caの増加と抗腫瘍効果が抑 制されたことから,ハイパーサーミアとPAAの併 用による抗腫瘍効果には TRPM2が関与している ことが証明された.さらに,A549細胞における ハイパーサーミアとPAAの併用により,細胞内活 性酸素種の増加,DNAの断片化,poly(ADPribose)polymerase-1(PARP-1)の活性化の促進, アポトーシスの誘導が示された.以上より,PAA 処理とハイパーサーミアの併用により細胞内活性 酸素種が増大し,その結果 DNAの断片化と PARP-1の活性化が促進される.そのことによっ て TRPM2が活性化されて,細胞内 Ca2+がさら に増加することで細胞死が誘導されるというメカ ニズムが提唱された.つまりハイパーサーミアは, がん細胞の PAAに対する感受性を相乗的に増強 する.正常細胞として用いられた線維芽細胞にお いては,ハイパーサーミアとPAAの併用による細 胞毒性は認められなかった. 最近,ハイパーサーミアと低温プラズマの併用 による抗腫瘍効果の増大が U937リンパ腫細胞株 で報告されており,ハイパーサーミアと低温プ ラズマ/プラズマ活性溶液との併用療法は,有望 な治療法として期待される.
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前立腺肥大症による中等度から重度の下部尿路症状に対する水蒸気温熱治療の多施設ランダム化偽対照比較試験の最終5年間の結果 低温プラズマおよびハイパーサーミア併用効果を用いたがん治療の可能性 Discovery of Mammalian HSP40 and Subsequent Progress 温度と光を感知し相分離する色素タンパク質フィトクロムB Engineering of Probiotic Bacteria System for the Temperature-sensitive Production of Immune Checkpoint Blockade Nanobodies by Intratumor Heating with Focused Ultrasound
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