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[Pancreatic enzyme].
わが国では慢性膵炎は日本膵臓学会の診断基 準に従って診断されてきた.この基準では,膵臓 の組織を得ることが臨床的には極めて困難である ことを前提として,臨床症状と病理所見を反映し ていると考えられる膵の実質および膵管の形態学 的変化ならびに膵臓の機能低下をもって慢性膵炎 と診断している.学術的には妥当な診断基準で あったが,その後の医療をとりまく環境の変化の 中で,セクレチン試験など膵臓の機能検査を実施 することは不可能となってきた.また,膵炎の遺 伝的背景ならびに成因に関する知見が増えてきた こともあり,病因による分類の必要性も唱えられ るようになってきている.更に,慢性膵炎の治療 の観点から,より早期の病像を捉えて病変の進行 を治療により阻止する,もしくは遅らせることが できるのではないかという期待がある.この度, これらの問題に対応するために慢性膵炎の診断基 準を見直す作業が行われた.ここでは,今回の診 断基準改訂案における膵酵素の項目(Table 1)に ついて概説する.