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The Bipartite Action of Parathyroid Hormone-related Peptide on Cartilage
軟骨の研究は,骨 代謝研究のなかでも発生生物学的な アプロー チの視点から急速に進歩 してきた領域の1つ で ある。軟骨細胞の分化増殖,さ らに軟骨内骨化に対する 調節因子の研究は,基 礎的な細胞生物学ばか りでなく先 天異常を含めた遺伝子疾患の解明にも及び,そ の必要性 が再認識 されている(図1)。 そのなかで副甲状腺ホルモ ン関連ペ プチ ド(parathyroid hormone-related peptide: PTHrP)は,軟 骨の分化増殖に最 も重要な因子で あり,多 くの研究者によってその詳細が明 らかにされて いる。PTHrPに ついては,す でに1950年 代 にAlbright が,悪 性腫瘍から産生される副甲状腺ホルモン(PTH) 様の物質でありhumoral hypercalcemia of malignancy の高カルシウム血症の起因物質 としてその存在を提唱し ていた。 しかしながら,実 際にそのア ミノ酸 ・遺伝子配 列の同定が明 らかにされたのは1980年 代後半 になって か らである1-3)。Albrightの 予想は見事に的中してお り, PTHrPはN末 端 ア ミノ酸 がPTHの それ と高い相 同 配列 を示すため,PTHと 共有のPTH/PTHrPレ セプ ターに結合することで副甲状腺機能亢進症様の活性 を示 すことが知 られている。 このような歴史的な歩みから, PTHrPは 病理学的因子 として扱われてお り,現 在でも 悪性腫瘍に併発する高カルシウム血症ならびに腫瘍細胞 の増殖 に及ぼすPTHrPの 作用 などが精力的に検討 さ れ て い る。とこ ろ がPTHrPは,oncoproteinと して の 反 面,胎 生 期 の さ ま ざ ま な正 常 組 織 で産 生 さ れ て い る こ と か ら個 体 発 生 や器 官 形 成 の局 所 因 子 と し て解 釈 さ れ る よ うに な って き た。PTHrPは 胎 生 期 の 哺 乳 類 の 多 くの 組