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引用次数: 5
Bone Wound Healing after Maxillary Molar Extraction in Ovariectomized Aged Rats
わが国における骨粗鬆症患者は増加の一途にあり,厚 生労働省の推計では,男性が約100万 人,女性では800万 人に迫ってお り,そ の予備軍を含めると約2 ,000万 人 と 推定されている。骨粗鬆症の原因には閉経のほか,老 化 やさまざまな内分泌疾患が考えられてお り,臨 床的には 骨量の減少による易骨折をきたす疾患を骨粗鬆症 と診断 している。本症の大半 を占める,加 齢に伴って起こる骨 粗鬆症(退 行期骨粗鬆症)の 代表的な もの として,「閉経 後骨粗鬆症」と 「老人性骨粗鬆症」の2つ があげられる。 前者 は「閉経に伴 うエス トロゲンの欠乏」が,後 者は「老 化に伴 う活性型 ビタ ミンDの 産生低下や骨形成に大切 な腸や腎臓などの臓器の機能低下」が原因と考えられて いる。前者の閉経によるエス トロゲン欠乏がヒトや実験 動物 において著 しい骨量の減少を引き起 こすことはよく 知 られた事実であり,骨 髄腔の拡大が主たる組織変化 と 報告 されている。 骨組織は常に活発 な代謝回転によ り再構築 を繰 り返 し,そ の構造 と骨量 は血 中のCa2+代 謝に直接かかわる骨 形成 と骨吸収の平衡関係 によ り維持 されている1)。特に 閉経後のエス トロゲ ン欠乏は,骨 芽細胞系細胞か らの IL-6の 産生を促進し,破 骨細胞形成を促進することによ り2-4),骨吸収の亢進による持続的な骨量の減少が起 こ り5),骨 強度が低下する骨粗鬆症 を発症する危険性が高 まる。 このように骨の強度はその量 と質,す なわち骨量 と骨の内部構造 に依存 し,骨 芽細胞 と破骨細胞の機能に よって調節されている。 歯科臨床における骨粗鬆症