{"title":"评估持久性有机污染物毒性效应的毒物基因组学方法","authors":"K. Nakayama","doi":"10.11403/JSET.9.81","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"1.POPs汚染の現状 残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants: POPs)はその毒性,難分解性,生物 蓄積性および長距離輸送性から,国際的に協調 しそれらの廃絶,削減を目指すため,「残留性 有機汚染物質に関するストックホルム条約」 (POPs条約)に基づいて,製造および使用が禁 止あるいは制限されている。同条約ではダイオ キシン類や PCB類をはじめ,農薬では殺虫剤と して使用されてきた DDT類やクロルデン,ディ ルドリン,エルドリン等を含む合わせてあわせ て 12種類の有機塩素化合物が対象とされ,2004 年に発効された。我が国においても上記有機塩 素化合物のモニタリング調査を継続的に行って おり,なかでもPCB類やDDT類は他の有機塩素 化合物と比較して貝類,魚類および鳥類から現 在でも高濃度および高頻度で検出されることが 確認されている。 さらに,有機塩素化合物を蓄積している生物 から臭素系難燃剤 やフッ素化合物 が同時 に検出されている。臭素系難燃剤やフッ素化合 物はその汚染が顕在化したのが比較的最近であ るため規制が遅れ,現在でもそれらの環境中濃 度は低減傾向にないか,場合によっては上昇傾 向にあるとさえ伝えられている。フッ素化合物 は包装材の被覆のみならず消火剤や殺虫剤とし ても使用された実績がある。臭素系難燃剤の一 部およびフッ素化合物のうちペルフルオロオク タノスルホン酸(PFOS)は POPsに追加指定さ れる予定である。 このように,POPsをはじめとした残留性の強 い化合物は,その使用が禁止あるいは規制され た現在でもなお,多様な生物種より検出されて いる。さらに,これら複数の化学物質が生物に 蓄積していることから,複合的な影響が懸念さ れる。","PeriodicalId":14585,"journal":{"name":"Japanese journal of environmental toxicology","volume":"33 1","pages":"81-86"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2006-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"A Toxicogenomics Approach for Assessing Toxic Effects of POPs\",\"authors\":\"K. Nakayama\",\"doi\":\"10.11403/JSET.9.81\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"1.POPs汚染の現状 残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants: POPs)はその毒性,難分解性,生物 蓄積性および長距離輸送性から,国際的に協調 しそれらの廃絶,削減を目指すため,「残留性 有機汚染物質に関するストックホルム条約」 (POPs条約)に基づいて,製造および使用が禁 止あるいは制限されている。同条約ではダイオ キシン類や PCB類をはじめ,農薬では殺虫剤と して使用されてきた DDT類やクロルデン,ディ ルドリン,エルドリン等を含む合わせてあわせ て 12種類の有機塩素化合物が対象とされ,2004 年に発効された。我が国においても上記有機塩 素化合物のモニタリング調査を継続的に行って おり,なかでもPCB類やDDT類は他の有機塩素 化合物と比較して貝類,魚類および鳥類から現 在でも高濃度および高頻度で検出されることが 確認されている。 さらに,有機塩素化合物を蓄積している生物 から臭素系難燃剤 やフッ素化合物 が同時 に検出されている。臭素系難燃剤やフッ素化合 物はその汚染が顕在化したのが比較的最近であ るため規制が遅れ,現在でもそれらの環境中濃 度は低減傾向にないか,場合によっては上昇傾 向にあるとさえ伝えられている。フッ素化合物 は包装材の被覆のみならず消火剤や殺虫剤とし ても使用された実績がある。臭素系難燃剤の一 部およびフッ素化合物のうちペルフルオロオク タノスルホン酸(PFOS)は POPsに追加指定さ れる予定である。 このように,POPsをはじめとした残留性の強 い化合物は,その使用が禁止あるいは規制され た現在でもなお,多様な生物種より検出されて いる。さらに,これら複数の化学物質が生物に 蓄積していることから,複合的な影響が懸念さ れる。\",\"PeriodicalId\":14585,\"journal\":{\"name\":\"Japanese journal of environmental toxicology\",\"volume\":\"33 1\",\"pages\":\"81-86\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2006-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Japanese journal of environmental toxicology\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.11403/JSET.9.81\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Japanese journal of environmental toxicology","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11403/JSET.9.81","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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A Toxicogenomics Approach for Assessing Toxic Effects of POPs
1.POPs汚染の現状 残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants: POPs)はその毒性,難分解性,生物 蓄積性および長距離輸送性から,国際的に協調 しそれらの廃絶,削減を目指すため,「残留性 有機汚染物質に関するストックホルム条約」 (POPs条約)に基づいて,製造および使用が禁 止あるいは制限されている。同条約ではダイオ キシン類や PCB類をはじめ,農薬では殺虫剤と して使用されてきた DDT類やクロルデン,ディ ルドリン,エルドリン等を含む合わせてあわせ て 12種類の有機塩素化合物が対象とされ,2004 年に発効された。我が国においても上記有機塩 素化合物のモニタリング調査を継続的に行って おり,なかでもPCB類やDDT類は他の有機塩素 化合物と比較して貝類,魚類および鳥類から現 在でも高濃度および高頻度で検出されることが 確認されている。 さらに,有機塩素化合物を蓄積している生物 から臭素系難燃剤 やフッ素化合物 が同時 に検出されている。臭素系難燃剤やフッ素化合 物はその汚染が顕在化したのが比較的最近であ るため規制が遅れ,現在でもそれらの環境中濃 度は低減傾向にないか,場合によっては上昇傾 向にあるとさえ伝えられている。フッ素化合物 は包装材の被覆のみならず消火剤や殺虫剤とし ても使用された実績がある。臭素系難燃剤の一 部およびフッ素化合物のうちペルフルオロオク タノスルホン酸(PFOS)は POPsに追加指定さ れる予定である。 このように,POPsをはじめとした残留性の強 い化合物は,その使用が禁止あるいは規制され た現在でもなお,多様な生物種より検出されて いる。さらに,これら複数の化学物質が生物に 蓄積していることから,複合的な影響が懸念さ れる。