遅発性に低血圧とQT延長が生じたグアンファシン中毒の1例(Delayed hypotension and prolonged QT interval due to guanfacine poisoning)

井上 史也, 岡崎 悠治, 市場 稔久, 柏 健一郎
{"title":"遅発性に低血圧とQT延長が生じたグアンファシン中毒の1例(Delayed hypotension and prolonged QT interval due to guanfacine poisoning)","authors":"井上 史也, 岡崎 悠治, 市場 稔久, 柏 健一郎","doi":"10.1002/jja2.12842","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"注意欠如多動性障害の17歳の女性が人間関係のトラブルを契機にグアンファシン3mg錠を50錠自ら過量服薬し来院した。来院時,低血圧はなかったが,傾眠,脈拍低下があり経過観察入院となった。入院翌日,歩行可能な状態となり自宅退院となったが,退院から2日後に自宅で失神し再度救急外来を受診した。脈拍低下,低血圧に加えて,心電図検査でQT延長があり再入院となった。過量服薬から7日後に徐脈およびQT延長は改善し自宅退院となった。グアンファシンは主に脳内のα2A受容体に作用し交感神経系の活動を低下させることで鎮静作用,脈拍低下・降圧作用をもたらす。グアンファシンの半減期は比較的長く,本例のように過量服薬時は傾眠,徐脈,低血圧が長期間遷延することがある。またグアンファシン内服初期は末梢血管平滑筋のα受容体を刺激することで高血圧を引き起こし,続いて中枢神経系への作用による低血圧が起こるという二峰性の血圧変動を来すことがあり,とくに低血圧に関しては遅発性に出現する可能性がある。本例において遅発性にQT延長を起こした原因は,3.4mg/kgと相当量の過量服薬をしていたことが一因と考えられる。グアファジンの過量服薬時は,遅発性に出現しうる低血圧とQT延長に留意した十分な期間の経過観察入院が必要だろう。","PeriodicalId":19447,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi","volume":"87 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2023-10-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1002/jja2.12842","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
引用次数: 0

Abstract

注意欠如多動性障害の17歳の女性が人間関係のトラブルを契機にグアンファシン3mg錠を50錠自ら過量服薬し来院した。来院時,低血圧はなかったが,傾眠,脈拍低下があり経過観察入院となった。入院翌日,歩行可能な状態となり自宅退院となったが,退院から2日後に自宅で失神し再度救急外来を受診した。脈拍低下,低血圧に加えて,心電図検査でQT延長があり再入院となった。過量服薬から7日後に徐脈およびQT延長は改善し自宅退院となった。グアンファシンは主に脳内のα2A受容体に作用し交感神経系の活動を低下させることで鎮静作用,脈拍低下・降圧作用をもたらす。グアンファシンの半減期は比較的長く,本例のように過量服薬時は傾眠,徐脈,低血圧が長期間遷延することがある。またグアンファシン内服初期は末梢血管平滑筋のα受容体を刺激することで高血圧を引き起こし,続いて中枢神経系への作用による低血圧が起こるという二峰性の血圧変動を来すことがあり,とくに低血圧に関しては遅発性に出現する可能性がある。本例において遅発性にQT延長を起こした原因は,3.4mg/kgと相当量の過量服薬をしていたことが一因と考えられる。グアファジンの過量服薬時は,遅発性に出現しうる低血圧とQT延長に留意した十分な期間の経過観察入院が必要だろう。
查看原文
分享 分享
微信好友 朋友圈 QQ好友 复制链接
本刊更多论文
发生迟发性低血压和QT延长的一例关华星中毒(Delayed hypotension and prolonged QT interval due to guanfacinepoisoning)
摘要一名17岁的患有注意力不足多动症的女性因人际关系出现问题,自行服用50粒3mg的关华新片后来到医院。来院时,虽无低血压,但因嗜睡、脉搏跳动下降而住院观察。住院第二天,以可以步行的状态出院,但出院两天后在家中昏迷再次接受了急诊。脉搏下降,低血压,心电图检查QT延长再次住院。过量服药7天后,心动过缓和QT延长症状好转,出院了。关华星主要作用于脑内的α 2a受体,降低交感神经系统的活动,从而起到镇静、降低脉搏、降压的作用。关华星的半衰期较长,像本例一样过量服药时,会出现嗜睡、心动过缓、低血压长时间迁延的症状。另外,关华星在内服初期会刺激外周血管平滑肌的α受体,引起高血压,继而引起中枢神经系统的低血压。特别是低血压,有可能出现迟发性。在本例中,引起迟发性QT延长的原因之一是服用了3.4mg/kg的过量药物。过量服用瓜法定时,要注意迟发性低血压和QT延长,需要住院观察足够长的时间。
本文章由计算机程序翻译,如有差异,请以英文原文为准。
求助全文
约1分钟内获得全文 去求助
来源期刊
自引率
0.00%
发文量
0
期刊最新文献
咳嗽を契機に発症した脳空気塞栓症の1例(Non–iatrogenic cerebral air embolism caused by coughing: a case report) 病理解剖することで診断に至った妊娠オウム病の1例(Postmortem diagnosis of gestational psittacosis: a case report) 火災現場から搬送された患者における血中シアン濃度の検討(Analysis of blood cyanide concentration in patients transported from a fire scene) 軽症の鈍的胸部外傷後に遅発性血胸を繰り返した横隔膜損傷の1例(Recurrent delayed hemothorax due to diaphragmatic injury after minor blunt chest trauma: a case report) COVID–19集中治療中に早期発見できずに緊急止血を要し,疼痛緩和目的に血腫除去を追加することで良好な転帰をとった腹直筋・腹膜前腔血腫(The rectus sheath and extraperitoneal hematoma that could not be detected early during critical care of a severe COVID–19 patient, and had a good outcome with additional hematoma removal for pain relief: a case report)
×
引用
GB/T 7714-2015
复制
MLA
复制
APA
复制
导出至
BibTeX EndNote RefMan NoteFirst NoteExpress
×
×
提示
您的信息不完整,为了账户安全,请先补充。
现在去补充
×
提示
您因"违规操作"
具体请查看互助需知
我知道了
×
提示
现在去查看 取消
×
提示
确定
0
微信
客服QQ
Book学术公众号 扫码关注我们
反馈
×
意见反馈
请填写您的意见或建议
请填写您的手机或邮箱
已复制链接
已复制链接
快去分享给好友吧!
我知道了
×
扫码分享
扫码分享
Book学术官方微信
Book学术文献互助
Book学术文献互助群
群 号:481959085
Book学术
文献互助 智能选刊 最新文献 互助须知 联系我们:info@booksci.cn
Book学术提供免费学术资源搜索服务,方便国内外学者检索中英文文献。致力于提供最便捷和优质的服务体验。
Copyright © 2023 Book学术 All rights reserved.
ghs 京公网安备 11010802042870号 京ICP备2023020795号-1