{"title":"がんと血栓症―血小板と抗血小板薬―","authors":"Kenji YOKOYAMA","doi":"10.2491/jjsth.34.549","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"がん細胞と血小板には相互作用があり,がん細胞が血小板を活性化するとともに活性化された血小板はがんの成長,進行を促進する.活性化された血小板はがん関連血栓症(cancer-associated thrombosis: CAT)発症に関与しており,血小板数高値は固形がんでは静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE)発症のリスク因子である.一方で抗血小板薬であるアスピリンがCAT予防に有効とされるのは,一部の造血器腫瘍に限られている.CATを発症したがん患者では,抗凝固療法,抗血小療法が必要になるが,がん患者ではしばしば血小板が減少することがあり,薬剤の選択,投与量は考慮する必要がある.アスピリンは,血小板活性化により促進されるがんの成長,進展を抑制する可能性があり,実際アスピリン投与によりがん,特に大腸がんの発症率・死亡率が低下するとの報告もある.一方でアスピリンの有効性を否定する報告もあり,アスピリンががんの進展を抑制する効果はあったとしても限定的であろう.","PeriodicalId":14803,"journal":{"name":"Japanese Journal of Thrombosis and Hemostasis","volume":"22 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2023-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Japanese Journal of Thrombosis and Hemostasis","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2491/jjsth.34.549","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}