がんと血栓症―血小板と抗血小板薬―

Kenji YOKOYAMA
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Abstract

がん細胞と血小板には相互作用があり,がん細胞が血小板を活性化するとともに活性化された血小板はがんの成長,進行を促進する.活性化された血小板はがん関連血栓症(cancer-associated thrombosis: CAT)発症に関与しており,血小板数高値は固形がんでは静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE)発症のリスク因子である.一方で抗血小板薬であるアスピリンがCAT予防に有効とされるのは,一部の造血器腫瘍に限られている.CATを発症したがん患者では,抗凝固療法,抗血小療法が必要になるが,がん患者ではしばしば血小板が減少することがあり,薬剤の選択,投与量は考慮する必要がある.アスピリンは,血小板活性化により促進されるがんの成長,進展を抑制する可能性があり,実際アスピリン投与によりがん,特に大腸がんの発症率・死亡率が低下するとの報告もある.一方でアスピリンの有効性を否定する報告もあり,アスピリンががんの進展を抑制する効果はあったとしても限定的であろう.
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癌症和血栓——血小板和抗血小板药物——
癌细胞和血小板有相互作用,在癌细胞激活血小板的同时,被激活的血小板促进癌细胞的生长和发展。被激活的血小板会引起癌症相关血栓(cancerassociated thrombosis,CAT)发病有关,血小板数高是固体癌中静脉血栓栓塞症(venous thromboembolism, VTE)发病的风险因子。另一方面,抗血小板药阿司匹林对CAT的预防有效仅限于部分造血器官肿瘤。发病CAT的癌症患者需要抗凝疗法和抗血小疗法,但是癌症患者的血小板经常会减少,因此药物的选择和给药的量都需要考虑。阿司匹林有可能抑制因血小板活性化而促进的癌症的生长和发展,实际上有报告称,阿司匹林的使用可以降低癌症,特别是大肠癌的发病率和死亡率。另一方面,也有否定阿司匹林有效性的报告,阿司匹林对抑制癌症发展的效果恐怕有限。
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