{"title":"頭部外傷を契機に発症した,小児脳静脈洞血栓症2症例(Traumatic cerebral venous sinus thrombosis in pediatric patients: Report of two cases)","authors":"船登 有未, 小林 憲太郎, 佐々木 亮, 井上 雅人, 木村 昭夫","doi":"10.1002/jja2.12895","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":" 小児の脳静脈洞血栓症(CVST)の発生率は年間0.67人/10万人と稀である。外傷は原因の一つだが広く認識されておらず,しばしば診断が遅れる。頭部外傷後にCVSTを発症した小児症例を2例経験したので報告する。症例1:6歳の女児。遊具から転落後,嘔吐があり受診。CTで後頭骨骨折を認め,経過観察入院した。翌日のCTで急性硬膜外血腫および右横行静脈洞に一致した高吸収域を認め,MRIで右横静脈洞の信号欠損を認めCVSTの診断となった。出血および水頭症の増悪に対して開頭血腫除去術を施行した。その後はMRIで血栓は吸収過程と考えられ,後遺症なく受傷17日目に退院となった。症例2:7歳の女児。遊具から転落後,嘔気が遷延し受傷翌日に受診。CTでは異常所見を認めず帰宅となった。受傷3日目も活気不良が継続し,再検したCTで右横静脈洞に一致して高吸収域がみられ,MRIで右横静脈洞に欠損を認めCVSTの診断となった。ヘパリン投与を開始し血栓の縮小を認め,症状も消失しワーファリンに切り替えて受傷21日目に退院となった。今回の2症例は受傷初期のCTで所見を認めなかったが,症状が遷延したことで再検したCTで静脈洞に一致する高吸収域が出現しCVSTが発覚した。被ばくの懸念から小児では繰り返しのCT撮像は躊躇されるが,症状が遷延する場合CTの再検およびMRIなどでの精査を検討するべきである。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"134 2","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2024-04-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1002/jja2.12895","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}