{"title":"COVID–19療養経過中のため診断が遅れて薬疹が重症化した1例(A case of severe drug eruption with delayed diagnosis due to COVID–19)","authors":"小林 駿, 齊藤 志穂, 山田 尚弘, 松村 宣寿, 門馬 法子, 根本 信仁, 森野 一真","doi":"10.1002/jja2.12898","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"重症薬疹は検査結果に加えその症状と経過により診断される。今回,オンライン診療下で身体診察が不十分となり診断が遅れた重症薬疹を経験した。症例はうつ病治療中の31歳女性。精神科病院入院中,X−30日,ラモトリギン内服を開始した。X−23日,coronavirus disease 2019(COVID–19)患者に濃厚接触したため自宅療養目的に退院した。X−16日,発熱と全身の紅斑が出現した。X−15日,オンラインで処方医の定期診察を受けたが発熱と皮疹に気づかれなかった。X−5日,COVID–19に罹患したことが判明した。X−3日,発熱が続くため処方医と異なる2次医療機関に救急搬送されたがCOVID–19であるために皮疹の診察を十分に受けなかった。自宅療養を継続したが発熱と皮疹が改善しないため,X日,当院に救急搬送された。重症薬疹を疑い,被疑薬を中止しステロイドの全身投与を開始後,皮疹は経日的に改善し,X+14日に自宅退院した。本症例はCOVID–19に罹患したため,前医で全身の皮膚観察がなされず,薬疹を疑う所見の一つである播種状紅斑に気づかれなかった結果,薬疹の診断と被疑薬中止が遅れた。COVID–19流行によりオンライン診療が広く導入されているが,非対面での診察時に皮膚所見が重要と考えられる場合は,皮疹の場所や形態,その推移を含めた問診とカメラを通した視診にとくに留意すべきである。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"25 18","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2024-05-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1002/jja2.12898","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}