迅速βヒドロキシ酪酸測定により敗血症を契機とした飢餓性ケトアシドーシスを診断治療し得た1例(A case of starvation ketoacidosis caused by sepsis diagnosed and treated based on beta–hydroxybutyrate measurements)

辻 大河, 吉田 稔, 内倉 淑男, 本多 英喜, 岩澤 孝昌, 吉田 徹, 藤谷 茂樹
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Abstract

敗血症性ショックを契機とした飢餓性ケトアシドーシスを血清βヒドロキシ酪酸の測定により診断治療した。ケトアシドーシスのなかでも飢餓性の症例報告は少なく,我々が調べる範囲で敗血症を契機とした報告はない。しかし,飢餓性ケトアシドーシスに至るリスクを持つ患者は多く,鑑別として重要である。症例は88歳の女性,5日間の経口摂取不能と体動困難を主訴に救急搬送された。来院後,血圧低下と炎症反応高値,膿尿,anion gap(AG)開大性代謝性アシドーシスを認めた。尿管狭窄に対してステント留置し,尿路感染症による敗血症性ショックの診断でICU入室となった。第2病日,カテコラミンは中止でき,乳酸も正常値であったが,代謝性アシドーシスの進行を認め持続的腎代替療法を施行した。βヒドロキシ酪酸は4.8mmol/Lと上昇しており,糖尿病や飲酒歴はなく,5日間の絶食期間から飢餓性ケトアシドーシスと診断し,ブドウ糖とインスリンの持続静注を開始した。第4病日にβヒドロキシ酪酸は低下し,改善を得た。本症例ではインスリン分泌や筋肉量低下に加えて,敗血症によるグルカゴン分泌促進により短期間で飢餓性ケトアシドーシスを発症したと考えられる。AG開大性代謝性アシドーシスの鑑別に血清βヒドロキシ酪酸は有用であった。また,高齢化によりリスクを持つ患者は増えており,飢餓性ケトアシドーシスも念頭におく必要がある。
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一例脓毒症引起的饥饿性酮症酸中毒病例,根据快速β-羟丁酸测量结果进行诊断和治疗-羟丁酸测量值)
脓毒性休克引发的饥饿性酮症酸中毒是通过测量血清中的β-羟丁酸来诊断和治疗的。在酮症酸中,很少有关于饥饿性酮症酸中毒的报道,而且就我们所能确定的而言,没有一起是由脓毒症引发的。然而,许多患者都有发生饥饿性酮症酸中毒的风险,这是一个重要的鉴别因素。患者是一名 88 岁的妇女,因主诉五天来无法口服药物和体力活动困难而被送到急诊科。就诊时,她出现了低血压、高度炎症反应、脓尿和代谢性酸中毒,并伴有阴离子间隙(AG)不透明。患者因输尿管狭窄被植入支架,被送入重症监护室,诊断为尿路感染引起的脓毒性休克。第二天,儿茶酚胺可以停用,乳酸正常,但代谢性酸中毒进展明显,需要持续肾脏替代治疗。开始持续静脉注射胰岛素。第四天,β-羟丁酸下降,病情有所好转。血清β-羟丁酸有助于区分AG-开端代谢性酸中毒。还应注意饥饿性酮症酸中毒,因为由于人口老龄化,面临风险的患者人数正在增加。
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