Fish Otoliths as Indicator of Cod Fishing Seasonality in a Jomon Shell Midden (Usu-lO Site)

Abstract

北海道有珠10遺跡の縄文時代晩期の堆積層から出土したマダラ耳石を資料としてその漁期を推定した。遺跡出土の耳石を材料とする考古学的研究はわが国では初めての試みである。遺跡出土のマダラ耳石の大きさからその個体の体長および年齢を推定し,各年齢群の習性,生態にもとついて漁期を検討した。その結果,有珠10遺跡で漁獲されたマダラは3歳以上に相当する可能性が高く,この年齢群の生活史から,当遺跡におけるマダラ漁は産卵のため接岸する冬期に行われていたと推定された。