{"title":"Glycosylation and the immune system.","authors":"P. Rudd, M. Wormald, R. Dwek","doi":"10.4052/TIGG.11.1","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"ある糖タンパク質の構造や機能に関してグリコシル化の綿密な関係を完全に理解するには、分子を全体をまとめて見ることが必要である。体液性免疫系や細胞性免疫系には多くの糖タンパク質が関わっており、それらの個々の糖タンパク質の構造は事実上、糖鎖のプロセッシングに影響する。糖タンパク質に結合している糖鎖はそのタンパク質に広範な機能をもたらす。これらの糖鎖はタンパク質の構造を安定化したり、エフェクターの機能活性を修飾したり、細胞表面へタンパク質を指向させたり、プロテアーゼからタンパク質を守ったり、糖タンパク質のフォールディングの過程と完全にフォールディングされたタンパク質の双方で特異的な認識決定部位になったりする。糖タンパク質の溶液状態でのNMRや結晶状態でのX線解析では、一般的に糖についての詳細な情報はほとんど得られない。この総説で我々は、免疫系を調節しているいろいろな分子で、糖鎖分析から得られたデータによりタンパク質構造が補正されている分子や、Glycobiology Institute's oligosaccharide structural data base から得られた糖鎖の立体構造について議論する。この様にして、それぞれの糖タンパク質や糖鎖の既に報告されている機能をより完全に理解することができた。ここで扱う糖タンパク質は、体液性免疫反応をになっている免疫グロブリンIgG, IgA, IgMである。補体系はIgGやIgMによって活性化されたり、CD59や崩壊促進因子 (DAF, CD55) を含む多くの阻害物質によって調節されていて、DAFとCD55についても議論する。細胞性免疫反応に含まれるタンパク質の例には、細胞接着分子のCD2やCD48があり、それらは抗原ペプチドが提示されたHLAクラス1分子を持った標的細胞表面と複合体を作るT細胞受容体 (TCR) を持った細胞障害性T細胞の細胞表面の正確な配置に役立っている。","PeriodicalId":16896,"journal":{"name":"Journal of Protein Chemistry","volume":"158 1","pages":"519"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1999-01-02","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"13","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of Protein Chemistry","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.4052/TIGG.11.1","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Abstract
ある糖タンパク質の構造や機能に関してグリコシル化の綿密な関係を完全に理解するには、分子を全体をまとめて見ることが必要である。体液性免疫系や細胞性免疫系には多くの糖タンパク質が関わっており、それらの個々の糖タンパク質の構造は事実上、糖鎖のプロセッシングに影響する。糖タンパク質に結合している糖鎖はそのタンパク質に広範な機能をもたらす。これらの糖鎖はタンパク質の構造を安定化したり、エフェクターの機能活性を修飾したり、細胞表面へタンパク質を指向させたり、プロテアーゼからタンパク質を守ったり、糖タンパク質のフォールディングの過程と完全にフォールディングされたタンパク質の双方で特異的な認識決定部位になったりする。糖タンパク質の溶液状態でのNMRや結晶状態でのX線解析では、一般的に糖についての詳細な情報はほとんど得られない。この総説で我々は、免疫系を調節しているいろいろな分子で、糖鎖分析から得られたデータによりタンパク質構造が補正されている分子や、Glycobiology Institute's oligosaccharide structural data base から得られた糖鎖の立体構造について議論する。この様にして、それぞれの糖タンパク質や糖鎖の既に報告されている機能をより完全に理解することができた。ここで扱う糖タンパク質は、体液性免疫反応をになっている免疫グロブリンIgG, IgA, IgMである。補体系はIgGやIgMによって活性化されたり、CD59や崩壊促進因子 (DAF, CD55) を含む多くの阻害物質によって調節されていて、DAFとCD55についても議論する。細胞性免疫反応に含まれるタンパク質の例には、細胞接着分子のCD2やCD48があり、それらは抗原ペプチドが提示されたHLAクラス1分子を持った標的細胞表面と複合体を作るT細胞受容体 (TCR) を持った細胞障害性T細胞の細胞表面の正確な配置に役立っている。