{"title":"Calorimetric Analysis of the Formation and the Thermal Response of β2 Microglobulin Amyloid Fibril","authors":"K. Sasahara, Y. Goto","doi":"10.11311/JSCTA1974.33.83","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"蛋白質は,それぞれ特有の立体構造(天然構造)に折り たたまれてその機能を担う。天然構造は,熱力学的に最も 安定な状態であり,蛋白質の唯一規則的立体構造と考えら れてきた。このような立場からは,機能をもたない凝集体 は研究の対象外であった。ところが近年,蛋白質の天然構 造が壊れたり,間違ってフォールディング(ミスフォール ディング)をすることが原因で凝集体を形成し,病気の引 き起こされる例が多く見つかってきた。このような病気は, 蛋白質の立体構造(コンフォメーション)変化によって引 き起こされるので,フォールディング病あるいはコンフォ メーション病として注目されている。1,2) これらの凝集体の 中には,蛋白質がコンゴーレッド色素で橙赤色に染色され, 偏光顕微鏡下で緑色偏光を呈する幅約10 nmで枝分かれの ない線維構造をつくって体内に沈着している例が多くある (Fig.1)。これをアミロイド線維(医学用語として繊維では なく線維をもちいる)とよび,アミロイド線維の沈着する 疾患をアミロイド病(あるいはアミロイドーシス)と総称 する。1-3) 約20種類のアミロイド病と,その原因となる蛋白質ある いはペプチドが知られている。アルツハイマー病(Aβペプ チド),透析アミロイドーシス(β 2ミクログロブリン),AL アミロイドーシス(免疫グロブリンL鎖),家族性アミロイ ドポリニューロパチー(トランスサイレチン)などのほか, 狂牛病やクロイツフェルト・ヤコブ病などのプリオン病も アミロイド病と考えられている。カッコ内は原因蛋白質で あり,それらの多くは生命機能を支える重要な蛋白質であ ることがわかる。さらには,アミロイド線維はアミロイド ーシスにかかわる蛋白質だけでなく,疾病と関係しないさ まざまな蛋白質やポリアミノ酸によっても形成されること がわかってきている。4) このことは蛋白質が天然構造を形成","PeriodicalId":19096,"journal":{"name":"Netsu Sokutei","volume":"33 1","pages":"83-88"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2006-03-31","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Netsu Sokutei","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11311/JSCTA1974.33.83","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
引用次数: 0