{"title":"竹材による穿通性頭部外傷後脳膿瘍に対して開頭術を施行した1例(Craniotomy for brain abscess after penetrating head injury by bamboo: a case report)","authors":"高橋 達彦, 小守林 靖一, 攝田 典悟, 福田 健志, 薮田 昭典, 眞瀬 智彦, 小笠原 邦昭","doi":"10.1002/jja2.12839","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":" 症例は66歳の女性。農作業中に誤って2m下の畑に転落し,茄子の茎を固定していた直径1mmほどの竹の支柱が左鼻腔から突き刺さり受傷した。突き刺さった竹を現場において自分で引き抜き,受傷から約5時間後に家族に連れられ受診した。来院時意識レベルはJapan coma scale 1であり,その他明らかな神経学的脱落症状は認められなかった。髄液鼻漏はなく,左眼瞼腫脹とその周囲の皮下血腫を認めた。頭部CTで右前頭葉に出血を伴う気脳症を認めたが,残存異物の存在ははっきりしなかった。入院のうえベッド上安静とし,抗菌薬投与を行った。髄液漏の合併なく経過したが,徐々に進行する意識障害とせん妄とが出現し,造影MRIで両側前頭葉に脳膿瘍を認めた。竹片残存の可能性を考慮し開頭手術を行い,術野に残存する竹片を認め,除去した。その後脳膿瘍の再発なく自宅退院した。残存竹片の術前同定は困難であり,竹材による穿通性頭部外傷後脳膿瘍に対しては穿刺ドレナージではなく,開頭手術を考慮すべきと考える。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"37 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2023-09-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1002/jja2.12839","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Abstract
症例は66歳の女性。農作業中に誤って2m下の畑に転落し,茄子の茎を固定していた直径1mmほどの竹の支柱が左鼻腔から突き刺さり受傷した。突き刺さった竹を現場において自分で引き抜き,受傷から約5時間後に家族に連れられ受診した。来院時意識レベルはJapan coma scale 1であり,その他明らかな神経学的脱落症状は認められなかった。髄液鼻漏はなく,左眼瞼腫脹とその周囲の皮下血腫を認めた。頭部CTで右前頭葉に出血を伴う気脳症を認めたが,残存異物の存在ははっきりしなかった。入院のうえベッド上安静とし,抗菌薬投与を行った。髄液漏の合併なく経過したが,徐々に進行する意識障害とせん妄とが出現し,造影MRIで両側前頭葉に脳膿瘍を認めた。竹片残存の可能性を考慮し開頭手術を行い,術野に残存する竹片を認め,除去した。その後脳膿瘍の再発なく自宅退院した。残存竹片の術前同定は困難であり,竹材による穿通性頭部外傷後脳膿瘍に対しては穿刺ドレナージではなく,開頭手術を考慮すべきと考える。
一例竹材穿通性头部创伤后脑脓肿施行开颅手术(Craniotomy for brain abscess after penetrating head injury by bamboo)a案例报告)
病例是一名66岁的女性。干农活时不慎跌落2m以下的田地,左鼻腔被固定茄子茎的直径约1mm的竹支柱刺穿而受伤。在现场亲自拔出了扎入的竹子,在受伤约5小时后被家人带去就诊。来院时意识等级为Japan coma scale 1,未发现其他明显的神经学脱落症状。没有髓液鼻漏,左眼睑肿胀,周围皮下血肿。头部CT显示,右额叶有出血症状,为气脑病,但没有发现残留异物。住院卧床静养,注射抗菌药。虽然没有合并髓液漏,但逐渐出现意识障碍和脑梗塞,造影MRI显示双侧额叶有脑脓肿。考虑到竹片残留的可能性,进行了开颅手术,确认并清除了残存在术野的竹片。之后脑脓肿没有复发就出院了。残存竹片术前鉴定困难,对于竹材造成的穿通性头部外伤后脑脓肿,应考虑开颅手术,而非穿刺切除。