{"title":"The influence of feed and feeding upon the ruminal gas formation. 11. Hydrogen sulfide in the rumen gas.","authors":"T. Matsumoto, Y. Shimoda","doi":"10.1271/nogeikagaku1924.31.5_300","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"(1) 市販の糖蜜-尿素入り配合飼料と乾草とを給与した場合の第一胃ガスの発生状況,第一胃内液性状の変化等を山羊を用いて検討した. (2) 1日1回,午後1時に試験飼料を与えた実験IVの場合は,同じ条件で麩+乾草を与えた実験I,或は麩+乾草+青草を与えた実験IIIの場合に比べて,第一胃ガスの発生が極めて盛であって,第一胃は著しく膨満した.飼料給与後2時間のガス組成中CO2は73%に達し,CO2/CH4は4.4という極めて高い値を示した.即ち糖蜜-尿素入り飼料の給与によって,第一胃ガスの生成,特にCO2の生成が盛になったことが分った. (3) 実験IVの場合と同一量の試験飼料を1日1回,午前8時30分に給与した実験Vの場合は,実験IVに比較するとガスの発生が幾分劣り,飼料給与後2時間のCO2含量は57.2%, CO2/CH4は2.3にすぎず,実験IVの場含のガス組成とは著しく異っていることが注目された.尚,午前9時から青草を自由に摂取させた実験IIの場合と比較しても,そのガス組成は著しく異っていた. (4) 実験Vについては飼料給与直前から8時間後まで,2時間間隔で第一胃ガスを採取し,その組成の変化を検討した.飼料給与直前,即ち前日の飼料給与後24時間ではCH4が41.1%を占めて最も多く, CO2は僅か7.2%にすぎなかった.飼料給与後2時間より8時間までは, CO2が52~57%で主要部分を占め,CH4は25~30%, H2は1~3%であって,飼料給与後のガス組成の経時的変化は,今回の測定範囲内では比較的小さかった. (5) 飼料給与後2時間, 4時間半及び7時間に第一胃内液を採取して,そのpH, V. F. A.,糖濃度及びアンモニア態窒素濃度の変化の模様を検討した. pHは7.3~7.4で普通飼養の場合に比べて甚しくアルカリ側に傾いていた. V. F. A.の生成は比較的少く, 3.9~4.6mM/dl程度にとどまった.第一胃内液の糖濃度は102mg/dl前後でほぼ一定していたが,この値は普通飼養の場合よりもかえって低い.従って飼料の糖含量の増加が,第一胃内液の糖濃度の増加をもたらすとは限らないことが明らかにされた.尚直接還元糖は時間の経過と共に減少を示し,非還元糖は逆に増加する傾向を示し,然も全糖としては常に一定という興味ある知見を得た.アンモニア態窒素は飼料給与後2時間で49mg/dlとなったが, 7時間後には23mg/dlに迄減少し,24時間後の測定値もほぼ同じであった.","PeriodicalId":23108,"journal":{"name":"Tohoku journal of agricultural research","volume":"12 1","pages":"135-140"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1962-07-25","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Tohoku journal of agricultural research","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1271/nogeikagaku1924.31.5_300","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Abstract
(1) 市販の糖蜜-尿素入り配合飼料と乾草とを給与した場合の第一胃ガスの発生状況,第一胃内液性状の変化等を山羊を用いて検討した. (2) 1日1回,午後1時に試験飼料を与えた実験IVの場合は,同じ条件で麩+乾草を与えた実験I,或は麩+乾草+青草を与えた実験IIIの場合に比べて,第一胃ガスの発生が極めて盛であって,第一胃は著しく膨満した.飼料給与後2時間のガス組成中CO2は73%に達し,CO2/CH4は4.4という極めて高い値を示した.即ち糖蜜-尿素入り飼料の給与によって,第一胃ガスの生成,特にCO2の生成が盛になったことが分った. (3) 実験IVの場合と同一量の試験飼料を1日1回,午前8時30分に給与した実験Vの場合は,実験IVに比較するとガスの発生が幾分劣り,飼料給与後2時間のCO2含量は57.2%, CO2/CH4は2.3にすぎず,実験IVの場含のガス組成とは著しく異っていることが注目された.尚,午前9時から青草を自由に摂取させた実験IIの場合と比較しても,そのガス組成は著しく異っていた. (4) 実験Vについては飼料給与直前から8時間後まで,2時間間隔で第一胃ガスを採取し,その組成の変化を検討した.飼料給与直前,即ち前日の飼料給与後24時間ではCH4が41.1%を占めて最も多く, CO2は僅か7.2%にすぎなかった.飼料給与後2時間より8時間までは, CO2が52~57%で主要部分を占め,CH4は25~30%, H2は1~3%であって,飼料給与後のガス組成の経時的変化は,今回の測定範囲内では比較的小さかった. (5) 飼料給与後2時間, 4時間半及び7時間に第一胃内液を採取して,そのpH, V. F. A.,糖濃度及びアンモニア態窒素濃度の変化の模様を検討した. pHは7.3~7.4で普通飼養の場合に比べて甚しくアルカリ側に傾いていた. V. F. A.の生成は比較的少く, 3.9~4.6mM/dl程度にとどまった.第一胃内液の糖濃度は102mg/dl前後でほぼ一定していたが,この値は普通飼養の場合よりもかえって低い.従って飼料の糖含量の増加が,第一胃内液の糖濃度の増加をもたらすとは限らないことが明らかにされた.尚直接還元糖は時間の経過と共に減少を示し,非還元糖は逆に増加する傾向を示し,然も全糖としては常に一定という興味ある知見を得た.アンモニア態窒素は飼料給与後2時間で49mg/dlとなったが, 7時間後には23mg/dlに迄減少し,24時間後の測定値もほぼ同じであった.