Would Waters Shape a Stone into Dreikanter

O. Kamigaito
{"title":"Would Waters Shape a Stone into Dreikanter","authors":"O. Kamigaito","doi":"10.1678/rheology.34.303","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"三稜石というのは一つの頂点の上方から眺めると三つの 稜が見られる石のことです.要するに四面体の石です.大き さは通常は稜の長さが10 cm程度ですが,大きなものは50 cm を超すものもあるそうです. 四面体と言いましたが,実際は稜が四つのものなど,三稜 以上のものも結構あるそうです. この形状の石(礫)は常時一定の方向に風が吹いており, その風の中に砂粒,氷などが含まれていると,その砂粒,氷 などで石が削られ,鋭い稜が上から見て三つ(三稜石)にな るように形成されてできるとのことです(Fig. 1).しかし最近 は稜の数が三つ以上のものも多く発見されており,これらを 総称して風蝕礫と呼ぶことになっているそうです.南極,海 岸近くの峠の吹き抜け地点などに生ずるとのことで,南極に は現在もたくさん存在し,またごく最近までは日本でも多く 見られたそうです.日本のは地元の人たちが大切に守ってき たそうですが,不埒な人物達がいつのまにか持ち去ったよう で現在はほとんど見られないそうです.筆者は南極展覧会や 南極研究者の研究室で見せてもらったことがあります.削ら れた石の表面はすべすべしており,なかなか魅力的な石です. 石の質は必ずしも同じでなく,上記の条件を満たす場所に ある石ならなんでもよいようです.つまり,この特殊な形状 は石の成因に関係するのでなく,一定の方向に吹く風が作る 安定または準安定な流れによって形成されるらしいという ことです.レオロジーの問題を感じないではいられません. その形状成因として色々な説があるようですが筆者にはど れが本説かわかりません. ところで,本稿の問題点は風による浸食でできる三稜石で はなく水の中でも三稜石や多稜石ができるだろうか,できる とすればどんな形状だろうかということです.木曽川の河岸 段丘に育った筆者には気になるのです. 三稜石が流れの安定,準安定の問題として生ずるのであれ ば,水中でできてもおかしくはないと思いますが,粘性,流 速の差がありますし,なにより水の深さはせいぜい1 mもあ ればよいところですし,流速もせいぜい1∼7 m/s程度です.お まけに風,すなわち大気,のように石の大きさに較べれば無 限の寸法をもつ流体の中での事件とはかなりの差がありま す.それに自然の流水の中では小さな石は流され,向きを変 えなどで,一定の向きの流れという条件を実現するのはごく 限られた場所,ごく限られた石だけということになり,風蝕 礫のように一定方向の風さえ吹けばどこでもよいというわ けにはいきそうにありません. しかし楽観的に考えれば,川底に沈んだ大きな岩で,その 上端が流れの中程か表面近くに来ていれば風蝕礫形成の条 件に近い状態が実現しそうにも思えるわけです.大きな岩の 上端の形を丹念に調べれば,数ある川原石の中に三稜石か多 稜石が見つかる可能性もあるわけです. かくて,淡い期待を抱いて木曽川の木曽地方の川原でそれ らしい石を探し考察した結果の一部を概要図(Figs. 2∼4)に 示しました.いずれも現物は稜の長さ50 cm以上で,川床に 埋まり洪水でも動きそうにない石ですし,実際に今夏の木曽 川の記録的氾濫前後でも石の移動も回転もなかったことを 確認しております.図に示しましたように,三稜,五稜石は 実際に存在しているように思えます.その特徴は稜は風蝕礫 のように鋭角的でなく丸みを帯び,Fig. 2とFig. 1との対比で 言えば,いずれの稜線も上反りで,面Cは頂点付近で急な勾 配で下がり底面近くで緩やかな勾配となり,さらに面Cは凹 面状に内側に向かって食い込んでいることです.他の石も同 様な傾向にあります.五稜石らしきものは二つの三稜石を 稜aを平行になるように合体したものとも理解できそうです. 四稜の完全体は木曽川辺では発見できませんでしたが,海岸","PeriodicalId":17434,"journal":{"name":"Journal of the Society of Rheology, Japan","volume":null,"pages":null},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2006-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of the Society of Rheology, Japan","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1678/rheology.34.303","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Abstract

三稜石というのは一つの頂点の上方から眺めると三つの 稜が見られる石のことです.要するに四面体の石です.大き さは通常は稜の長さが10 cm程度ですが,大きなものは50 cm を超すものもあるそうです. 四面体と言いましたが,実際は稜が四つのものなど,三稜 以上のものも結構あるそうです. この形状の石(礫)は常時一定の方向に風が吹いており, その風の中に砂粒,氷などが含まれていると,その砂粒,氷 などで石が削られ,鋭い稜が上から見て三つ(三稜石)にな るように形成されてできるとのことです(Fig. 1).しかし最近 は稜の数が三つ以上のものも多く発見されており,これらを 総称して風蝕礫と呼ぶことになっているそうです.南極,海 岸近くの峠の吹き抜け地点などに生ずるとのことで,南極に は現在もたくさん存在し,またごく最近までは日本でも多く 見られたそうです.日本のは地元の人たちが大切に守ってき たそうですが,不埒な人物達がいつのまにか持ち去ったよう で現在はほとんど見られないそうです.筆者は南極展覧会や 南極研究者の研究室で見せてもらったことがあります.削ら れた石の表面はすべすべしており,なかなか魅力的な石です. 石の質は必ずしも同じでなく,上記の条件を満たす場所に ある石ならなんでもよいようです.つまり,この特殊な形状 は石の成因に関係するのでなく,一定の方向に吹く風が作る 安定または準安定な流れによって形成されるらしいという ことです.レオロジーの問題を感じないではいられません. その形状成因として色々な説があるようですが筆者にはど れが本説かわかりません. ところで,本稿の問題点は風による浸食でできる三稜石で はなく水の中でも三稜石や多稜石ができるだろうか,できる とすればどんな形状だろうかということです.木曽川の河岸 段丘に育った筆者には気になるのです. 三稜石が流れの安定,準安定の問題として生ずるのであれ ば,水中でできてもおかしくはないと思いますが,粘性,流 速の差がありますし,なにより水の深さはせいぜい1 mもあ ればよいところですし,流速もせいぜい1∼7 m/s程度です.お まけに風,すなわち大気,のように石の大きさに較べれば無 限の寸法をもつ流体の中での事件とはかなりの差がありま す.それに自然の流水の中では小さな石は流され,向きを変 えなどで,一定の向きの流れという条件を実現するのはごく 限られた場所,ごく限られた石だけということになり,風蝕 礫のように一定方向の風さえ吹けばどこでもよいというわ けにはいきそうにありません. しかし楽観的に考えれば,川底に沈んだ大きな岩で,その 上端が流れの中程か表面近くに来ていれば風蝕礫形成の条 件に近い状態が実現しそうにも思えるわけです.大きな岩の 上端の形を丹念に調べれば,数ある川原石の中に三稜石か多 稜石が見つかる可能性もあるわけです. かくて,淡い期待を抱いて木曽川の木曽地方の川原でそれ らしい石を探し考察した結果の一部を概要図(Figs. 2∼4)に 示しました.いずれも現物は稜の長さ50 cm以上で,川床に 埋まり洪水でも動きそうにない石ですし,実際に今夏の木曽 川の記録的氾濫前後でも石の移動も回転もなかったことを 確認しております.図に示しましたように,三稜,五稜石は 実際に存在しているように思えます.その特徴は稜は風蝕礫 のように鋭角的でなく丸みを帯び,Fig. 2とFig. 1との対比で 言えば,いずれの稜線も上反りで,面Cは頂点付近で急な勾 配で下がり底面近くで緩やかな勾配となり,さらに面Cは凹 面状に内側に向かって食い込んでいることです.他の石も同 様な傾向にあります.五稜石らしきものは二つの三稜石を 稜aを平行になるように合体したものとも理解できそうです. 四稜の完全体は木曽川辺では発見できませんでしたが,海岸
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沃特斯会把石头塑造成德雷坎特吗
三棱石是指从一个顶点的上方眺望,可以看到三个棱的石头。总之是四面体的石头。大小方面,通常棱长10cm左右,但据说大的超过50cm的也有。虽然说是四面体,但实际上有四个棱,三棱以上的也有很多。这种形状的石头经常向一定的方向吹风,风中如果含有沙粒、冰等,石头就会被沙粒、冰等刮开,从上面看就会形成三棱(三棱石)。据说还发现了很多棱脊数在三棱以上的东西,这些东西统称为风蚀砾。据说在南极,海岸边附近的山岭的吹过处等地生长,现在在南极也有很多,而且最近在日本也有很多。据说当地的人们一直很小心地保护着日本的火罐,但是不知什么时候被可恶的人拿走了,现在几乎看不到。笔者曾在南极展览会和南极研究者的研究室看过。被削过的石头表面很光滑,是一块很有魅力的石头。石头的质地不一定相同,只要是在满足上述条件的地方的石头都可以。也就是说,这种特殊的形状与石头的成因无关,而是由朝一定方向吹来的风形成的。据说是根据稳定或次稳定的流动形成的。不能不感觉到流变学的问题。作为其形状成因好像有各种各样的说法,笔者不知道哪个是正宗的说法。不过,本文的问题是,除了风的侵蚀会形成三棱石之外,在水中也会形成三棱石和多棱石吗?如果能形成的话会是什么样的形状呢?对于生长在木曾川河岸阶地的笔者来说,我很在意。如果三棱石是作为水流的稳定、准稳定的问题而产生的话,在水中形成也不奇怪,但是粘性、水流速度有差异,水的深度最多也就1m,流速最多也就1 ~ 7m /s左右。不过,风,也就是大气,和石头的大小相比,就没有那么大了。这与在有限定尺寸的流体中发生的事件有相当大的差别。而且在自然的流水中,小石头被冲走,改变方向等,实现一定方向流动的条件是极其困难的。在有限的地方,只有非常有限的石头,不可能像风蚀砾那样,只要有一定方向的风吹,在哪里都可以。但是乐观地想,沉在河底的大岩石,如果上端在流动的中间或接近表面的话,就可以实现接近风蚀砾形成的条件的状态。如果仔细观察大岩石上端的形状,就有可能在众多的原石中发现三棱石或多棱石。于是,怀着淡淡的期待,我们来到了木曾川的木曾地区的河滩。在概要图(Figs. 2∼4)中显示了似乎是石头的考察结果的一部分。都是现物棱长50cm以上,被埋在河床,即使洪水也不会移动的石头。实际上今年夏天的木曾确认了即使在河水破纪录泛滥前后,石头也没有移动或旋转。如图所示,三棱,五棱石是真实存在的。其特征是棱不像风蚀砾那样锐角,而是带有圆角,是Fig. 2和Fig. 1的对比。总之,每条棱线都是上弯,面C在顶点附近呈陡峭的坡度下降,在底面附近呈平缓的坡度,而且面C呈凹面状向内侧凹陷。其他的石头也有同样的倾向,五棱石可以理解为两个三棱石以平行a棱的形式合并而成。四棱的完整体在木曾川边没有发现,海岸
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Reliability of Intrinsic Viscosity Estimated by Single Point Procedure at High Concentrations Crystal Growth and Viscosity Behaviors of Ammonium Alum Hydrate Solution with PVA in Shear Flow Thermal Expansion Behavior of Antiplasticized Polycarbonate Dielectric and Viscoelastic Behavior of Low-M Linear Polyisoprene Blended in Long Matrix Sakiadis Flow of Harris Fluids: a Series-Solution
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