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引用次数: 2
Rapid Prototyping in Japan
工業製品の生産は過去において は米国, 欧州, 日本が三大拠点であったが, 現在ではこれにアジ アの諸国が加わってきた. しか もそれぞれの地域 の生産能力や生産技術が向上 して地域差が縮まり, さらに貿易障壁がなくなってきたため, 今や製造 業においては厳 しいグローバルな競争状態が日常 的なものとなっている. 世界の中の最適な地で開 発され生産された工業製品が世界中に供給される 時代となりつつある. わが国は工業製品, とりわけ工業消費財の生産 拠点として発展 してきたが, 同時に抜群に強い輸 出競争は激しい円高を生み, これが生産 コス トの 上昇を招き, 多 くの製造業が海外に工場を移すこ ととなった. さらに増え続ける自動車輸出により 諸外国との貿易摩擦が広がり, 消費国に自動車工 場をつくって現地で生産するようになっている. この間, 低成長時代の到来と共に長期にわたる 経済不況が続き, 製造業にとって苦難の時代が続 いてきた. これを打開するためにも新製品開発競 争が激化 し, この ことは限 られたマーケットに, 多様な製品が供給されることになり, かつての大 量生産時代から多種少量生産時代に移ったと言わ れている. さらに, 物質的に豊かな時代となって 消費者ニーズの多様化が進んだこと, また多 くの 工業製品に新技術が取り入れられて製品機能が年々 高度化 していることもあってこの多種少量生産に 拍車をかけることとなっている. また, 販売量の 予想が困難となり, さらに販売量の変動 も大 きく 変化する時代となっている. したがって, 今や工 業製品はあたか も流行商品のごとく, 多種変量生 産の時代に突入 したと言われており, 物づ くりの 技術者にとっては, ますます厳 しい時代となって いる. しか し, 同時にわが国は, このような多種 変量生産時代に対応する高度な生産技術を確立 し っつある世界の中で唯一の国となっている.