{"title":"利用带通滤波图像识别植物病害的可见伤害","authors":"Y. Sasaki, T. Okamoto, K. Imou, T. Torii","doi":"10.2525/JSHITA.10.170","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"以上, キュウリに炭そ病菌を接種して人為的に可視害を作り, 自動診断システムを構築するために必要となる可視害の認識について, フィルター画像を用いて以下のことを実験し考察した.1.可視害部の識別に関してその識別しやすい波長を同定するために, (1) ?ƒk, (2) 画像のクラス分離度ηmax, (3) D.I.で評価した反射率で行い, この三つの評価量に共通して650nmのフィルター画像が認識に適していることが判明した.2.外界での診断に向けて環境条件を除去する基本的なフィルター情報融合法を検討した.これにより環境条件を除去して病気による反射率の変化を得る二つの波長情報はλ650とλ400かλ800であることが判明した.またλ800は反射率が高く葉脈の影響がλ400より強いため, 葉を認識しながら接近する際や比較的遠隔から葉脈に対する可視害部の位置を知りたい場合はλ800を選択し, 近接して可視害部を詳細に調べる時は葉脈の影響が小さいλ400が適すると考察した.問題点と今後の課題は,実際に光源変化や対象の傾きをつくり,環境条件が変化しても同じ診断が下せるよう今回の結果を用いて検証することである.対象である葉は風により静止していない上に外界では光源が太陽光となるために,可視害に至った葉の診断部を構築するためには葉の動きや測定距離にも対応した画像処理に改良していくことも必要である.立毛中の植物を外界で診断するためには上記のような天候・時刻に左右されない測定が可能となることがまず必要である.そして実際には環境ストレス,他の病気を原因とするストレスに植物が侵されると予想される.環境ストレスは主に水不足,土壌環境,日照不足に分けられる.水不足については,今回は800nmまでのフィルター画像しか得られなかったが,Fig.10より植物の水吸収帯が1,400nm付近にあることがわかるため,このフィルター画像を用いた含水診断を行えば良いのではないかと考えている.また他のものはそれぞれ土壌診断,天候のデータの使用により診断できると推測する.病害によるストレスに関しては,対象とした植物に対して発生しやすい病害を特定して基礎データを得て各病害の特徴を統計的に求め,Fig.1に示したように識別のしやすいものから診断することで原因の特定が可能になると考える.また室内で得られた病害のデータが自然界で発生する病害とは多少異なることが予想されるが,その点に関しては新たに得られたデータを入力していけば診断規準が変更できるよう自動診断を学習型とすることで対応できるのではないかと考えている.","PeriodicalId":315038,"journal":{"name":"Shokubutsu Kankyo Kogaku","volume":"30 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1998-09-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":"{\"title\":\"The Recognition of Visible Injury of Plant Disease Using Bandpass Filtered Images\",\"authors\":\"Y. Sasaki, T. Okamoto, K. Imou, T. Torii\",\"doi\":\"10.2525/JSHITA.10.170\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"以上, キュウリに炭そ病菌を接種して人為的に可視害を作り, 自動診断システムを構築するために必要となる可視害の認識について, フィルター画像を用いて以下のことを実験し考察した.1.可視害部の識別に関してその識別しやすい波長を同定するために, (1) ?ƒk, (2) 画像のクラス分離度ηmax, (3) D.I.で評価した反射率で行い, この三つの評価量に共通して650nmのフィルター画像が認識に適していることが判明した.2.外界での診断に向けて環境条件を除去する基本的なフィルター情報融合法を検討した.これにより環境条件を除去して病気による反射率の変化を得る二つの波長情報はλ650とλ400かλ800であることが判明した.またλ800は反射率が高く葉脈の影響がλ400より強いため, 葉を認識しながら接近する際や比較的遠隔から葉脈に対する可視害部の位置を知りたい場合はλ800を選択し, 近接して可視害部を詳細に調べる時は葉脈の影響が小さいλ400が適すると考察した.問題点と今後の課題は,実際に光源変化や対象の傾きをつくり,環境条件が変化しても同じ診断が下せるよう今回の結果を用いて検証することである.対象である葉は風により静止していない上に外界では光源が太陽光となるために,可視害に至った葉の診断部を構築するためには葉の動きや測定距離にも対応した画像処理に改良していくことも必要である.立毛中の植物を外界で診断するためには上記のような天候・時刻に左右されない測定が可能となることがまず必要である.そして実際には環境ストレス,他の病気を原因とするストレスに植物が侵されると予想される.環境ストレスは主に水不足,土壌環境,日照不足に分けられる.水不足については,今回は800nmまでのフィルター画像しか得られなかったが,Fig.10より植物の水吸収帯が1,400nm付近にあることがわかるため,このフィルター画像を用いた含水診断を行えば良いのではないかと考えている.また他のものはそれぞれ土壌診断,天候のデータの使用により診断できると推測する.病害によるストレスに関しては,対象とした植物に対して発生しやすい病害を特定して基礎データを得て各病害の特徴を統計的に求め,Fig.1に示したように識別のしやすいものから診断することで原因の特定が可能になると考える.また室内で得られた病害のデータが自然界で発生する病害とは多少異なることが予想されるが,その点に関しては新たに得られたデータを入力していけば診断規準が変更できるよう自動診断を学習型とすることで対応できるのではないかと考えている.\",\"PeriodicalId\":315038,\"journal\":{\"name\":\"Shokubutsu Kankyo Kogaku\",\"volume\":\"30 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1998-09-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"1\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Shokubutsu Kankyo Kogaku\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2525/JSHITA.10.170\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Shokubutsu Kankyo Kogaku","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2525/JSHITA.10.170","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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The Recognition of Visible Injury of Plant Disease Using Bandpass Filtered Images
以上, キュウリに炭そ病菌を接種して人為的に可視害を作り, 自動診断システムを構築するために必要となる可視害の認識について, フィルター画像を用いて以下のことを実験し考察した.1.可視害部の識別に関してその識別しやすい波長を同定するために, (1) ?ƒk, (2) 画像のクラス分離度ηmax, (3) D.I.で評価した反射率で行い, この三つの評価量に共通して650nmのフィルター画像が認識に適していることが判明した.2.外界での診断に向けて環境条件を除去する基本的なフィルター情報融合法を検討した.これにより環境条件を除去して病気による反射率の変化を得る二つの波長情報はλ650とλ400かλ800であることが判明した.またλ800は反射率が高く葉脈の影響がλ400より強いため, 葉を認識しながら接近する際や比較的遠隔から葉脈に対する可視害部の位置を知りたい場合はλ800を選択し, 近接して可視害部を詳細に調べる時は葉脈の影響が小さいλ400が適すると考察した.問題点と今後の課題は,実際に光源変化や対象の傾きをつくり,環境条件が変化しても同じ診断が下せるよう今回の結果を用いて検証することである.対象である葉は風により静止していない上に外界では光源が太陽光となるために,可視害に至った葉の診断部を構築するためには葉の動きや測定距離にも対応した画像処理に改良していくことも必要である.立毛中の植物を外界で診断するためには上記のような天候・時刻に左右されない測定が可能となることがまず必要である.そして実際には環境ストレス,他の病気を原因とするストレスに植物が侵されると予想される.環境ストレスは主に水不足,土壌環境,日照不足に分けられる.水不足については,今回は800nmまでのフィルター画像しか得られなかったが,Fig.10より植物の水吸収帯が1,400nm付近にあることがわかるため,このフィルター画像を用いた含水診断を行えば良いのではないかと考えている.また他のものはそれぞれ土壌診断,天候のデータの使用により診断できると推測する.病害によるストレスに関しては,対象とした植物に対して発生しやすい病害を特定して基礎データを得て各病害の特徴を統計的に求め,Fig.1に示したように識別のしやすいものから診断することで原因の特定が可能になると考える.また室内で得られた病害のデータが自然界で発生する病害とは多少異なることが予想されるが,その点に関しては新たに得られたデータを入力していけば診断規準が変更できるよう自動診断を学習型とすることで対応できるのではないかと考えている.