{"title":"一例咖啡因中毒导致脑缺血引起的偏瘫病例","authors":"南和 伸, 高端 恭輔, 鵜飼 勲, 重安 奈央子, 中川 雄公","doi":"10.1002/jja2.12888","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"既往にうつ病のある43歳の女性が,カフェイン含有の市販薬を大量内服し,当院に救急搬送された。来院時,交感神経亢進型のトキシドロームを認め,病歴からカフェイン中毒と診断した。カフェインの摂取量は致死量となりうる8g相当であったため,気管挿管のうえ活性炭投与に加えて緊急で血液濾過透析を行う方針とした。持続的血液濾過透析後,速やかに洞性頻脈は改善し,第8病日に抜管できた。抜管後に入院時に認めなかった右上下肢の不全麻痺が明らかとなったことから,頭部MRIを撮影したところ,左淡蒼球と一部内包後脚にかかる部位に拡散強調画像で高信号,FLAIR像で高信号の病変を認めた。MRAでは主血管の病変は認めず,高用量のカフェインによる脳虚血を疑い,保存的治療の方針とした。1週間後の頭部MRI再検では,拡散強調画像とFLAIR像での信号変化は軽減していた。経時的に右上下肢不全麻痺は改善を認めた。カフェインは中枢神経作用としてアデノシンA1,A2A受容体拮抗作用を示し,脳血管の収縮を来すことから,高用量の摂取により脳虚血を起こす可能性が考えられた。淡蒼球は虚血に脆弱な部位であり,本症例の画像所見として表れたと考えられた。カフェイン中毒では脳血管収縮から脳虚血を来し,片麻痺などの中枢神経症状を呈する可能性があり,注意が必要である。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"17 21","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2024-02-29","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"カフェイン中毒により脳虚血を来し,片麻痺症状を呈したと考えられた1例(A case of hemiplegia caused by cerebral ischemia due to caffeine intoxication)\",\"authors\":\"南和 伸, 高端 恭輔, 鵜飼 勲, 重安 奈央子, 中川 雄公\",\"doi\":\"10.1002/jja2.12888\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"既往にうつ病のある43歳の女性が,カフェイン含有の市販薬を大量内服し,当院に救急搬送された。来院時,交感神経亢進型のトキシドロームを認め,病歴からカフェイン中毒と診断した。カフェインの摂取量は致死量となりうる8g相当であったため,気管挿管のうえ活性炭投与に加えて緊急で血液濾過透析を行う方針とした。持続的血液濾過透析後,速やかに洞性頻脈は改善し,第8病日に抜管できた。抜管後に入院時に認めなかった右上下肢の不全麻痺が明らかとなったことから,頭部MRIを撮影したところ,左淡蒼球と一部内包後脚にかかる部位に拡散強調画像で高信号,FLAIR像で高信号の病変を認めた。MRAでは主血管の病変は認めず,高用量のカフェインによる脳虚血を疑い,保存的治療の方針とした。1週間後の頭部MRI再検では,拡散強調画像とFLAIR像での信号変化は軽減していた。経時的に右上下肢不全麻痺は改善を認めた。カフェインは中枢神経作用としてアデノシンA1,A2A受容体拮抗作用を示し,脳血管の収縮を来すことから,高用量の摂取により脳虚血を起こす可能性が考えられた。淡蒼球は虚血に脆弱な部位であり,本症例の画像所見として表れたと考えられた。カフェイン中毒では脳血管収縮から脳虚血を来し,片麻痺などの中枢神経症状を呈する可能性があり,注意が必要である。\",\"PeriodicalId\":19346,\"journal\":{\"name\":\"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine\",\"volume\":\"17 21\",\"pages\":\"\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2024-02-29\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.1002/jja2.12888\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1002/jja2.12888","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}