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Experimental Conditions to Obtain an Accurate Value of Self-Diffusion Coefficient by Serial Sectioning Technique
固定内の自己拡散定数 (D*) を求めるのによく用いられている順次切削法では, 実験的に得られたトレーサーの濃度分布は, 通常, ガウス曲線C=M/√πD*t exp(-x2/4D*t) に一致するとして解析されている. ガウス曲線は, 拡散方程式を初期条件にデルタ関数状のトレーサー分布を仮定して解いた解である. しかし, 試料表面に付着されるトレーサーを含む化合物の厚さは, 実際には有限であり, また, その化合物が試料と化学形を異にし, 表面付着層と試料中での拡散定数が異なっている場合もしばしばある. 従来はこうした事情を考慮して拡散方程式が解かれていないので, 本研究では付着層の厚さ (h) が有限値をとり, 付着層中での拡散定数 (DA) と試料中での拡散定数 (DB) が違うとして拡散の偏微分方程式を解き厳密解を得た. その結果, 一定のDB/DA値に対して, r値 (r=h/√DAt) がゼロから無限大に増加するにつれ, 濃度分布はガウス曲線から誤差補関数曲線へと変化していく挙動が定量的に明らかになった. 濃度分布が両曲線のいずれかに一致している場合には, その曲線から正確なD*の値を得るための数学的に厳密な解析法があるが, いずれにも一致しない中間的な分布の場合には, 正確なD*を求めることは困難である. したがって, 自己拡散定数を正確に求めるためには, 濃度分布が両曲線のいずれかに一致するように, あらかじめ実験条件を設定しておく必要がある. こうした実験諸条件の許容範囲を示すために, (r, DB/DA) 平面を濃度分布が1%以内の誤差で, ガウス曲線に一致する領域, 誤差補関数曲線に一致する領域, 両曲線に共に一致しない領域の3領域に分けて図示した. TlCl単結晶にNaClの形でClのラジオアイソトープ, 36Clを付着させ, 36Clの拡散を行なわせて得られる濃度分布を測定し, これらの議論を実験的に例証した.