{"title":"as(酸敏感)标记体外鉴别人型结核杆菌毒株与无毒株。","authors":"Masahiro Nakamura, M. Sasaki","doi":"10.3412/JSB.26.537","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"大阪大学微生物病研究所,東北大学抗酸菌病研究所および国立予防衛生研究所よりそれぞれヒト型結核菌H37 RvおよびH37 Ra株の分与をうけ,それらをpH 4.5小川培地に培養することによつて,この酸性培地に発育しうるか否か,すなわちas (acid-sensitive)マーカーにより強毒株H37 Rvと弱毒株H37 Raとの分別を試みて次の結果を得た。1. 通常の方法で保存されているH37 Rv株は例外なくpH 4.5小川培地に集落を生じas+であるのに反し,H37 Rv株はpH 4.5小川培地に集落を形成しえずas-であつた。2. しかし,H37 Rv株とH37 Ra株のpopulationの中には前者において約10% as-の混在があり,後者では約40%にas+の混在があつた。3. さらにH37 RvとH37 Raの原株から定型的asマーカーをもつ集落各1株を選びasマーカーを検討したところ,前者には約6%の割にas-,後者には約8%の割にas+の混在があった。4. 非定型的性格をもつH37 Rv株の集落as-とH37 Ra株の集落as+の中のpopulationをasマーカーで検討すると,前者にはなおも92%のas+の混在があり,後者ではas-は0%であつた。以上の結果より,ヒト型結核菌H37株はRv株,Ra株とも,その基盤はas+と判断される。しかしながら,H37の原株としての表現型はH37 Rv株はas+であり,H37 Ra株はas-である。asマーカーと病原性との相関関係およびas-の機作等については目下検討中である。","PeriodicalId":14812,"journal":{"name":"Japanese journal of bacteriology","volume":"182 1","pages":"537-542"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1971-11-25","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Differentiation of avirulent from virulent strains of human type tubercle bacilli by as (acid-sensitive) marker in vitro.\",\"authors\":\"Masahiro Nakamura, M. Sasaki\",\"doi\":\"10.3412/JSB.26.537\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"大阪大学微生物病研究所,東北大学抗酸菌病研究所および国立予防衛生研究所よりそれぞれヒト型結核菌H37 RvおよびH37 Ra株の分与をうけ,それらをpH 4.5小川培地に培養することによつて,この酸性培地に発育しうるか否か,すなわちas (acid-sensitive)マーカーにより強毒株H37 Rvと弱毒株H37 Raとの分別を試みて次の結果を得た。1. 通常の方法で保存されているH37 Rv株は例外なくpH 4.5小川培地に集落を生じas+であるのに反し,H37 Rv株はpH 4.5小川培地に集落を形成しえずas-であつた。2. しかし,H37 Rv株とH37 Ra株のpopulationの中には前者において約10% as-の混在があり,後者では約40%にas+の混在があつた。3. さらにH37 RvとH37 Raの原株から定型的asマーカーをもつ集落各1株を選びasマーカーを検討したところ,前者には約6%の割にas-,後者には約8%の割にas+の混在があった。4. 非定型的性格をもつH37 Rv株の集落as-とH37 Ra株の集落as+の中のpopulationをasマーカーで検討すると,前者にはなおも92%のas+の混在があり,後者ではas-は0%であつた。以上の結果より,ヒト型結核菌H37株はRv株,Ra株とも,その基盤はas+と判断される。しかしながら,H37の原株としての表現型はH37 Rv株はas+であり,H37 Ra株はas-である。asマーカーと病原性との相関関係およびas-の機作等については目下検討中である。\",\"PeriodicalId\":14812,\"journal\":{\"name\":\"Japanese journal of bacteriology\",\"volume\":\"182 1\",\"pages\":\"537-542\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1971-11-25\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Japanese journal of bacteriology\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.3412/JSB.26.537\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Japanese journal of bacteriology","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.3412/JSB.26.537","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Differentiation of avirulent from virulent strains of human type tubercle bacilli by as (acid-sensitive) marker in vitro.
大阪大学微生物病研究所,東北大学抗酸菌病研究所および国立予防衛生研究所よりそれぞれヒト型結核菌H37 RvおよびH37 Ra株の分与をうけ,それらをpH 4.5小川培地に培養することによつて,この酸性培地に発育しうるか否か,すなわちas (acid-sensitive)マーカーにより強毒株H37 Rvと弱毒株H37 Raとの分別を試みて次の結果を得た。1. 通常の方法で保存されているH37 Rv株は例外なくpH 4.5小川培地に集落を生じas+であるのに反し,H37 Rv株はpH 4.5小川培地に集落を形成しえずas-であつた。2. しかし,H37 Rv株とH37 Ra株のpopulationの中には前者において約10% as-の混在があり,後者では約40%にas+の混在があつた。3. さらにH37 RvとH37 Raの原株から定型的asマーカーをもつ集落各1株を選びasマーカーを検討したところ,前者には約6%の割にas-,後者には約8%の割にas+の混在があった。4. 非定型的性格をもつH37 Rv株の集落as-とH37 Ra株の集落as+の中のpopulationをasマーカーで検討すると,前者にはなおも92%のas+の混在があり,後者ではas-は0%であつた。以上の結果より,ヒト型結核菌H37株はRv株,Ra株とも,その基盤はas+と判断される。しかしながら,H37の原株としての表現型はH37 Rv株はas+であり,H37 Ra株はas-である。asマーカーと病原性との相関関係およびas-の機作等については目下検討中である。