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Exploring Textile Expression with Advanced Weaving Technology of Nishijin
よく繊維産業は斜陽産業であるかのような話を耳にす るが,世界的に見ればれっきとした成長産業である。経 済産業省の報告によれば,世界的な人口増加を背景 に,繊維の生産量,消費量ともにまだまだ増加すること が予測されている。また「衣」は「食」「住」とともに 生命の維持に必要なものであるだけでなく,生理的な欲 求が満たされた経済水準であれば,美味しいものを食べ たい,快適な家に住みたいと思うことと同じように, 「かわいい」「人と違う」「機能的な」服を着たいと思う ことは人間の自然な欲求であるので,今後もこういった 欲求に応える様々な衣服が常に開発されていくことと思 われる。 一方,日本の民族服である和服については,生活様式 の変遷から普段着として着用されることはほとんどなく なっており,西陣織の出荷額を見てもここ数年はピーク 時の 2割以下で微減もしくは横ばいを続けている。伝 統産業であり,後継者不足や道具類の枯渇,複雑な流通 など様々な問題を抱えながら低迷しているというのが一 般的に見た状況であろう。しかし,近年和装市場は拡大 してきているといった報告など明るい話題も多く見受 けられる。経済産業省の実施したアンケート結果を見 ると,20代女性では約 8割の方が着物の着用経験者で あり,このうちの約 8割の方が今後の着用意向を示して いる。また,着用シーンとして「冠婚葬祭」以外にも高 い回答を示している層があり,一部の若者にとって着物 はオシャレな選択肢の一つと見做されていることが伺え る。ほかにも,和装イベントの盛況ぶりや,欧米のア パレルブランドやインバウンドからの関心が高まってい ることがあげられる。 このように復調の兆しが見える和装産業を製造面から 支えるメーカーが京都西陣には多く存在している。京都 市における製造業の内訳(Fig. 1)を見ると繊維工業 は,売上金額は劣るものの現在でも企業数では他を圧倒 しており,小規模事業者により多くの従業者を抱える主 要な業種の一つであることがわかる。 また,経済産業大臣により指定される伝統的工芸品の 数も全都道府県のうちで京都府が最も多く,その中の 「西陣織」では 12品種と実に多様な製織技法が指定さ れていることも特徴的である。伝統産業の強みは,良く 表面科学 Vol. 38, No. 7, pp. 362-364, 2017 特集「伝統産業と表面科学」