{"title":"热分析法分析聚合物共混物的混合状态","authors":"Sun-young Jung, H. Yoshida","doi":"10.11311/JSCTA1974.34.223","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"高分子ブレンドや共重合は,単一高分子では実現できな い物性を発現する期待から長い間研究が行われてきた。特 に,相溶系ブレンド( Alloy),ミクロ相分離系ブレンド ( Blend)や高分子-無機複合体( Composite)は,高分 子ABC と呼ばれる新規材料開発には重要な手法である。1) 高分子-無機複合体では,分散する無機物がガラス繊維の ように異方性のmm サイズから等方性のナノ粒子になるこ とで,高分子の物理的な性質のみならず化学的な性質へも 影響を及ぼすようになった。2) 一般には,高分子同士をブレ ンドしても分子量が大きいので混合エントロピーの寄与が 期待できないため, ほとんどの組み合わせで混合せずに 液-液相分離に相当するマクロな相分離が起こる。マクロ 相分離ブレンド系では相分離界面で分子同士の絡み合いが 希薄になるため,力学的性質は成分高分子よりも良くはな らない。しかし混合する高分子間に水素結合のような引力 的相互作用が働く場合は,その大きさによって相溶系ある いはミクロ相分離系になり,成分高分子とは異なる様々な 性質が発現するようになる。引力的相互作用が働く高分子 ブレンド系(発熱系)では下限臨界共溶温度(LCST)型 の相図が,斥力的相互作用が働く系(吸熱系)では上限臨 界共溶温度( UCST)型の相図を描くことになる。例えば UCST 型の相図を持つポリスチレン(PS)/スチレン-ブ タジエンブロック共重合体( SB)ブレンドでは,スチレ ン樹脂の内部にブタジエン相がμm サイズで相分離し均一 に分散して,耐衝撃性が大きく改善される。これは,互い に混合しないブタジエン相とスチレン相の界面にSB 分子鎖","PeriodicalId":19096,"journal":{"name":"Netsu Sokutei","volume":"4 1","pages":"223-231"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2007-11-15","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Mixing State Analysis of Polymer Blends by Thermal Analysis\",\"authors\":\"Sun-young Jung, H. Yoshida\",\"doi\":\"10.11311/JSCTA1974.34.223\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"高分子ブレンドや共重合は,単一高分子では実現できな い物性を発現する期待から長い間研究が行われてきた。特 に,相溶系ブレンド( Alloy),ミクロ相分離系ブレンド ( Blend)や高分子-無機複合体( Composite)は,高分 子ABC と呼ばれる新規材料開発には重要な手法である。1) 高分子-無機複合体では,分散する無機物がガラス繊維の ように異方性のmm サイズから等方性のナノ粒子になるこ とで,高分子の物理的な性質のみならず化学的な性質へも 影響を及ぼすようになった。2) 一般には,高分子同士をブレ ンドしても分子量が大きいので混合エントロピーの寄与が 期待できないため, ほとんどの組み合わせで混合せずに 液-液相分離に相当するマクロな相分離が起こる。マクロ 相分離ブレンド系では相分離界面で分子同士の絡み合いが 希薄になるため,力学的性質は成分高分子よりも良くはな らない。しかし混合する高分子間に水素結合のような引力 的相互作用が働く場合は,その大きさによって相溶系ある いはミクロ相分離系になり,成分高分子とは異なる様々な 性質が発現するようになる。引力的相互作用が働く高分子 ブレンド系(発熱系)では下限臨界共溶温度(LCST)型 の相図が,斥力的相互作用が働く系(吸熱系)では上限臨 界共溶温度( UCST)型の相図を描くことになる。例えば UCST 型の相図を持つポリスチレン(PS)/スチレン-ブ タジエンブロック共重合体( SB)ブレンドでは,スチレ ン樹脂の内部にブタジエン相がμm サイズで相分離し均一 に分散して,耐衝撃性が大きく改善される。これは,互い に混合しないブタジエン相とスチレン相の界面にSB 分子鎖\",\"PeriodicalId\":19096,\"journal\":{\"name\":\"Netsu Sokutei\",\"volume\":\"4 1\",\"pages\":\"223-231\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2007-11-15\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Netsu Sokutei\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.11311/JSCTA1974.34.223\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Netsu Sokutei","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11311/JSCTA1974.34.223","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Mixing State Analysis of Polymer Blends by Thermal Analysis
高分子ブレンドや共重合は,単一高分子では実現できな い物性を発現する期待から長い間研究が行われてきた。特 に,相溶系ブレンド( Alloy),ミクロ相分離系ブレンド ( Blend)や高分子-無機複合体( Composite)は,高分 子ABC と呼ばれる新規材料開発には重要な手法である。1) 高分子-無機複合体では,分散する無機物がガラス繊維の ように異方性のmm サイズから等方性のナノ粒子になるこ とで,高分子の物理的な性質のみならず化学的な性質へも 影響を及ぼすようになった。2) 一般には,高分子同士をブレ ンドしても分子量が大きいので混合エントロピーの寄与が 期待できないため, ほとんどの組み合わせで混合せずに 液-液相分離に相当するマクロな相分離が起こる。マクロ 相分離ブレンド系では相分離界面で分子同士の絡み合いが 希薄になるため,力学的性質は成分高分子よりも良くはな らない。しかし混合する高分子間に水素結合のような引力 的相互作用が働く場合は,その大きさによって相溶系ある いはミクロ相分離系になり,成分高分子とは異なる様々な 性質が発現するようになる。引力的相互作用が働く高分子 ブレンド系(発熱系)では下限臨界共溶温度(LCST)型 の相図が,斥力的相互作用が働く系(吸熱系)では上限臨 界共溶温度( UCST)型の相図を描くことになる。例えば UCST 型の相図を持つポリスチレン(PS)/スチレン-ブ タジエンブロック共重合体( SB)ブレンドでは,スチレ ン樹脂の内部にブタジエン相がμm サイズで相分離し均一 に分散して,耐衝撃性が大きく改善される。これは,互い に混合しないブタジエン相とスチレン相の界面にSB 分子鎖