{"title":"光响应分子组件的研究进展与应用","authors":"Masaaki Akamatsu, K. Sakai, H. Sakai","doi":"10.5650/OLEOSCIENCE.21.227","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"連絡者 :赤松 允顕 E-mail :makamatsu@rs.tus.ac.jp 論文要旨:界面活性剤が形成する分子集合体の構造を光刺激により変化させれば,内包した物質の放出制 御が可能となり,薬物や有効成分の送達システムが構築できる。本総説では,これまでに筆者らが開発した 光応答性界面活性剤について紹介する。アゾベンゼン修飾カチオン性界面活性剤は,紫外光および可視光照 射にともなう trans-cis 異性化により臨界ミセル濃度が大きく変化した。桂皮酸修飾光分解性界面活性剤は, 紫外光照射にともない界面物性が変化し,さらに紐状ミセル構造の変化に由来した水溶液粘度や微粒子分散 性の光制御に成功した。オンデマンドな界面物性制御を可能にするため,光応答性界面活性剤の光応答スピー ドの高速化を検討した。紫外光照射にともないロフィンダイマーから生成するロフィルラジカルの再結合反 応は,ミセル内部の閉鎖空間内で高速化することが分かった。両親媒性ロフィンダイマーを用いることで, その水溶液の表面張力を紫外光照射により数スケールで制御することができた。in situ 小角中性子散乱 (SANS)を用いた解析の結果,両親媒性ロフィンダイマーは楕円体ミセルを形成し,紫外光照射 ON-OFF にともない伸張・収縮を高速で繰り返すことが分かった。さらに,このミセル水溶液を用いることで,可溶 化されたモデル薬物を光照射により高速で放出制御できた。 酒井 健一 東京理科大学理工学部先端化学科 〒 278-8510 千葉県野田市山崎 2641","PeriodicalId":19666,"journal":{"name":"Oleoscience","volume":"13 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2021-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Developments and Applications of Photoresponsive Molecular Assemblies\",\"authors\":\"Masaaki Akamatsu, K. Sakai, H. Sakai\",\"doi\":\"10.5650/OLEOSCIENCE.21.227\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"連絡者 :赤松 允顕 E-mail :makamatsu@rs.tus.ac.jp 論文要旨:界面活性剤が形成する分子集合体の構造を光刺激により変化させれば,内包した物質の放出制 御が可能となり,薬物や有効成分の送達システムが構築できる。本総説では,これまでに筆者らが開発した 光応答性界面活性剤について紹介する。アゾベンゼン修飾カチオン性界面活性剤は,紫外光および可視光照 射にともなう trans-cis 異性化により臨界ミセル濃度が大きく変化した。桂皮酸修飾光分解性界面活性剤は, 紫外光照射にともない界面物性が変化し,さらに紐状ミセル構造の変化に由来した水溶液粘度や微粒子分散 性の光制御に成功した。オンデマンドな界面物性制御を可能にするため,光応答性界面活性剤の光応答スピー ドの高速化を検討した。紫外光照射にともないロフィンダイマーから生成するロフィルラジカルの再結合反 応は,ミセル内部の閉鎖空間内で高速化することが分かった。両親媒性ロフィンダイマーを用いることで, その水溶液の表面張力を紫外光照射により数スケールで制御することができた。in situ 小角中性子散乱 (SANS)を用いた解析の結果,両親媒性ロフィンダイマーは楕円体ミセルを形成し,紫外光照射 ON-OFF にともない伸張・収縮を高速で繰り返すことが分かった。さらに,このミセル水溶液を用いることで,可溶 化されたモデル薬物を光照射により高速で放出制御できた。 酒井 健一 東京理科大学理工学部先端化学科 〒 278-8510 千葉県野田市山崎 2641\",\"PeriodicalId\":19666,\"journal\":{\"name\":\"Oleoscience\",\"volume\":\"13 1\",\"pages\":\"\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2021-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Oleoscience\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.5650/OLEOSCIENCE.21.227\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Oleoscience","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5650/OLEOSCIENCE.21.227","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Developments and Applications of Photoresponsive Molecular Assemblies
連絡者 :赤松 允顕 E-mail :makamatsu@rs.tus.ac.jp 論文要旨:界面活性剤が形成する分子集合体の構造を光刺激により変化させれば,内包した物質の放出制 御が可能となり,薬物や有効成分の送達システムが構築できる。本総説では,これまでに筆者らが開発した 光応答性界面活性剤について紹介する。アゾベンゼン修飾カチオン性界面活性剤は,紫外光および可視光照 射にともなう trans-cis 異性化により臨界ミセル濃度が大きく変化した。桂皮酸修飾光分解性界面活性剤は, 紫外光照射にともない界面物性が変化し,さらに紐状ミセル構造の変化に由来した水溶液粘度や微粒子分散 性の光制御に成功した。オンデマンドな界面物性制御を可能にするため,光応答性界面活性剤の光応答スピー ドの高速化を検討した。紫外光照射にともないロフィンダイマーから生成するロフィルラジカルの再結合反 応は,ミセル内部の閉鎖空間内で高速化することが分かった。両親媒性ロフィンダイマーを用いることで, その水溶液の表面張力を紫外光照射により数スケールで制御することができた。in situ 小角中性子散乱 (SANS)を用いた解析の結果,両親媒性ロフィンダイマーは楕円体ミセルを形成し,紫外光照射 ON-OFF にともない伸張・収縮を高速で繰り返すことが分かった。さらに,このミセル水溶液を用いることで,可溶 化されたモデル薬物を光照射により高速で放出制御できた。 酒井 健一 東京理科大学理工学部先端化学科 〒 278-8510 千葉県野田市山崎 2641