{"title":"细胞色素c熔球状态的热力学研究","authors":"Shigeyoshi Nakamura, S. Kidokoro","doi":"10.11311/JSCTA1974.34.113","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"2,3) また,MG状態が多くの蛋白質のフォールディング過程 で速度論的な中間状態として観測されている。2) 蛋白質の MG状態の共通の性質として,天然(N)状態と同程度の 2次構造を形成しており,コンパクトな球状をしているが, 側鎖の特異的なパッキングは緩く,揺らぎが大きい構造で あることが知られている。多くの蛋白質で,平衡論的に観 測されるMG状態が速度論的なMG状態と同一の構造的特 徴を示すことが報告されている。よってMG状態の熱力学 的安定性を正確に評価することは,蛋白質の立体構造安定 化機構や,フォールディング機構を理解する上で非常に重 要である。 しかしながらMG状態の熱力学的研究は,その測定が困 難であるためあまり進んでいない。例えば,最もMG状態 が研究されている代表的な蛋白質であるシトクロムc(ヘ ムを持つ104残基の小さな球状蛋白質)では,酸性pH, 高塩濃度条件での,MG状態からD状態への転移(MG~ D転移)は,示差走査熱量測定(DSC)や分光測定を用","PeriodicalId":19096,"journal":{"name":"Netsu Sokutei","volume":"100 1","pages":"113-119"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2007-06-15","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Thermodynamic Study on the molten globule state of cytochrome c\",\"authors\":\"Shigeyoshi Nakamura, S. Kidokoro\",\"doi\":\"10.11311/JSCTA1974.34.113\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"2,3) また,MG状態が多くの蛋白質のフォールディング過程 で速度論的な中間状態として観測されている。2) 蛋白質の MG状態の共通の性質として,天然(N)状態と同程度の 2次構造を形成しており,コンパクトな球状をしているが, 側鎖の特異的なパッキングは緩く,揺らぎが大きい構造で あることが知られている。多くの蛋白質で,平衡論的に観 測されるMG状態が速度論的なMG状態と同一の構造的特 徴を示すことが報告されている。よってMG状態の熱力学 的安定性を正確に評価することは,蛋白質の立体構造安定 化機構や,フォールディング機構を理解する上で非常に重 要である。 しかしながらMG状態の熱力学的研究は,その測定が困 難であるためあまり進んでいない。例えば,最もMG状態 が研究されている代表的な蛋白質であるシトクロムc(ヘ ムを持つ104残基の小さな球状蛋白質)では,酸性pH, 高塩濃度条件での,MG状態からD状態への転移(MG~ D転移)は,示差走査熱量測定(DSC)や分光測定を用\",\"PeriodicalId\":19096,\"journal\":{\"name\":\"Netsu Sokutei\",\"volume\":\"100 1\",\"pages\":\"113-119\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2007-06-15\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Netsu Sokutei\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.11311/JSCTA1974.34.113\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Netsu Sokutei","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11311/JSCTA1974.34.113","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
引用次数: 0
Thermodynamic Study on the molten globule state of cytochrome c
2,3) また,MG状態が多くの蛋白質のフォールディング過程 で速度論的な中間状態として観測されている。2) 蛋白質の MG状態の共通の性質として,天然(N)状態と同程度の 2次構造を形成しており,コンパクトな球状をしているが, 側鎖の特異的なパッキングは緩く,揺らぎが大きい構造で あることが知られている。多くの蛋白質で,平衡論的に観 測されるMG状態が速度論的なMG状態と同一の構造的特 徴を示すことが報告されている。よってMG状態の熱力学 的安定性を正確に評価することは,蛋白質の立体構造安定 化機構や,フォールディング機構を理解する上で非常に重 要である。 しかしながらMG状態の熱力学的研究は,その測定が困 難であるためあまり進んでいない。例えば,最もMG状態 が研究されている代表的な蛋白質であるシトクロムc(ヘ ムを持つ104残基の小さな球状蛋白質)では,酸性pH, 高塩濃度条件での,MG状態からD状態への転移(MG~ D転移)は,示差走査熱量測定(DSC)や分光測定を用