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引用次数: 6
Multidrug Resistance Genes in Candida albicans
日和見カンジダ症の予防あるいは治療の目的で,フルコナゾールなどアゾール系抗真菌剤の長期投与が行なわれているが,フルコナゾール耐性あるいはアゾール剤に交差耐性のCandida albicansが分離される報告が相次ぎ,臨床上重要な問題となっている.近年,ヒトの多剤耐性遺伝子MDR (Multidrug resistance)のコードするP糖タンパク質が抗癌剤を細胞内から細胞外に汲み出すポンプの役割を担っていることが分かり,このようなポンプによる薬剤排出が耐性獲得に寄与していることが認識されてきた.C.albicansにおいても薬剤排出遺伝子の存在が明らかになり,ポンプを介したアゾール剤耐性の仕組みの解明が始まっている.本稿では,C.albicansのフルコナゾールの取り込みと排出,薬剤排出遺伝子のクローニング,感受性株と耐性株の間の薬剤耐性遺伝子の発現の比較,ポンプ機能を担う遺伝子の導入によるアゾール剤感受性の変化などについてしらべた結果を紹介する.C.albicansの薬剤排出系はアゾール剤耐性に重要な役割を果していると考えられる.