{"title":"钛酸钡体系中的新型铁电体","authors":"Y. Akishige","doi":"10.11311/JSCTA1974.33.160","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"チタン酸バリウムBaTiO3は強誘電体の代表的物質であり, コンデンサー材料,圧電材料,電気光学結晶などとして広く 産業界で利用されている。このペロブスカイト構造のチタン 酸バリウムは,TC=400 K付近で強誘電相転移を起こし,立 方晶から室温の正方晶へと結晶構造が変化する。BaTiO3に は多形として六方晶の結晶も存在する。立方晶BaTiO3では, 頂点を共有したTiO6酸素八面体の連結で三次元構造の骨格 が作られているのに対して,六方晶BaTiO3では面を共有し た酸素八面体も存在する。六方晶BaTiO3においても,低温 のTC=74 K以下で,強誘電性が六方晶のc-軸方向に出現す る。1,2) 六方晶と立方晶の両チタン酸バリウムの物性を比較しよう とした時に,強誘電体の代表的物質である立方晶チタン酸バ リウムに関して膨大な論文が発表されているにもかかわらず, 低温物性に関してはデータが極端に少ないことに気づいた。 低温では,複雑なドメインが入ることや応用的関心が低いこ とがデータの少なさの原因と思われる。高純度チタン酸バリ ウム単結晶が育成され,3) 光学結晶として市販されている昨 今であるので,低温での立方晶チタン酸バリウムの強誘電特 性を調べ直そうと実験を開始した。初期的研究から,トップ シード法(Top Seeded Solution Growth, TSSG)で育成さ れた単結晶(Linz結晶とも呼ばれる)には,低温の100 K付 近にダイポールグラス転移があることが分かった。4,5) また, 最も重要な強誘電転移温度TCが,フッ化カリウム(KF)を フラックスにして育成した単結晶(Remeika結晶とも呼ばれ る)では高々390 K程度であるのに対し,TSSG結晶では 400 K以上でばらつくなど腑に落ちない点が見えてきた。6) KFフラックス法ではフラックスのカリウムやフッ素が混入 するため転移温度が下がると言われているが,どの程度物性 や転移温度に影響するのか詳しく調べられていなかった。ま た,TSSG結晶はTiO2リッチ溶液からの育成であるので,チ タンリッチな結晶(Ba欠損結晶)ができている可能性もあ 新規チタン酸バリウム系強誘電体","PeriodicalId":19096,"journal":{"name":"Netsu Sokutei","volume":"59 1","pages":"160-166"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2006-08-31","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":"{\"title\":\"New Ferroelectrics in Barium Titanate System\",\"authors\":\"Y. Akishige\",\"doi\":\"10.11311/JSCTA1974.33.160\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"チタン酸バリウムBaTiO3は強誘電体の代表的物質であり, コンデンサー材料,圧電材料,電気光学結晶などとして広く 産業界で利用されている。このペロブスカイト構造のチタン 酸バリウムは,TC=400 K付近で強誘電相転移を起こし,立 方晶から室温の正方晶へと結晶構造が変化する。BaTiO3に は多形として六方晶の結晶も存在する。立方晶BaTiO3では, 頂点を共有したTiO6酸素八面体の連結で三次元構造の骨格 が作られているのに対して,六方晶BaTiO3では面を共有し た酸素八面体も存在する。六方晶BaTiO3においても,低温 のTC=74 K以下で,強誘電性が六方晶のc-軸方向に出現す る。1,2) 六方晶と立方晶の両チタン酸バリウムの物性を比較しよう とした時に,強誘電体の代表的物質である立方晶チタン酸バ リウムに関して膨大な論文が発表されているにもかかわらず, 低温物性に関してはデータが極端に少ないことに気づいた。 低温では,複雑なドメインが入ることや応用的関心が低いこ とがデータの少なさの原因と思われる。高純度チタン酸バリ ウム単結晶が育成され,3) 光学結晶として市販されている昨 今であるので,低温での立方晶チタン酸バリウムの強誘電特 性を調べ直そうと実験を開始した。初期的研究から,トップ シード法(Top Seeded Solution Growth, TSSG)で育成さ れた単結晶(Linz結晶とも呼ばれる)には,低温の100 K付 近にダイポールグラス転移があることが分かった。4,5) また, 最も重要な強誘電転移温度TCが,フッ化カリウム(KF)を フラックスにして育成した単結晶(Remeika結晶とも呼ばれ る)では高々390 K程度であるのに対し,TSSG結晶では 400 K以上でばらつくなど腑に落ちない点が見えてきた。6) KFフラックス法ではフラックスのカリウムやフッ素が混入 するため転移温度が下がると言われているが,どの程度物性 や転移温度に影響するのか詳しく調べられていなかった。ま た,TSSG結晶はTiO2リッチ溶液からの育成であるので,チ タンリッチな結晶(Ba欠損結晶)ができている可能性もあ 新規チタン酸バリウム系強誘電体\",\"PeriodicalId\":19096,\"journal\":{\"name\":\"Netsu Sokutei\",\"volume\":\"59 1\",\"pages\":\"160-166\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2006-08-31\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"1\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Netsu Sokutei\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.11311/JSCTA1974.33.160\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Netsu Sokutei","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11311/JSCTA1974.33.160","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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New Ferroelectrics in Barium Titanate System
チタン酸バリウムBaTiO3は強誘電体の代表的物質であり, コンデンサー材料,圧電材料,電気光学結晶などとして広く 産業界で利用されている。このペロブスカイト構造のチタン 酸バリウムは,TC=400 K付近で強誘電相転移を起こし,立 方晶から室温の正方晶へと結晶構造が変化する。BaTiO3に は多形として六方晶の結晶も存在する。立方晶BaTiO3では, 頂点を共有したTiO6酸素八面体の連結で三次元構造の骨格 が作られているのに対して,六方晶BaTiO3では面を共有し た酸素八面体も存在する。六方晶BaTiO3においても,低温 のTC=74 K以下で,強誘電性が六方晶のc-軸方向に出現す る。1,2) 六方晶と立方晶の両チタン酸バリウムの物性を比較しよう とした時に,強誘電体の代表的物質である立方晶チタン酸バ リウムに関して膨大な論文が発表されているにもかかわらず, 低温物性に関してはデータが極端に少ないことに気づいた。 低温では,複雑なドメインが入ることや応用的関心が低いこ とがデータの少なさの原因と思われる。高純度チタン酸バリ ウム単結晶が育成され,3) 光学結晶として市販されている昨 今であるので,低温での立方晶チタン酸バリウムの強誘電特 性を調べ直そうと実験を開始した。初期的研究から,トップ シード法(Top Seeded Solution Growth, TSSG)で育成さ れた単結晶(Linz結晶とも呼ばれる)には,低温の100 K付 近にダイポールグラス転移があることが分かった。4,5) また, 最も重要な強誘電転移温度TCが,フッ化カリウム(KF)を フラックスにして育成した単結晶(Remeika結晶とも呼ばれ る)では高々390 K程度であるのに対し,TSSG結晶では 400 K以上でばらつくなど腑に落ちない点が見えてきた。6) KFフラックス法ではフラックスのカリウムやフッ素が混入 するため転移温度が下がると言われているが,どの程度物性 や転移温度に影響するのか詳しく調べられていなかった。ま た,TSSG結晶はTiO2リッチ溶液からの育成であるので,チ タンリッチな結晶(Ba欠損結晶)ができている可能性もあ 新規チタン酸バリウム系強誘電体