纤维素在质子离子液体中的酯化反应

Q3 Materials Science Kobunshi Ronbunshu Pub Date : 2019-07-25 DOI:10.1295/koron.2019-0017
M. Yoshizawa‐Fujita, Hideki Hanabusa, Y. Takeoka, M. Rikukawa
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摘要

纤维素是天然丰富存在的非可食性高分子,是碳中和材料。作为功能材料也备受关注,有关纤维素的衍生物化的研究正在活跃进行。例如,作为纤维素的酯衍生物,像硝酸纤维素一样的无机酸。有报道称,有机酸酯,如磺酸和醋酸纤维素1),2).纤维素的羟基可导入各种官能团,除酯衍生物外也有很多纤维素衍生物被报道3).另一方面,2002年报道了可溶解难溶性高分子纤维素的离子液体(IL)。4)引起了很多研究人员的兴趣。5)~7).IL是熔点在100°C以下的有机IL是一种盐,具有难挥发性、阻燃性等特点,即使在真空条件下加热也不会飞散,因此作为可重复使用的环境调和型溶剂备受期待。正在进行各种反应8)、9).例如,纤维素的高分子反应在IL中进行。Schlufter等人在1butyl-3-methylimidazolium chloride([C4mim]Cl)中脊骨乙酰化和羰基化的报道10).Hinner等人认为纤维素的乙烯酯化是1-ethyl-3-methylimidazolium在acetate ([C2mim][OAc])中进行,并且报告了[C2mim][OAc]是可回收的11).最近,作者们用1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene (DBU)和乙酸(HOAc)的中和反应制备了酮离子液体(PIL)[DBUH][OAc]在celllos的酯化反应中发挥溶剂兼催化剂的作用12).PIL是从Brø sted酸中得到的Brø sted通过向碱基的质子移动反应得到IL醛。酸和碱的pka值的差距(¦pka)较大时,为了提高离于民性,强酸和强碱基组合せる多。angell们,¦pka值10以上的时候,pil非噗若顿唱片公司性发现它表现出与IL相同的行为13).另一方面,¦pka值在10以下的时候,pil可以根据蒸馏精制。中和反应是可逆的,因此,在真空下发生逆向反应,蒸馏成为可能。[dbuh] [oac]¦pka值是8.52,纤维素酯化反应后,由于蒸馏通过提纯[DBUH][OAc]可重复使用12).这是非质子性IL所没有的特征。发现离子通过酯交换反应被纤维素修饰12)。本报报道了由DBU和醋酸、焦皮酸(HOPr)或丁酸(HOBu)组合而成的三种PIL ([DBUH]、[OAc]、[DBUH]、[OPr][DBUH][OBu]),合成纤维素(Figure 1),在那些PIL中公益社团法人高分子学会
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Esterification of Cellulose in Protic Ionic Liquids
セルロースは天然に豊富に存在する非可食性の高分子 であり,カーボンニュートラルな材料である.機能材料 としても注目されており,セルロースの誘導体化に関す る研究が活発に行われている.たとえば,セルロースの エステル誘導体として硝酸セルロースのような無機酸エ ステルや酢酸セルロースのような有機酸エステルが報告 されている1),2).セルロースのヒドロキシ基にさまざま な官能基を導入することができ,エステル誘導体以外に も多数のセルロース誘導体が報告されている3). 一方,難溶性高分子であるセルロースを溶解するイオ ン液体 (IL)が 2002年に報告され4),多くの研究者の興味 を集めている5)~7).ILは 100°C以下に融点を有する有機 塩であり,難揮発性,難燃性などの特徴を有する8),9). ILは真空下で加熱しても飛散しないため,繰返し使用 できる環境調和型溶媒として期待され,IL中において 種々の反応が行われている8),9).たとえば,セルロース の高分子反応が IL中で行われている.Schlufterらは,1butyl-3-methylimidazolium chloride ([C4mim]Cl) 中でのセ ルロースのアセチル化およびカルボニル化を報告し た10).Hinnerらは,セルロースのビニルエステル化が 1-ethyl-3-methylimidazolium acetate ([C2mim][OAc])中で進 行すること,さらに [C2mim][OAc]がリサイクル可能で あることを報告した11). 最 近, 筆 者 ら は 1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene (DBU)と酢酸 (HOAc)の中和反応により作製したプロト ン性イオン液体 (PIL)である [DBUH][OAc]が,セルロー スのエステル化反応において,溶媒兼触媒として機能す ることを報告した12).PILとは,Brønsted酸からBrønsted 塩基へのプロトン移動反応によって得られる ILであ る.酸と塩基の pKa値の差 (¦pKa)が大きいときにイオ ン性が高まるため,強酸と強塩基を組合せることが多 い.Angellらは,¦pKa値が 10以上のとき,PILは非プ ロトン性 ILと同様の挙動を示すことを見いだした13). 一方,¦pKa値が 10以下のとき,PILは蒸留により精製 できる.中和反応は可逆的であるため,真空下では逆反 応が起こり,蒸留が可能となる.[DBUH][OAc]の¦pKa 値は 8.52であり,セルロースのエステル化反応後,蒸留 により [DBUH][OAc]を精製することで繰返し使用でき る12).これは非プロトン性 ILにはない特徴である.さ らに,セルロースのエステル化反応において,PILのア ニオンがエステル交換反応によりセルロースに修飾さ れることを見いだした12).本報では,DBUと酢酸,プ ロピオン酸 (HOPr),または酪酸 (HOBu)を組合せた三 種の PIL ([DBUH][OAc], [DBUH][OPr], [DBUH][OBu]) を合成し (Figure 1),それら PIL中でセルロースのエス 公益社団法人高分子学会
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Kobunshi Ronbunshu
Kobunshi Ronbunshu 化学-高分子科学
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