母趾爪甲下に生じた汗孔腫の1例

Rina Ito, Noriko Umegaki, Sumiko Ishizaki, Mieko Hata, Masaru Tanaka
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Abstract

汗孔腫は中高年の下肢,掌蹠に好発する皮膚付属器良性腫瘍であるが,汗腺の少ない爪甲下に生じるのは比較的稀である.今回我々は爪甲下に生じた汗孔腫の1例を経験したので報告する.症例は60歳,男性.半年前より左母趾爪甲下の紅色結節を自覚した.その後,皮疹は緩徐に増大し,出血を伴うため当科に受診した.初診時,左母趾爪甲下に5 ㎜大の鮮紅色調の広基有茎性小結節を認めた.病変直上の爪甲を除去して観察したところ,ダーモスコピーでは白色の網目状構造とそれによって区画された紅色胞巣状構造があり,糸球体状血管やヘアピン様血管,花弁状血管などの血管所見がみられた.病理は表皮から連続する腫瘍胞巣が増殖し,小型の核で細胞質の少ないporoid cellよりなり,cuticular cellによって縁取られた管腔構造が散見された.自験例は爪甲下に汗孔腫が生じた稀な症例であったが,術前に病変部の爪甲を一部除去したことで汗孔腫に典型的なダーモスコピー所見を確認できた.爪甲下に生じた症例は国内外で自験例を含め9例の報告のみで,足趾に生じた7例すべてが母趾に生じたことから,機械的刺激が発症に寄与する可能性を考えた.そこで歩行の際に特に荷重負荷がかかり,機械的刺激の多い足底に注目し,当科で経験した足底の汗孔腫の発生部位と荷重部位との関連を検討した.その結果,土踏まずの症例はなく,慢性的な機械的刺激と最も荷重負荷のかかる部位である踵部に好発していたことから,汗孔腫の発生誘因の一つとして機械的刺激が推測された.
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发生在母趾甲下的汗孔瘤一例
汗孔瘤是一种好发于中老年下肢、掌蹠的皮肤附属器良性肿瘤,而发生在汗腺较少的指甲甲下则比较罕见。这次我们经历了发生在指甲甲下的汗孔瘤的一例,所以报告。病例六十岁,男性。半年前开始发现左拇趾甲下有红色结节。后来,疹慢慢增大,并伴有出血,到我科就诊。初诊时,发现左母趾甲下有5mm大小的鲜红色宽基有茎性小结节。去除病变正上方的指甲甲观察后发现,达莫斯皮具有白色网状结构和由此划分的红色胞巢状结构,还可发现肾小球状血管、发卡样血管、花瓣状血管等血管形态。病理是从表皮开始连续的肿瘤胞巢增殖,由小型细胞核、细胞质少的poroid cell组成,由cuticular cell镶边的管腔结构随处可见。自验病例是指甲甲下出现汗孔瘤的罕见病例,术前切除了一部分病变部的指甲甲,确认了汗孔瘤中典型的达茂斑。发生在甲下的病例在国内外包括自验病例在内只有9例报告,发生在足趾的7例全部发生在母趾,考虑到机械性刺激对发病有贡献的可能性。因此,在步行时特别关注负重过重、机械刺激较多的足底,探讨了在本科所经历的足底汗孔瘤的发生部位与负重部位的关系。结果显示,没有脚踏病病例,脚踏病好发于慢性机械性刺激和负重最大的部位脚跟部,因此推测汗孔瘤发生的诱因之一是机械性刺激。
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