The Reactions of Episulfides in the Presence of Lewis Acid

T. Nakajima, M. Nakanishi, Sehei Suga
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Abstract

ルイス酸存在下,ベンゼン中でのエピスルフィドの反応について検討した。プロピレンスルフィド(PS)の場合,生成物はPSの第2炭素にベンゼンが付加した2-フェニル-1-プロパソチオルおよび1,2-ジフェニルプロパン,ビス-(2-フェニルプロピル)スルフィド,PSの環状四量体と線状重合物との混合物であった。光学活性PSを用いたベンゼンのアルキル化反応では,生成物はほとんどラセミ体であったが,重合物にはかなりの旋光性が観察された。1,2-ブチレンスルフィド(BS)の反応では,主として2-フェニル4-ブタンチオル,1,2-ジフェニルブタンとこれらアルキル化物のフェニル基が隣接炭素に移動した異性体,およびBSの環状四量体と線状重合物が生成した。スチレンスルフィドの反応では環状四量体は生成せず,環状二量体が得られた。これら生成物の収率および重合物の分子量は反応条件によって著しく影響をうける。以上の結果を総合して,エピスルフィドによるフリーデル・クラフツ反応では,一度生成した重合物の解重合がおこり,それにより生じたカルボニウムイオンが中間体になると考えられる。
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